ガジュツ(莪朮)

2008年04月30日(水)
〇ガジュツ(莪朮)

 ガジュツはインド原産のショウガ科の多年草で、紫ウコンとも言われる。

 南アジア一帯で広く栽培され、日本では沖縄、屋久島、種子島で良質品を産する。里芋に似た直径4〜5cmの卵型の根茎の断面は淡黄色、中央部が淡い紫色を帯び、特有の芳香と強い苦みを持っているが、それを薄く切って乾燥させ粉末にしたものが生薬として用いられる。その形と顕著な薬効とによって、わが国では古くから弘法大師の石芋とも呼ばれていた。中国薬物書の古典本草綱目には、主治として消化器病、感染症、神経症、血の道症、腫瘍、小児喘息などが挙げられ、古今の彼我の文献には健胃、駆風、鎮痛、駆お血、通経薬として薬効顕著であることが紹介されている。ガジュツを主剤とした漢方薬もあり、それだけに有効成分とその薬理作用に関する研究も活発に行われてきた。

 全量の約1〜1.5%に当たる精油成分からは多くのモノテルペン類(シネオールやカンファーなど)、セスキテルペン類(アズレンなど)、クルクミン類など微量成分を含めると100種近くが見い出され、それらの作用機序が解明されてきた。芳香性があるため飲んだ時にの中がすっきりとし、特有の苦味(モノテルペン類の配糖体)が刺激となって胃液の分泌を促し、同時に精油成分のシネオールも唾液や胃液の分泌を促すので消化力が高まるという健胃効果をもたらす。シネオールには胆汁の分泌を促す作用もあり、消化を助けるとともに血中コレステロールを下げる働きもする。また強い殺菌・防腐作用があり、同様の作用はカンファーにも認められている。カンファーはカンフル剤の主成分で強心作用がある。

 このような多様な成分の相乗効果によって生ずるガジュツの効果については数多くの報告がなされている。糸川秀治(東京薬科大学)はマウスによる実験で、ガジュツのエキスに抗腫瘍作用、肝障害の発生を抑える作用があることを認めている。また、水野修一(国立小倉病院)は臨床試験によって、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性委縮性胃炎の元凶と見られているヘリコバクター・ピロリがガジュツの投与によって胃内から消滅することを確認している。奥田拓道(愛媛大学医学部)らの研究グループは、アルコール抽出分画にアレルギー物質となるロイコトリエン生成に関わる5−リポシゲナーゼを抑制することを見出しており、これはガジュツが抗アレルギー作用を有すると考えられることから、今後の臨床的成果が待ちれる。

 中国では、抽出液の注射で子宮ガン・皮膚ガン・口唇ガンなどに著効を見たという報告が多い。また、慢性肝炎・膵炎、胃潰瘍、不整脈、高血圧、高血糖といった重篤な疾患以外にも、ニキビ、シミ、口臭、便秘、肩こり、腰痛、冷え性、脱毛症、夜尿症などの日常的な不調に対する効果も多数公表されるとともに、ウコンとの併用による相乗的な効果も報告されてきている。

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α−リポ酸

2008年04月29日(火)
〇α−リポ酸

 2004年3月の食薬区分改正で食品にも使えるようになったα−リポ酸は、別名をチオクト酸といい、ドイツでは糖尿病合併症予防の治療薬として、アメリカでは肝臓疾患治療に利用されてきたビタミン様物質である。その作用は大きく2つあり、糖の代謝促進と抗酸化作用である。食事から摂取した糖質は体内で解糖の最終産物であるピルビン酸に変化してミトコンドリアに運ばれ、そこでα−リポ酸によってアセチルCoAに転化し、TCA回路(クエン酸回路)で代謝される。

 α−リポ酸の体内量が少なくなると、糖がエネルギーとして代謝されず肥満の原因となる。一方、抗酸化作用はビタミンC・Eの400倍の強さを持つといわれているが、その酸化物質としての特異性は、細胞膜の脂肪性領域と水溶性領域の両方で働くことができることである。つまり、水溶性ビタミンや脂溶性ビタミンのようにその作用が限定されず、さらに分量が小さいので体の隅々まで浸透しやすい。α−リポ酸は治療目的で使用する場合の摂取量は1日当たり600mgとされているが、サプリメントとして摂取場合は、メーカー推奨量が1日100mg程度ある。

Posted by しょう at 06:25  / 健康食品  / この記事の詳細
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クエン酸

