組込型装置にプログラムデータなどを保存しておく為の、記憶チップ(メモリー素子)です。
フラッシュメモリはデータを保存した後、電源を切ってもデータが保持されます。
現在、フラッシュメモリとして一般に普及しているSDメモリやUSBメモリはEEPROMと言って、保存したデータを消去する時、電気信号を与えて消去しています。
これに対し、写真のUV-EPROMは、紫外線を照射して保存したデータを消去します。その為に紫外線が透過するよう、石英ガラスで出来た丸窓が存在します。結果、スケルトン仕様になってしまい、半導体ダイの部分が丸見えで趣があります。半導体ダイの部分から、外部の足(ピン)に配線されている様子が見えますね。
写真のチップはプリンターバッファー(前の記事)の制御プログラムを格納していた三菱製2732です。32kbit、つまり4kbyteのプログラムが格納出来ます。
制御プログラムを書き込んでテスト。バグを発見したら紫外線を照射して消去した後、再び書き込んでテストの繰り返しでした。
データ書き込み後は、遮光シールを窓に貼ります。シールを貼り忘れると大変でした。上手く動作したのを記念して、カメラで写真撮影。ストロポがパッと光ったその一瞬、プログラムが誤動作して暴走する事が良くありました。
この装置は、UV-EPROMにデータを書き込む為の装置です。UV-EPROMの歴史は、Intel製1702A(2kbit)に始まりますが、2716(16kbit)以降は5V単一電源動作になりました。
書き込みも25Vを専用電源端子に与えれば、後は5VのTTL信号だけで1Byte単位での書き込みが出来ました。従って書き込み装置も、従来とは違いすごく単純な回路で実現できるようになり簡単に自作出来ました。
水色のコネクター部分でパソコンのデータバスに直結します。この当時はバスクロックも遅かったからやりたい放題でしたね。おなじみ8255I/Oを利用して書き込み制御をしています。
5V→25Vに昇圧するDC-DCコンバータ回路があります。配線はポリウレタン線でやってました。ハンダの熱で被覆が溶けるのでこのような作業には適していました。おなじみサンハヤトのユニバーサル基板を使用しています。
今や何気なく使ってるUSBメモリーも、携帯電話やipodの中で音楽なんかのデータを保存するメモリーも、元を質せばこんな無骨な、でもちょいと味のあるチップだったんです。
でも最新のipodに内蔵される8Gbyteだと、この写真のチップなんと200万個分になるんです。持って歩けないよな。たかが25年、されど25年です。