★叱り方の極意 実践編
2008年08月04日(月)

「叱り方」は一歩間違うと逆効果となり、叱らない方がまだ良かったのでは?という結果を何度も
見てきました。
現実には叱り上手の名人などは中々周りにいないものです。
しかし、叱り下手は極端な場合に「組織を腐らせる癌細胞」そのものになってしまう重大な危険
性をもっていますが、本人がその重大さに全く気付いていないケースが多いです。
1.叱れない上司
また、叱らない(叱れない)上司も多く、部下に舐められ、危機感の共有化も出来ないケース
もあります。
どうして叱れないのかを本人に聞いてみると、
・「以前に叱った時に、会社を辞められてしまったから叱るのが怖くなった」
・「自分自身が上司に叱られた時に反発心しか持たなかったから、叱るのは逆効果だと考え
ている」
・「自分では厳しく叱っているつもりである」(周りはお小言程度にしか感じていない)
・「叱るのは自分のマネジメントスタイルではない」
・「自分の部下で叱る必要のある言動は今のところ一度も無かった」
との答えが返ってきます。
しかし周りの部下は、
「上司が甘過ぎるから不良社員に舐められるんだ。」
「だからうちの部署は駄目なんだ」と感じています。
叱るべき人を、叱るべき時に、叱らないと、周りは、
「あの上司は本人から何か弱みでも握られているのではないか」とか、
「あの人は絶対に叱られないから、えこ贔屓されている」と感じてしまいます。
これが組織腐敗の第一歩です。
2.コンサルタントの間違い
良くコンサルタントの先生が、「叱り方のHowtoをいくら覚えても無駄。部下から尊敬される
上司になれば、いくら叱っても部下はついてくる」と言われます。
全くその通りだと思いますが、部下から尊敬される上司でも叱り下手が存在します。
そういう人は、「やり手だが人望に欠ける」と評価されています。
また、部下から尊敬はされていないが、叱り上手の上司も存在します。
三流プレイヤーでも一流監督になれるのと同じですね。
要は尊敬されていようがいまいが、叱責によって部下が変われば良いのです。
更にコンサルタントの先生は、「上司となったら部下に対して、ここまでは許すが、ここからは
許さない、という自分自身の軸を持て。」とも言います。
しかし現実には、A君にはここまで許せるが、B君が同じ事をしたら許せない、というように個
人個人によって、軸を変えなければ、叱責の効果は出てきません。
また、コンサルタントの先生の中には、「叱責の効果を高める為に、まずは部下を褒めよ、な
どと言う輩がよくいるが、部下のご機嫌を取る必要なんか無い。叱られて辞めてしまうよう
な社員は会社に必要ないのだ」などと言う方もおり、全くマネジメントの現実が見えていない
と嘆かわしいほどです。
管理職は会社から与えられた部下を使って、所定の利益貢献を求められます。
どんなにやる気の無い部下でも、どんなに能力の低い部下でも、どんなに問題のある部下
でも、自分では簡単に部下の変更・すげ替え・解雇はできず、そんな権限は与えられており
せん。
それでも与えられた人員で結果を求められるのが中間管理職なのです。
そう簡単に「叱られて辞めてしまうような社員は必要ない」などと、割り切れるものではありま
せん。
勿論、本気で叱責する際には、叱責の結果、部下が辞めてしまう、という可能性を覚悟して、
あたる必要はあります。
しかし、普段から信頼関係を作る努力もせずに、「叱られて辞めてしまうような・・・」という無
責任な管理職には、部下はついていきません。
3.叱る目的
・人は何の為に叱るのか? どんな時に叱るのか? どうして欲しくて叱るのか?
・どうしても叱らなくてはならないのか? 「注意」では済まないのか?
・良く言われるのが「本人の為に叱った」という理由です。
・しかし、結果として「本人の為になっていない」叱り方になってはいないだろうか?
4.叱った成果
・本人が本心から脂汗をかいて「やばいっ!」「痛いっ!」「申し訳ないっ」と感じ、
・「絶対に二度と繰り返さないぞ!」と固く心に決意をし、
・「あの時にこうしていれば防ぐことが出来た筈だから」と原因を振り返り、
・「自分のココを具体的にこう変えて、二度と繰り返さないのだ」と、
自分でも繰り返さない確信を持つ。
本人に本心からそう感じさせる為に叱るのだ、と明確に目的を定めること。
そこまで感じさせる必要性がない場合には叱責せずに、あくまでも注意で済ませること。
最悪なのは、
「なんで自分が怒鳴られなければならないの?」と反発心で受け止められることと、
「この人は一体何を怒っているんだ?」と叱責の理由が本人に伝わらないこと。
5.最大の成果をあげる為に
・普段から部下を「誉める」「認める」「評価する」「頼りにする」「誇りにする」「自慢にする」
・特に二人きりの個別ミーティングの時に言うこと。
・照れながら言ってはいけない。大真面目に本心から(に見えるように)伝えること。
・普段から部下の成功と問題解決を具体的にサポート(時間と知恵と手間)すること。
・これで「上司は自分の長所を一番評価してくれている。唯一の自分の味方だ。」と感じる。
・注意で済ませるべき時に叱ってはならない。
・基本的に注意も叱責もみんなの前では行わず、2人きりの時に行うこと。
・逆に誉める時はみんなの前で誉めること。
・みんながいる前で叱る時には、叱る前に本人を呼んで、はっきりとこう伝えること。
「これからこういう理由で君を厳しく叱責するが、それは君にこう感じてもらいたいからだ」
曖昧に表現してはならない。ストレートにはっきりと伝えること。
6.具体的な叱り方
・叱る前に、叱責の終わり方と成果3のイメージトレーニングを必ず行うこと。
・叱る時には、本人も周りもビックリして怖くてブルブル震えるほどの鬼になって、全身全霊
で叱ること。
・窓ガラスがビリビリ震えるほどの、大声で叱ること。小声で叱るとお小言に聞こえる。
・上記4が出来ていれば、恐れることはありません。思いっきりやるのです。中途半端が一番
駄目です。
・「行為を憎んで人を憎まず」が、確実に本人にも周りにも伝わる言葉を使うこと。
・本人のどの行為が叱責の対象なのかを、明確に本人に認識させること。
・基本的に、迷惑を被った(被ったであろう)相手の立場で考えさせること。
「○様の立場になって考えてみろ!」
・怠慢を叱る場合には、
「どうして同じことを繰り返すのか理由を言ってみろ!なぜだ!」
「今度また同じ事を繰り返したら、誰が庇っても俺は絶対に許さんぞ!」
・禁句・・・「だからお前は駄目なんだ」「あの時もそうだった」「クビだ!」「責任取れ!」
・クドクド長々と叱ってはならない。ガッと叱ったらサッと止めること。せいぜい1分以内に!
・叱ったすぐそのあとに必ず付け加えるべき言葉
「君はこんなことを繰り返す人ではない筈だ」
「君はこんなことをしてはいけない」
「君にはこんなに頼りにしているのだ」
「君がいなければ我が部署は困るのだ」
「早くいつもの君に戻るのだ」
・照れながら言ってはいけない。大真面目に本心から(に見えるように)大声で伝えること。
・いずれ、部下からこう言われる上司は幸せだ。
「あの時、課長にこっぴどく叱られてから、自分の中から甘さが無くなりました。」
「あの時、係長の本気の叱責が自分の目を覚まさせてくれました。」
「今では気が付いたら自分も部下に対して同じような叱り方をしています。」
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