Off-JTの意義について。
昔のはなしを交えながら。
よく人材育成の用語で使わている。
OJTとOff-JTという言葉。
OJTは比較的よく、職場で使われていると思う用語だと思う。
On the Job Trainingの略であり、
仕事を通じて指導していくことである。
その人を指導して、主導していく立場となるひとは
当然のことながら職場にいる上司や先輩・同僚にあたる。
先輩の営業に同行することや、
上司から自分の遂行する業務についていろいろ教えられることなど、
日常の職場の中で行われるものなので
当然OJTが職場の中で人を育成する時の基本である。
一方、Off-JTは
On the Job Trainingの略であり、
職場から離れて行われる教育指導である。
いろいろな種類はあるが
典型的な例をあげると
「社外研修を受けにいくこと」だろうと思う。
当然中小企業の場合はまだまだ
Off-JTの機会は限定されることが多いし、
まったく無い!という会社もある。
あるとすれば、
業務を遂行する上での知識を得るための研修
(資格を取得するための研修など・・)
と新入社員として入社した時に
社外で受けるマナー研修、程度だと思う。
やはり中小企業の場合、
OJTが中心となる。
前の職場では主に中小企業を対象に
教育プログラムを販売活動していた。
自然と商談相手は社長か専務・常務クラスになる。
(数千人規模の企業から小さい会社で5人ぐらいの会社も訪れた。)
当然のことながらOff-JTは
コストがかかる話(研修費や宿泊費・交通費など)であり、
その人が現場からいなくなることによる
損失を会社が負わなければならない。
もちろん、投資に対するリターン
がはっきり見えないことが多い。
つまりその人がどれくらいその研修という機会で
直接自分の業務に貢献したか数字で
測ることはできない。
だから当然躊躇するし、
経営側としてはそう簡単に受け入れることはできない。
それでも決断して大きなコストをかける会社があった。
今振り返ってみると、
それは今の業務をとめたとしても
研修に行かせることが
意味のあることだと考えている会社、
つまり従業員が心から成長を
期待しているという会社であり、
人を育成していくという意義が
どんなかたちであれ、
イメージされている会社である。
特に印象に残っていて
何度も足を運ばせていただいた会社がある。
江東区にある、小さな工場と倉庫がある小さな会社。
社員・パート合わせて30人ぐらいの会社である。
その会社は自分も何回もお邪魔をさせていただき、
大変お世話になった会社のひとつである。
社長と専務は商談の度にこう仰っていた。
「井の中の蛙では人は育たない。
現場だけの指導(OJT)だけでは人は育たない。」
この会社は社員のみならず、
パート・アルバイトまで含めた全従業員に対してOff-JTの機会を
会社が与えることにした。
(金額は言えないが、この規模の会社としてはものすごいコストである。)
結果はもちろん業績が2倍になっている訳でもないが、
自分のしている仕事の意味や、
自分の役割が理解し、
何をしたらいいのかイメージできるようになった。
つまりOJTが確実に機能するようになった。
また既存の業務をまわすという体質から、
あたらしい商品・サービスを生みだす組織へと
変わったという事実がある。
会社全体が何らかのかたちで
成長しているという雰囲気がうかがわれた。
この体験は人材育成において
OJTは基本ではあるが、
Off-JTの機会を与えることによって
より、OJTの機能が強化されていくものであると
強く実感した。
個人にとっても、会社にとっても
Off-JTは現場から得られないものもその場で得ることができる。
つまりOJTで得られなかったことも
手に入れられる可能性を持っているのがOff-JTである。
社外研修に出て
他の部署の人や他の会社の人と
ひとつのことについて議論をする。
ものの見方・考え方の違いに気づく、
「自分は何て井の中の蛙だったんだ!」
とちょっと気づくだけでも
自分にとっても会社にとっても
大きな意味がある。
日本では従業員にOff-JTの機会を与えている会社、
うまく計画がなされ、運用がきちんとなされている会社はまだまだ少ない。
作れば売れる時代ではない、
様々な変化が求められる中で、
人が成長するためには何をしなければならないのか、
会社にとっての「人材育成の意味」そのものが
これからますます問われてくる時代が来るような気がする。
あらためてOff-JTの意味を会社なりに理解し、
何らかの施策を打つ必要がある時代に
来ていることは間違いない。
JUN


