エノキダケ

2007年10月26日(金)
エノキダケ

 キシメジ科の食用キノコで、学名はFalmmulina velutips。ナメタケ、トキシラズ、ユキノシタ、ホンナメコなどの別名がある。晩秋から初冬にかけてエノキ、柿、イチジク、ポプラ、ブナなど広葉樹の枯れ木に密生する。昨今では榾木栽培、ビン栽培が盛んで、四季を投じて出回るようになった。鍋物、煮物、和え物、炒め物など、季節を問わず和洋いずれにも適している。

 成分的には食物繊維やビタミンB1、B2、ナイアシンが豊富で、とりわけB1は100g中0.24mgと多く、生シイタケの2倍強もある。池川哲郎(薬学博士・金沢大学)は食用キノコの抗ガン作用の研究で、エノキダケをよく食べる長野県のエノキダケ栽培農家のガン死亡率は、一般家庭より全ガンで30%、胃ガンで55%、食道ガンで62%も低く、エノキダケをほとんど食べない人がガンで死亡する危険度を100%とすると、エノキダケを週3日以上食べる人の危険度は47で半分以下になる、と報告している。

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シャンピニオン

2007年10月24日(水)
シャンピニオンエキス

 フランスで17世紀始めに栽培が始められたハラタケ科のシャンピニオン(英語名=マッシュルーム)は、その優れた風味とともに、ビタミンB2を多く含む食材として各国の食膳をにぎわせているが、その成分を抽出したシャンピニオンエキスが経口摂取できる消臭素材として開発され、広く上市されるようになった。

 食物や体調や、加齢などによって、いわゆる腸内悪玉菌が増殖すると、町内異常発酵による悪臭ガスが腸壁から吸収された不快な体臭や口臭の原因となるほか、発生した有害物質が老化現象などの原因になると指摘されている。

 シャンピニオンエキスはこの腸内異常発酵を抑制する結果、口腔内の臭い、呼気(吐く息)、体臭、便臭を非常によく消臭するとともに、血中への腐敗成分(アンモニア、メルカプタン、硫化水素、インドール、スカトール、クレアチニンなど)の吸収を少なくして、慢性腎不全や高アンモニア血症の進行を阻止する作用のあることが報告されている。

 シャンピニオンエキスは現在、飲料・菓子・健康食品・一般食品(スープ・味噌汁など)、病院の総合栄養流動食・治療用食品などの形で広く供されているほか、ペットフードの分野でも利用が始まり、近年では欧米へも盛んに輸出されるようになった。

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ハナビラタケ

2007年10月23日(火)
ハナビラタケ

 ハナビラタケ(花弁茸)はハナビラタケ科の食用のキノコで、世界に1科1属2種だけが、夏から秋口にかけて関東以北の山間部で針葉樹の根元や切り株に生える。英語名カリフラワー・マッシュルームからもわかるように、葉牡丹のように縮れた花びら状の子実体は、1株の直径が20〜40cm、高さ10〜30cmにも達するが、絶対数が少なく、しかも人工栽培が非常に困難であることが、健康食品界への登場を遅らせる原因となった。この困難な人工栽培を成功させたのは福島隆一(埼玉県立熊谷農業高校教諭)であるが、この成功によって供給されるようになった試料を用いての生理活性研究が学界にデビューを飾ったのは、1999年3月に徳島市で開催された日本薬学会第119年会である。ポスター発表で、東京薬科大学第一微生物学教室の宿前利郎、大野尚仁らによるハナビラタケ由来のβ−グルカンの構造と活性であった。

 同研究によれば、ハナビラタケのβ(1→3)D−グルカンは43.6g/100g(酵素法による)にも達し、この数字はどんなキノコよりも圧倒的な多さである。

 また、抗ガン活性の実験は、1群10匹、合計130匹のマウスに固型ガン細胞ザルコーマ180を鼠蹊部に皮下注射で移植して行われた。子実体の熱水抽出(4倍画分、1倍画分)、冷アルカリ抽出、熱アルカリ抽出の濃度の異なる試料(500、100、20ug)を7日目、9日目、11日目の3回、腹腔内に注射で投与し、5週間経過後のガン細胞抑制率を調べたものである。結果は2群(熱水抽出画分の100、20ug投与)を除く全てにおいて著しい抗ガン効果を示し、特に熱アルカリ抽出画分100ug投与では、100%のガン退縮を見た。

