固溶化熱処理とは
2009年06月26日(金)
ステンレス鋼のうち耐食性が最も優れているのがSUS304が代表するオーステナイト系であるが、それには固溶化熱処理を必要とする。約1100℃に加熱して一定時間保持し、全体が一様なオーステナイトになった時点でこれを急冷すれば、原子が拡散する余裕がないため、常温でもオーステナイト組織のままでいられる。
この処理により、冷間加工や溶接などによって生じた内部応力を除去し、また熱間加工や溶接によって析出したクロム炭化物(粒界腐食の原因)とシグマ相(Cr45%前後のFe-Cr合金で、もろい)を固溶消失して、延性の改善と耐食性の向上が得られる。
処理温度が高いほど炭化物はよく固溶するが、他面、結晶粒度が粗大化したり表面に酸化スケールが生じる。加熱保持時間は1h/25mm、薄板なら1.5min/1mmを標準とする。この標準はsus304、316、321には適用されるが、炭素量の多いSUS301、302やCr、Niの多い309S、310Sなどは、拡散時間が必要であるから約20%増しが適切である。
冷却時間は速いほどよい。遅いと固溶した炭素が再び炭化物として析出するからである。しかし速すぎても熱ひずみで変形するから、処理部品の形状、肉厚、寸法などを十分考慮の上、水冷、油冷または空冷、強制空冷かを選ぶ。一般には比較的肉うす物または小物は空冷し、肉厚物は水冷する。
550〜850℃の温度範囲では炭素とCrは結合してクロム炭化物を作りやすく、粒界腐食の原因となって耐食性が著しくわるくなる。これを防止するには500〜900℃の温度区域を可能なかぎり早く冷却(通過)させる必要がある。粒界腐食試験を行うために、わざわざこの温度範囲に加熱することを鋭敏化熱処理と言う。
参考:オーステナイト系ステンレス鋼の固溶化熱処理[JIS G4303]
鋼種/固溶化熱処理温度℃
SUS201,202 / 1010〜1120急冷
SUS301,302,303 / 1010〜1150急冷
304,304L,305 / 1010〜1150急冷
316,316L,316J1,316J1L / 1010〜1150急冷
317,317L,XM15J1 / 1010〜1150急冷
SUS390S / 1030〜1150急冷
SUS310S / 1130〜1180急冷
SUS321 / 920〜1150急冷
SUS348 / 980〜1150急冷
この処理により、冷間加工や溶接などによって生じた内部応力を除去し、また熱間加工や溶接によって析出したクロム炭化物(粒界腐食の原因)とシグマ相(Cr45%前後のFe-Cr合金で、もろい)を固溶消失して、延性の改善と耐食性の向上が得られる。
処理温度が高いほど炭化物はよく固溶するが、他面、結晶粒度が粗大化したり表面に酸化スケールが生じる。加熱保持時間は1h/25mm、薄板なら1.5min/1mmを標準とする。この標準はsus304、316、321には適用されるが、炭素量の多いSUS301、302やCr、Niの多い309S、310Sなどは、拡散時間が必要であるから約20%増しが適切である。
冷却時間は速いほどよい。遅いと固溶した炭素が再び炭化物として析出するからである。しかし速すぎても熱ひずみで変形するから、処理部品の形状、肉厚、寸法などを十分考慮の上、水冷、油冷または空冷、強制空冷かを選ぶ。一般には比較的肉うす物または小物は空冷し、肉厚物は水冷する。
550〜850℃の温度範囲では炭素とCrは結合してクロム炭化物を作りやすく、粒界腐食の原因となって耐食性が著しくわるくなる。これを防止するには500〜900℃の温度区域を可能なかぎり早く冷却(通過)させる必要がある。粒界腐食試験を行うために、わざわざこの温度範囲に加熱することを鋭敏化熱処理と言う。
参考:オーステナイト系ステンレス鋼の固溶化熱処理[JIS G4303]
鋼種/固溶化熱処理温度℃
SUS201,202 / 1010〜1120急冷
SUS301,302,303 / 1010〜1150急冷
304,304L,305 / 1010〜1150急冷
316,316L,316J1,316J1L / 1010〜1150急冷
317,317L,XM15J1 / 1010〜1150急冷
SUS390S / 1030〜1150急冷
SUS310S / 1130〜1180急冷
SUS321 / 920〜1150急冷
SUS348 / 980〜1150急冷



