昨日、ポールソン米財務長官の発言について掲載させていただきましたが、6月2日の日に
ダイヤモンドオンラインにて、元財務官で早稲田大学教授、インド経済研究所所長の榊原英資氏のインタビュー記事が出ていました。
今後の為替市場を見る上でも、注目されるインタビューでしたので掲載させていただきました。
――現在米国発の金融危機の状況にあるが、ドル基軸通貨体制は崩れるのか?
米国が世界最大の経済大国であり、軍事大国であることに変わりはなく、当面崩壊することはないだろう。
――30年先もドルの基軸通貨体制は続くのか?
20年先までを見据えると、ユーロの地位浮上は間違いない。ユーロ圏の域内貿易の比率は65%に達しており、取引コストの低下という共通通貨のメリットを享受している。単一通貨圏の成立で労働力や資本の移動が活発になることで域内の格差も解消に向かい、経済力が拡大する。
さらに、30年ないし40年先となると、現在ドル圏であるアジア地域に共通通貨に近いものができ、ドルとユーロとアジア通貨の三極体制になる可能性がある。2050年には中国が世界第1位、インドが世界第2位の経済大国になると予測されているように、経済力の向上を背景に人民元やインド・ルピーが強くなっていくのは間違いない。現在は、両通貨とも自由に他通貨と交換できないが、10〜15年後には交換できる体制に移行するだろう。
――アジア地域の共通通貨は成立可能なのか?
ユーロのような共通通貨になる公算もあるし、人民元やルピーがアジア地域の基軸通貨となる可能性もある。円は共通通貨の一翼を担うことはあるだろうが、単独で基軸通貨となることはない。日本経済は今後、地位を低下させ続けていくからだ。
――通貨体制の移行期にはどういった変化が起きるのか?
第1次世界大戦後、英国の経済力は低下し、米国が経済上の覇権国となったが、世界の中心となる金融センターはロンドンのままであり、ポンドは基軸通貨の地位を保っていた。その後、1930年代の大恐慌を経て、ドル基軸通貨体制へと移行した。
大恐慌のように移行期は混乱が起きる。現在の米国発の金融危機も移行期の混乱ととらえることができる。大恐慌以降確立したFRBの金融機関の監督システムが大きく変わり、新たに証券会社をも監督下に収めるというのも混乱がもたらした結果だ。
――三極通貨体制になることにメリットはあるのか?
メリットはあまりない。1つの通貨が基軸通貨として利用される体制は安定している。ドルについていえば、第2次世界大戦後に成立したブレトンウッズ体制からドルショックまでの時期は最も安定している時期だった。今後は政治経済における主権国家体制から米国、欧州、アジアの三極を中心とした帝国体制へという変化が通貨においても起きる。複数の通貨が覇権を競う体制は安定しない。
――円の地位低下を防ぐためにはどうすべきか?――通貨体制の移行期にはどういった変化が起きるのか?
第1次世界大戦後、英国の経済力は低下し、米国が経済上の覇権国となったが、世界の中心となる金融センターはロンドンのままであり、ポンドは基軸通貨の地位を保っていた。その後、1930年代の大恐慌を経て、ドル基軸通貨体制へと移行した。
大恐慌のように移行期は混乱が起きる。現在の米国発の金融危機も移行期の混乱ととらえることができる。大恐慌以降確立したFRBの金融機関の監督システムが大きく変わり、新たに証券会社をも監督下に収めるというのも混乱がもたらした結果だ。
――三極通貨体制になることにメリットはあるのか?
メリットはあまりない。1つの通貨が基軸通貨として利用される体制は安定している。ドルについていえば、第2次世界大戦後に成立したブレトンウッズ体制からドルショックまでの時期は最も安定している時期だった。今後は政治経済における主権国家体制から米国、欧州、アジアの三極を中心とした帝国体制へという変化が通貨においても起きる。複数の通貨が覇権を競う体制は安定しない。
――円の地位低下を防ぐためにはどうすべきか?
乱世の時代に円の地位を保つためには、日本自らが戦略的思考をしていく必要がある。たとえば、エネルギーや食料をいかに長期的に確保していくかといったものだ。米国、インド、中国などはこうした戦略を持っているが、日本にはない。目先は円安バブルの崩壊で円高に向かうだろうが、戦略なき現状では、10〜20年先には大幅な円安となる可能性がある。