でも、「発言や行動」を変えることによって、徐々に思考を変えていくこともできます。発言や行動が変わると、得られる結果や周囲の反応(周囲からのフィードバック)が変わります。いつも否定的な意見ばかり言っていた人が、ある日から建設的な発言をするようになったとします。周囲の人たちの見る目、評価、そして反応は確実に変わってくるでしょう。
そのようなフィードバックは成功体験となり、自信になります。そして、続けることによって、「その行動は正しい」という確信を得ることができます。そのようにして、思考も行動にあわせてアジャストされていくのです。
効果的なコミュニケーションをする人には、共通する思考と行動パターンがあります。以下にいくつかの例を挙げます。
■思考:
◎ 手段と目的、言葉と感情を切り分けて考え、目的達成を優先する
◎ 他の人の考える方法の方が優れている場合もあると考える
◎ 相手の意思や感情に対する「目配り・気配り・思いやり」を持つ
◎ 自分には「思い込み(暗黙の前提)」というメンタルブロックがあることを認識する
◎ 「私」と「あなた」が向き合わないで、「私たち」が共に目標に向かう
◎ 「もっと良い方法はないか」と考え、第三のアイデアを求める
◎ 目的意識を持って「深く深くもっと深く、広く広くもっと広く」思考する
◎ 自分の良心の声に素直になろうと考える
■行動:
◎ コミュニケーションを始める前に、自分と相手が望んでいる結果を確認する
◎ 周囲の人との関わりを積極的に持つ
◎ 常に目的と手段を切り分けて会話し、手段には固執しない
◎ 相手を認めて理解することに努める
◎ 自分と違う考えを歓迎する
◎ 「言葉」にいちいち反応せず、相手という人間を相手にする
◎ 主張のぶつけ合いによる「勝ち負け勝負」のコミュニケーションはしない
◎ 多くの人と約束をし、それを達成する
◎ 誰の前でも一人のときでも行動の一貫性を保つ
このような行動の結果、相手との「対立」は極端に少なくなり、相手からの信頼をより多く実感できるようになるでしょう。相手は、あなたを競争相手ではなく協力相手とみなし、あなたにとっても相手は協力者となります。
競争相手という関係では、あなたの意見か相手の意見かどちらか、またはお互いに譲歩する妥協案というアウトプットしか得られません。この関係では片方または双方が不本意な思いをします。
しかし、協力相手という関係では、あなたと相手はそれぞれ自分の意見を持っていますが、それに固執せず、両者が「望む結果=あるべき姿」を共有して協働します。その結果、しばしば、両者がはじめから持っていた意見を超えた「第3のアイデア」が生まれます。イノベーション的な発想の誕生です。その時、両者は共通の達成感を味わうことができるのです。このような成功体験を通して、ますます、周囲の人と積極的な関わりを持つようになり、意見や感情を聴くようになります。
このようなコミュニケーションが社内に浸透するならば、どうなるでしょうか。少なくとも「自分の『思い込み』による主張を無理やり押し通し、相手の意見を否定することに全力をあげる」といったムダ会議はなくなるでしょう。手段主義から目的主義に切り替わります。もっといい方法はないか、と変化と新しい発想を求めるようになります。
会社の目標と戦略は、社員一人ひとりの「興味」と「関心」を刺激するような形で伝わり、社員は自分たちが目標達成のためにするべきことを協力し合って導き出し、積極的に行動するようになります。社員間の建設的なコミュニケーションは、相乗効果を発揮してイノベーションを生み出します。
やま
やまです。
おっしゃるとおり難しいですよね、コミュニケーションって。
相手が変われば対応も変わる。
こうすれば万事オッケー、という答えはないのでしょうね。
人間関係の根っこには、やっぱり「思いやり」が必要なんだ
と思います。
それでも、誤解が生じるのだから、難しい・・・。