2008年04月26日(土)
〇クエン酸

 クエン酸はレモンやライムなど柑橘類に多く含まれる爽快な酸味を持つ酸で、レモン1個に約4gのクエン酸が含まれている。ヒトの血液中には総量にして0.1g近く含まれ、常に体中を巡り、生命維持に欠かすことのできないエネルギーを獲得する場面で重要な役割を担っている。

 ヒトの体内でブドウ糖がエネルギーに変わるには2つの方式がある。1つは解糖、もう一つはクエン酸回路だが、この回路のキーを握っているのがクエン酸である。実際にクエン酸を摂取することによって、運動能力の向上、疲労回復、肩こり・腰痛の予防・抗菌・抗ウイルス作用が見出されている。

 クエン酸のもう一つの働きにキレート作用がある。キレートとはギリシャ語でカニのはさみを意味する「ケーレー」に由来する言葉で、金属のイオンを化合物の両端に挟み込み、その金属イオン特有の性質を覆い隠す。クエン酸は生体内でカルシウムやマグネシウム、あるいはアルミニウムなどのミネラルイオンと結合し、イオンとしての作用を現わさないようにする働きがあるため、保存血液の抗凝固剤や大腸ガンの検査時に使われるマグネシウム塩類下剤に応用されている。また、クエン酸と鉄のキレート化合物であるクエン酸鉄はアルツハイマー病の治療薬として用いられることもある。それはクエン酸のキレート形成能力とその無害性によるものである。

 クエン酸は柑橘類のほか、梅干し天然醸造酢などにも多く含まれており、最近は各種機能性素材とクエン酸が組み合わされ、さまざまな健康食品が登場している。

Posted by しょう at 17:40  / 健康食品  / この記事の詳細
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黒酢

2008年04月24日(木)
〇黒酢

 酢は調味料の一つで日女的な食品だが、これを健康酢の位置にまで高めたのが黒酢である。米酢の一種であるが、特に長期間(6か月以上)発酵・熟成させることによってアミノ酸と糖が反応して黒褐色化することから黒酢と呼ばれている。アミノ酸をはじめとする多くの栄養分を含んでおり、血圧降下作用があるなどの健康効果が広く知られたこともあって、今日の健康酢ブームの主役に躍り出た。

 黒酢の発祥地は鹿児島県福山町で、つぼ酢がそのルーツである。しかし中には過熱気味の黒酢ブームを反映してか、長い熟成期間を置かずに、食酢をカラメルで着色して黒酢と称するようなものまで現れ、消費者を混乱させている。

 このような状況を踏まえ農林水産省は2003年7月、それまで米酢の規定しかなかったJAS規格に、新たに「米黒酢」の規格を設けた。それによると「穀物酢のうち、原材料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精米したものを除く)、またはこれに小麦もしくは大麦を加えた者ののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵および熟成によって褐色または黒褐色に着色したもの」と定義された。黒酢は調味料としても利用できるが、価値が高めのことから、特に健康飲料として製品化されるケースも多い。

Posted by しょう at 17:37  / 健康食品  / この記事の詳細
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蟻(あり)

2008年04月22日(火)
〇蟻(あり)

 は膜翅類アリ科の成虫で、世界に2万種近く生存し、日本だけでも約250種類がいる。古来より乾燥蟻粉末は補腎、養肝、健脾の効ありとされ、周代(紀元前1050〜256年)は貴族の滋養強壮剤とされた。漢代(紀元前202〜後220年)には蜂蜜と混ぜて骨の鎮痛、強化に「金剛丸」という丸薬として用いられた。また、明代の本草綱目には玄駒の名で記され、搗いて化膿腫や疸毒の外用治療薬とされている。

 現在、中国で食用、薬用、日本で健康食品に用いられる蟻は衛生的な面から木の上に巣を作る疑黒多刺蟻に限定されている。成分としては必須アミノ酸をすべて含むタンパク質を50%以上含み、鉄、マンガン、カルシウム、亜鉛等のミネラルやビタミン1、B2、B12、Eなどを豊富に含有している。また薬効成分としては、鎮痛、消炎、筋肉増強作用を持つとされる昆虫変態ホルモン「エクソジン」、消炎作用を持つサポニン類、殺菌力を持つ蟻酸、多種類の酵素などが見いだされている。

