投稿者:Ash
就職して間もないころのことです。職場で回覧されてきた連絡文書をながめていると、隣の机の大先輩が私にこう言いました。
「文書の見方って、わかってるか」
こんなものは内容を読んで理解すればいいのだと思っていた私は、一瞬面食らいました。文書の見方って…文書に見方がある?
私は「いえ…?」と答えるしかありませんでした。
するとその大先輩は、落胆するでもなく得意げに語るでもなく、淡々と教えてくれました。
「いいか、まず、『この文書は誰が書いたか』を見ろ。それから、『誰に向けて書いたか』を見ろ」
「次に日付を見ろ」
「それから、中身を読め」
「題は気にするな」
以来、この教えをほぼ守って文書に目を通してきました。正確に言えば、「題は気にするな」については守っていません。気にしています。表題が内容を正しく表していないと、やはり気になります。
おそらくこの先輩は、表題と内容が一致しない文書でも大きな支障はないと、経験的に知って容認していたのでしょう。(ちなみに、職場はマニュアル業界ではありませんでした。)
この教えにあるポイントは、現在の eメールの見方としても十分通用します。むしろ eメールでは、発信者と受信者の情報にはとくに注意が必要です。
自分に送られた eメールが、必ずしも自分のために書かれたものでないことはたびたびありますし、同じ文書が自分以外の誰に知らされているかということも、レスポンスをとる上で非常に重要です。これらを気にしないでいると、ビジネス上の大きなミスにつながることもあり得ますね。
若いときに教え込まれたことは、その後の人生への影響力が大きいものだと、最近になってよく思います。私にとって、大先輩の教えもそのひとつです。文書を読むときだけでなく書く際の、最初の規範ともなりました。
なにもわかっていない22才の私に教えてくれた先輩には、いまでも大いに感謝しています。
蛇足になりますが、表題は気にしたいものです。
eメールの件名がリスト状に表示されて、その中から優先的に読むものを判断したり、後になって表題を頼りに探したりする光景など、大先輩はきっと想像していなかったことでしょう。
「メールの件名」については、大先輩の教えにはありませんでしたので、是非「ME版」でメインに書いてください。
待ってます。