 引き続いて、注射ではなく、経口投与による抗ガン効果を検討する実験が同研究グループによって行われ、熱水抽出試料を連日50、100、200ug経口投与することによって、抹消血管内の白血球数が未投与グループに比して1.5〜2倍にも増えたことが確認されている。

 ハナビラタケの抗腫瘍効果については、最近、臨床治験報告も出されている。移入免疫療法の第一人者として知られる吉田憲史(ヨシダクリニック東京総院長)によると、大腸ガンが肺に転移して一時は余命6ヶ月と診断された59歳の女性で、移入免疫療法によりガンの進行は抑えられていたが、その後両側の頚部リンパ節転移が認められ、腫瘍マーカーCEAも37.5へ上昇した。そこでハナビラタケ1T(100mg)を1日3錠ずつ内服して経過を見たところ、1ヵ月後には頚部リンパ節転移が右側1個となり、2ヵ月後には消滅し、CEAも254へ下降した。免疫力を表すNK細胞活性も当初の17%から40%まで回復。それ以降、ハナビラタケを内服しながら月1回の治療を続けた結果、ガンの進行は認められなかったという。吉田の報告によれば、慰留免疫療法とハナビラタケを組み合わせる治療法は、手術や抗ガン剤によって低下した免疫力を飛躍的に活性化させ、体内ワクチン作用を起こし、ガンと闘う力をよみがえさせる効果があるとしている。

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冬虫夏草

2007年10月19日(金)
冬虫夏草

 子嚢菌類のキノコ(胞子)が昆虫(一般には鉢、蝶、蛾、蜘蛛、甲虫類などの幼虫、さなぎ、成虫)に寄生したその体内に菌核を充満させ、時期がくるとその頭部や間接部から棒状の子実体を伸ばしたものを総称して冬虫夏草(和名=フユムシナツクサタケ)というが、健康食品の場合は後述のように範囲を限定して用いている。冬虫夏草の文字は、夏になって虫がキノコに変ずる用を表しており、中国では虫草とも呼び、四川、青梅、チベット高原地帯が産地として特に有名だが、わが国固有の20数種(クモタケ、セミタケ、カメムシタケなど)や中国特産の60数種を合わせて世界的には350〜400種ほどが知られる。虫体をつけたまま採集して、全体を陰干しにして用いる。

 中国の薬書としては1757年に発行された清の呉儀洛の本草従新以来、古典にたびたび顔を出すことになる冬虫夏草は、秦の始皇帝や楊貴妃が不老長寿を願って求めたと伝えられるように、伝統的に滋養強壮の高貴薬として尊重されたようであるが、その薬効について本草従新では、肺、腎を補う...としている。これよりも30年ほど前(享保13年)に、わが国へ中国から冬虫夏草がもたらされたことが聊需志仕外集に記録されている。

 近年のわが国におけるとの研究は、検体入手の道がついた20年ほど前から始められたが、やがて中国から中枢神経への作用(喘息・咳嗽など)、糖尿病の改善などエネルギー代謝の調整作用、精力強壮作用など、万能とさえいえる効能が伝えられて以来、多くの研究者や研究機関によって抗ガン作用を始め、虚弱症・貧血症・インポテンツなどへの有効性、血圧調整作用、気管支拡張作用など画期的な研究成果が次々に報告されてきた。その過程で薬効随一の評価を得てきたのがチベット高原で採取される天然産品で、これはバッカク菌が蝙蝠蛾の幼虫に寄生したもので、この種を特定して冬虫夏草と呼ぶこともある。

 しかし、どの種類であっても天然品は希少資源で十分に需要をまかなうことができないために人工栽培も試みられ、北京医科大学や日本では吉井菌学研究所などで成功している。

 一方、天然品のように子実体を育てるのではなく、人口の培地で菌糸体(キノコでいえば地下部分)を培養して純粋な有効成分を得ようとする菌糸体培養の試みが浙江省の杭州保霊健康食品公司で成功し、定評ある青海産種の菌株を用いた高品位の製品が供給され始めている。浙江省中医研究所などの成分分析によれば、天然品の特有成分であるコルジセピン、ウラシル、ウリジン、アミノプリン、エルゴステリンなどの含有量は全く遜色がないという。同様の菌糸体培養は日本でもハナサナギタケを用いて成功し、医学的に貴重なデータが集められている。

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マツタケ(松茸)

2007年10月10日(水)
マツタケ(松茸)

 松茸。キシメジ科のキノコで、秋に赤松林やツガ林などの地上に生える。国内生産量は近年極端に減っており、市場に出回っているものの80〜90%は韓国、北朝鮮、カナダ、中国、モロッコ、メキシコ、アメリカ、ブータンなどから入ってくる輸入物である。

