もやもや営業をスッキリさせる。
顧客にとって必要なものと必要でないもの。
ある日の出来事。
家にあるプリンターの調子が悪く、
プリントがうまくできない。
黒い文字がかすれて印字されてくる。
新しいインクカートリッジを買って入れてみたが
いっこうによくならなかったので
新しいプリンターを思いきって買うことに・・。
ある大型量販店に行ってみると
さっそく店員が声をかけてきた。
「どんな機種をお探しですか?」
と尋ねてきた。
「ほとんど白黒印刷しかしないので
簡単に印刷できて、持ち帰れるものを探している」
と答えた。
すると店員はとっておきの最新の機種が出ているので
そちらをおすすめしたいという。
あるメーカーのスキャナー付きの最新モデルであった。
最新機種とのことで印刷はしっかりできそうなのだが、
大きすぎて持ち帰るには辛い商品であった。
結局値段も折り合わず、
検討するということでいったんとなりの
量販店も見に行くことにした・・。
となりにある量販店のプリンター売り場に行くと
さっそく近くにいた店員は声をかけてきた。
「どんなものをお探しですか?」
さきほどと同じ内容を答えた。
「お応えできそうなプリンターがふたつありますが・・。」
と言ってさきほどの店で紹介された同じプリンターと、
同じメーカーなのたがコストの安い(スキャナーがついていない)
もうひとつの安い機種を紹介された。
同じものを紹介されると先ほどの店との値段で比べてしまう・・。
でもほとんど差はない。
ますます迷った。
どうしようかなーと迷っていると、店員はこう切り出した。
「どうして、白黒印刷が多いのですか?」
と尋ねてきた。
「じつは写真なんかはほとんどプリントはしないんです。
書類を印刷したり、ホームページの情報を印刷したりする程度なので
白黒でいいんですよ。」
次に店員はこう質問してきた。
「プリンターは壊れてしまわれたのですか?
それとも新しく購入されるのですか?」
「実はプリンターの調子が悪くて・・。プリンターの調子が
おかしいのか、インクがおかしいのか分からないのですよ。
でも原因が分からないので今日は思いきって買いにきました。」
するとそれを聞いた店員は最新機種ではなく、
同じメーカーのコストの安いほうを自分にすすめてきた。
さきほどの最新機種に比べ3000円ほどコストが安い。
「実はプリントするときにインクカードリッジの
インクがどこから出てくるかによってタイプが違うんです。
インクカードリッジのインクがプリンターに取り付けてある
ある部品を通して紙に印字されるものと
インクカードリッジそのものから直接インクが出て紙に
印字するタイプがあるんです。」
そんな構造になっていることは全然知らなかった。
ちなみに自分が持っていたプリンターは前者のものであった。
「白黒を大量に印刷するのであれば
インクカードリッジそのものから直接インクが出て紙に
印字するタイプである
安いほうのこちらのプリンターをおすすめします。
カラー印刷もできますよ。
ちなみに大量に白黒印刷するとなりますと黒のインク
はすぐなくなる可能性があるかもしれませんので
黒のインクをもうひとつ購入されてはいかがですか?」
納得したので紹介してもらったプリンターと黒のインク
を買うことにした。
ちなみに売上げはさきほどの最新機種と
同じくらいの金額になった。
でも、割高感はまったくなく、
必要なものをしっかり買うことができた。
何気ないたった数分のやりとりだったが
とても勉強になったような気がする。
顧客にとって本当に必要なもの、
必要でないものをシンプルに考え
提案すること。
営業にとってこのようなことは簡単なようで
目先の売上げを考えると
なかなかできないものである。
競合と値段で勝負できない場合、
品質がほぼ同じレベルで差別化ができない場合、
最後は
顧客にとって本当に必要なもの、
必要でないものをシンプルに考え
提案することにつきる。
それでも買わない顧客は
最初から買う意志はもっていないのである。
自分も実際に経験したことでもある。
もやもや営業をスッキリさせる。
あなたは顧客にとって不必要なものを
実は提案していませんか?
JUN