独立行政法人経済産業研究所から慶応大学樋口義雄教授による考察「法と経済学の視点から見た労働市場制度改革」が発表されました。
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/08100002.html
ワーキングプア等にみられる労働市場の二極化問題を取り上げ、その原因となっている景気循環的要因と構造的要因を分析し、労働市場改革に求められる雇用対策や法体系を考察した文章です。
19ページの文章ですが、現状分析に偏りすぎて、今後どういう対策が必要なのかがよくわかりません。
やっと最終ページに、
「政府はどのような枠組みを使って、政策の実効性を高めていくべきなのか。労使の自主的な解決を求める枠組み作りによって対応していくべきなのか、それとも強制力を使ったり、補助金によって一定の方向に誘導したりするほうがよいのか、それぞれの問題について、具体的な検討が求められる。」
これで文章が終わっています。私としては、政策の実効性の具体的方法や自主的な解決を求める枠組みは何なのかについて大学教授の見解を聞きたいのです。
樋口先生は、労使のコミュニケーションを高めることの重要性については触れておられます。しかし、労働組合の組織率が低い点や中小零細企業の置かれている状況から、「労使の自主的な協議による改善は期待できず、行政による直接的な介入が求められることもある。労働基準に関わる基本的な事項も、これに該当しよう。」と述べておられます。
その、行政による直接的な介入とは何なのか、をはっきり示してほしかった。
私は、定期的な労使協議会の開催を法で義務付けることだと思います。開催の手法や議事進行、議題について基準をもうけ、労使が対等に話し合える基盤を整備することが、起業経営の面でも労働福祉においても有益であると考えています。
労働時間の規定のしかたの詳細は労使の話合いで決定し、法の規制はできるだけシンプルにわかりやすくするべきです。そうすることで(そういう話合いに参加することによって)労務に詳しい従業員だけでなく、一般の従業員にとって労働法制が身近になるという効果が生まれます。労働教育効果は将来にわたって日本の雇用社会に大きな好影響を与えます。
また、労働基準行政も簡素化されるのではないでしょうか。書面化された就業のルール(就業規則)があるかないか、労働者代表の選出が適正か、民主的な協議会が成立し運営されているかなどを指導していけばいいわけです。