 「匂いまつたけ、味シメジ」の言葉通り、珍重される独特の香り成分は、桂皮酸メチルエステル、オクテノール、メチルオルシナートなどで、これらは食用増進や消化酵素の分泌を促す作用がある。成分的にはビタミンB2とナイアシンが豊富で、B1も100g中に0.1mgと、生シイタケと同量である。B2とナイアシンは口内炎、角膜炎をはじめとする皮膚炎の予防、抵抗力の強化、神経障害の予防などの働きがある。

 カロチンはないが、ビタミンDを4ug含むので、体内のカルシウムの働きを助け、骨にカルシウムが吸収されやすくするのに役立つ。その上、農林水産省食品総合研究所蛋白質研究室の研究によると、まつたけからガン細胞のみを選択して殺す蛋白質が発見されたという。まつたけ抗腫瘍タンパク質(MAP)と名づけられたこのタンパク質は、正常な細胞は生かして、ガン細胞だけを選択的に攻撃する性質を持っているという。まつたけは高価なのが難点だが、旬には少しでも味わう価値がありそうである。

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ヤマブシタケ(山伏茸)

2007年10月05日(金)
ヤマブシタケ(山伏茸)

 広葉樹林で時に採取されることもあるハリタケ科のキノコで、子実体は傘型ではなく、白うさぎが長い房を垂らしてうずくまったような珍しい形をしており、兎茸、針千本などの別名がある。漢方ではその乾燥物を猴頭といいい、虚弱・消化不良、神経衰弱・胃潰瘍などに用いてきた。

 さまざまな菌類のこう主要活性に注目が集まる中で、ようやく安定した人工栽培も確立されたことから改めて本格的検証が行われて、有効成分の分析をはじめ、優れた抗ガン作用を示す詳細な研究(共立薬品工業による)も学会発表されるようになった。

 それによると、@ヤマブシタケ子実体を予備処理ののち熱水処理して乾燥粉末を得る、Aその乾燥粉末にイヌリンを添加したもの、BさらにAにキトサンを加えたもの、の3種類の試料をザルコーマ180固型ガンを移植したマウスに対して、経口投与、腹腔内投与(注射)の方法がとられた。その結果、腫瘍増殖抑制率は@の経口投与(500mg/kg)で51.8%、腹腔内投与(100mg/kg)で63%、Aの経口投与で54.8%、Bの経口投与で59%というヤマブシタケの大きな可能性を示す成績を得たのである。

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霊芝

2007年10月03日(水)
霊芝

 霊芝は和名をマンネンタケといい、サルノコシカケ科に属する坦子菌類の一品種であるが、梅などの古木10万本に2〜3本しか採取できないという希少品種で、めったに人目に触れることがなかった。古代中国では、宮中に霊芝が生じると天下泰平の印として、祝宴を催したと伝えられている。そんなこともあってか、神草とか仙薬、不死草などと呼ばれ、不老長寿の新薬として用いられていた。

 漢方ではその薬効作用に注目しており、李時珍は本草綱目で、赤芝、青芝、黄芝、白芝、黒芝、紫芝の6種をあげ、「久しく食すれば、身を軽くして老いず、年を延ばして神仙となると記し、漢方薬の中で上薬に位置づけている。

 やや古いが1974年に出版された中国薬用真菌(劉波著)によれば、霊芝は健胃、健脳、強壮、利尿に効果があり、症状としては神経衰弱、不眠、急・慢性肝炎、胃潰瘍、気管支炎、胃炎などに優れた効果があると記されている。

 一方、わが国でも霊芝の研究は盛んで、特に人工栽培では1937年(昭和12年)から京都大学で始まり、その後研究を重ねた結果、1971年になって、同大食料研究所所技官であった直井幸雄が世界で初めて霊芝の量産に成功した。それとあいまって、薬理研究も活発化し、多くの臨床例、治験例が報告されるようになった。まだその薬効成分に関しては十分に解明されていないが、その効用については非常に多くの臨床例などで実証されている。

 効用のひとつとして、淤血と血栓を駆除することがあげられる。淤血とは、古血、つまり血の流れが悪くなり、滞ってしまうことをいう。血栓は、血管の中に血液などの固まりが詰まることで、それによって血液の循環をとめてしまうことに繋がる。各種の生活習慣病をはじめ、現代病と言われる多くは、この淤血や血栓が原因となった起こるケースが多い。たとえば、自律神経失調症、更年期障害、腰痛、痔、便秘、頭痛、慢性肝炎、肩こり、イライラ、歯槽膿漏など多数に及び、現代人が悩む病気はほとんど含まれているといってよい。

