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「マニュアル119番」ブログへようこそ。
このブログは、製品マニュアル制作の豊富な経験を持つプロのテクニカルライターが、
文書やコミュニケーションについて、あれこれ語ってしまおうという、
お役立ちブログです。

発信の責任?受信の責任?  2008年06月19日(木)

投稿者:Ash

 数年前、とあるケータイショップ(通信会社直営店)に、壊れたケータイを持ち込んだときのことです。

 「これ洗濯機の中に落としちゃって。 データ取り出せなくても仕方ないとは思ってるけど、もしかして助かるものならと思って。 ちょっと見てくれますか」

 データや本体が修復できるなんて期待はまったくしていなくて、別機種に買い換えるつもりで来店しています。
 応対してくれたショップの店員はひとこと、「わかりました。」
 サービス精神に満ちた力強い返事でしたが、こちらに余計な期待を持たせるものではありません。店員は私のケータイを持って奥へ引っ込んでいきました。

 しばらくのち、さきほどの店員は私のケータイを手に、戻ってきました。機体はプラスチックの外皮が取り除かれ、基板が見えています。
 この店員、基板の一部を指してじつに意外なことを言いました。


 「これ、水に濡れたでしょ!? ここのところが色が変わるんで、すぐにわかるんですよ!」


 さも得意げに、そう言うのです。私がケータイ水没の事実を隠し、保証目当てにクレームしたのを、自分はあばいてやったぞ、とでも言わんばかりの態度でした。(携帯電話の内部には、水濡れを感知すると色が変わるマーカーがあります。)

 …と、この記事で店員のセリフのところまでは、水濡れについてひとことも書いていません。単に「洗濯機の中に落とした」と言っているだけです。  これは、「水没した」という説明には不十分でしょうか。お読みになった方はいかがでしたか。水没したと、初めから読み取れましたか。

 「洗濯機の中に落とした」 「風呂の中に落とした」 「バケツに落とした」。私は、いずれも「水没した」ことを十分に示していると考えます。水の入っていない空のバケツならば、わざわざ「バケツに落とした」とは言わないからです。「目の高さから落とした」とか、「コンクリートの上に落とした」とか、そういう説明になるでしょう。
 そう自分では理屈付けているのですが、いまでもときどき思い出しては、水濡れのことをはっきりと言わないのが悪かったのかなぁ、と思ったりします。あるいは、店員が客の話はテキトーに聞くのを習慣にしていただけなのか…。

 ただこのときは、店員の言葉の意外さにびっくりしてしまい、とりあえず本体の買い替えは他店ですることにして店を後にした Ash でした。

Posted at 12:21 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(2) | トラックバック(0)

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コメント
コメントありがとうございます。

納得できることも、コミュニケーションスキルのひとつだと思えます。

「説得力ない」と言われるよりも、
「オレを納得させてくれ」と言われるほうが、説得力を感じますね。
Posted by:Ash  at 2008年06月26日(木) 11:55

とある漫画のお話。

人が何かを言うたびに「そんなん、説得力ないわ」と
言っていた人がいた。

あるとき、その人に鋭い一言を浴びせた人が。。。

「相手に説得力を求めるな。自分の納得力を鍛えろ!」

言い回しははっきりとは覚えていないが、妙に感心
させられた言葉だ。
納得力・・・。 鍛えることができるものか。
Posted by:やま  at 2008年06月24日(火) 21:54

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