 現在では主としてB型肝炎、変形性関節炎、リウマチ性関節炎の鎮痛改善の用途に頻用されているほか、精力増強貧血や骨粗鬆症の予防改善にも利用される。

 その効果は、中国の周らによるB型肝炎患者168名への投与では、有効率86.9名と報告されている(中薬理と臨床6、1994年)。また呉らのB型肝炎85症例の有効率は81%であったとされた(山東医薬36巻7期、1995年)。さらに、日本の東京理科大学における蟻主剤の健康食品による変形性膝関節炎22症例の4週間投与後の有効率は、痛みに対して73%、こわばりにたいして50%、関節の屈伸に対して64%であった(薬理と治療32、No1.、2004年)

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オリザブラン(米糠水溶性多糖類)

2008年04月20日(日)
〇オリザブラン(米糠水溶性多糖類)

 米ぬかは東洋医学で米皮糠(べいひこう)と呼ばれ、慢性脚気や食道狭窄症の改善、胃の消化力や腸の蠕動運動の促進、自律神経正常化等に用いられている。栄養源としてはもタンパク質約1.32%、脂質約18.3%、炭水化物約38.3%のほか、ビタミン、ミネラル類も多量に含むなど、すぐれた特質を有する。また、日本では石鹸代わりの「ぬか袋」として銭湯で売られていた時期もあり、長年、皮膚やの美容化粧品としても利用されている。

 米ぬかの主成分はオリザノールと呼ばれ、ぬか油(トリテルペンアルコールフェルラ酸エステル)、ビタミンE、脂肪酸、高級アルコールといった、水に不溶の油溶成分に起因すると考えられてきた。しかし、米ぬかが美容を目的として使用されるときは、ぬか袋のように入浴洗顔時に湯水とともに用いることが多いことから、林輝明は、水に溶けにくい油溶成分よりも水可溶成分のほうにいっそうの美容作用を示す有効成分が含まれているのではないかと考え、東北大学薬学部の曳野教授と共同研究を開始、1987年に、米ぬかに約1.8%含まれる水可溶成分の米糠多糖類を抽出した。そして、その主体となる4種類のオリザブランA、B、C、Dを分離し、構造を決定して、生理活性を調べている。その結果、これらの多糖類は血糖降下作用(糖尿改善)、尿素を上回る皮膚への保水作用、荒れ肌改善作用、創傷治癒作用があることが判明した。

Posted by しょう at 11:38  / 健康食品  / この記事の詳細
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カンカ(砂漠人参)

2008年04月19日(土)
〇カンカ(砂漠人参)

 カンカ(カンカクニクジュニウ)はハマボウフウ科ニクジュヨウ属植物。砂漠人参とも使用され、砂漠でも育つ強靭な生命力を有する。神農本草経には「肉蓯蓉」として記録され、補腎薬や滋養強壮を目的に多くの漢方薬に配合されている。主にタクラマカン砂漠など砂漠地帯でタマリクス(紅柳)の根部に寄生する多年草の植物で、中国ではウイグル族の民間薬として使われ、漢方生薬として重要な構成生薬であるばかりでなく、カンカ自体が認知症の改善薬として認可されている。

 成分はウイルス感染を防いで免疫力を高める効果があるといわれるエキナコシド(echinacoside)や、ポリフェノールの一種で抗腫瘍作用や肝臓保護作用、ストレス負荷による性行動や学習行動の低下を回復させるといわれるアクテオシド(acteoside)をはじめ、アルカノイド、フラボン類、アミノ酸、フェニルエチルアルコール配糖体、イリドイド類、D−マンニトール、β−シトステロール、多糖類等や無機微量元素を含んでいる。このほか血管拡張作用、抗疲労作用、抗酸化作用、抗老化作用、免疫増強作用、美白作用などが確認されている。

 中国ウイグル自治区のホータン(和田)地区では、産業振興と砂漠緑化の両面から、カンカの人工栽培とタマリクスの植林を進めている。一方、わが国では近畿大学がカンカの有用性に着目、中国中薬民族薬研究所などと共同で「新規機能性食品素材開発共同プロジェクト」を推進するとともに、2006年8月にホータン地区の農民(ニヤ)県政府と提携し、カンカに関する学術研究と砂漠緑化を進めてきた。2007年3月には国際カンカ研究会が発足し、第1回国際カンカ・シンポジムが近畿大学で開催された。2006年には近畿大学薬学部の村岡修と京都薬科大学の吉川雅之との共同研究において、強い抗酸化作用を有する高濃度のポリフェノールが含まれていることや血管拡張作用を示すカンカノシドのA〜G、カンカノース、カンカノールなど新規成分が発見されている。

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