 こうした淤血を示す徴候としては、@脱毛、A赤ら顔、顔にしみができはじめた、B鼻の頭が赤くなった、C目が充血しがちになり、目がかすむ、D首の後ろが重く、時々フラッとする、E歯茎の色が悪くなった、F耳鳴りがしたり、肩がこる、G皮膚の色が黒くなり、つまむと赤色化してなかなか消えない、H生理痛・生理不順がひどい、I便秘がち、痔を患う、J腰痛、K、手のしびれ、震え、L心臓の付近が時々刺すように痛む、M傷あとが治りにくい、N喘息や気管支炎でもないのに空咳が出る、O皮下脂肪組織をつまむと硬くて痛い、などがあり、いずれも注意する必要がある。

 血栓症は、血管のつまり血液が体の隅々まで送れなくなるもので、その最たるものが脳卒中や心筋梗塞である。ここまでくると命取りになるが、そこまで行かなくとも多くの疾病を引き起こす要因になっている。霊芝はこのような病変に対して、@高血圧を改善する、A低血圧の人の血圧を高める、B動脈硬化の予防作用がある、C高脂血症を改善する、D降圧剤の副作用を軽減する、E老化を防止する、F新薬と併用して降圧作用を高めるなどの働きを持つ。

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鹿角霊芝

2007年10月02日(火)
鹿角霊芝

 霊芝の成長期を特殊な栽培技術で長引かせて収穫したもので、雄鹿の角のような形をした霊芝である。その艶やかな色合いも勇壮な雄鹿の角を思い起こさせるが、若い鹿の角は古くから漢方では鹿茸の名前で滋養強壮剤に用いられてきた貴重品。鹿角霊芝も鹿茸に匹敵する若さのエネルギーを内在させる若々しいキノコである。

 栽培用の台木(榾木)や培養基から顔を出した霊芝は、最初は棒状にすくすく伸びていくが、やがて頭部が膨らみ傘状になる。これは繁殖のための胞子を傘の裏側に宿す準備あり、言い換えれば一世代の終わりが来たことを示しており、完成の時期を向かえた分、育ち盛りの勢いに陰りが見えはじめた時期であるともいえる。やがて霊芝は、普通は傘を開いて熟年期に入ってしまうが、新たに工夫された特殊な栽培技術を駆使すると、傘を開くまでの成長期を大幅に延長することができる。こうして、霊芝の成長エネルギーにあふれた状態で収穫したものが鹿角霊芝である。

 漢方の世界では歴史が古く、臨床報告も多い霊芝は早くから薬理研究の対象とされ、日本や中国、近年はアメリカも加わって多くの研究が行われ、それによって例えば、多糖体のβ−グルカン、苦味成分のトリテルペノイド系のガノデリン酸、タンパク多糖、ペプチドグルカンなど、特別な作用を見せる薬効成分が順次明らかにされている。熟成した霊芝と、若々しさを秘めた鹿角霊芝。薬用茸としての働きはほぼ共通していると考えられるが、両者それぞれに独特の持ち味があることも興味深いといえよう。

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カバノアナタケ(チャーガ)

2007年10月01日(月)
カバノアナタケ(チャーガ)

 チャーガはタバコウロタケ科のキノコで、カバノアナタケとも呼ばれる。カバナタケ、白樺茸という異名もある。白樺や岳樺などカバノキ科の木肌の割れ目に寄生して菌糸を伸ばし、木質を腐食しながら菌核を形成する。菌核は石炭のようになり、大きなものは10kgにも達する。国内では北海道とごく一部の高山にしか育たない。人工栽培はできないが、菌糸培養は成功している。チャーガと同じ菌核には、漢方薬の茯苓、雷丸、猪苓などがある。ロシアの作家ソルジェニツィンのガン病棟には、このチャーガが登場し、ガンの抑制効果に触れられている。

 チャーガについての薬理研究はまだ少ないが、チャーガの抗腫瘍活性の多くが免疫賦活作用と関連していることから、エイズウイルス(HIV)に応用する研究が進められている。チャーガの抗HIV作用は、感染細胞とウイルスの両方へ作用してもたらされると考えられている。日本農芸化学会1998年度大会で、工技院生命研/北海道食加研らのグループが「カバノアナタケ由来の水溶性リグニン様物質によるHIV−1プロテアーゼの阻害」を発表している。

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