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「マニュアル119番」ブログへようこそ。
このブログは、製品マニュアル制作の豊富な経験を持つプロのテクニカルライターが、
文書やコミュニケーションについて、あれこれ語ってしまおうという、
お役立ちブログです。

常体と敬体  2008年04月10日(木)

投稿者:Ash

 文章の形式には、常体と敬体があります。
 常体とは、いわゆる「である」調で書くやり方。敬体とは、「です、ます」調で書くやり方です。
 たとえば新聞記事は通常、常体で書かれていますが、同じ新聞でも家庭欄などには敬体で書かれているコラムもあります。

 マニュアルを書く場合は、常体でいくのか敬体でいくのか、まずはお客さまの意向に従います。お客さまのほうで明確な希望がないときは、マニュアルの読者層や製品の性格などを考慮して、私たちマニュアル制作者側で決めさせていただきます。
 大雑把にいえば、機械のオペレーターやメカニックなど、限られた人(スペシャリスト)が目にするものは常体で書かれることが多く、一般消費者が目にするものは敬体で書かれることが多いようです。

 常体と敬体は、一連の記事の中ではどちらかに統一して書くのが原則です。新聞の読者による投稿などを見ていると、ときおり常体と敬体を混在させた文章が掲載されていることがありますが、人が読むことを意識した文ではやはりきちんと統一させるべきだと思います。(敬体文の中に、箇条書きなどで一部常体の表記が入る場合はあります。)

 …というのが、これまでの常識でした。
 ところが。

 常体と敬体を混在させた文章は、いまやある場所で当たり前に見られます。これをお読みの方々には、それがどこかおわかりでしょう。そう、ブログの中です。
 これを書くにあたり、ランダムに20本のブログを開けてみましたが、じつに18本の記事で常体と敬体が混在していたのです。
 多いだろうという気はしていましたが、90%までとは思いませんでした。常敬混在文は、もはや完全に市民権を得ているといっていいでしょう。
 ブログ、とくに日記風のブログでそのような文を読むと、気張らずくだけた感じやプライベートな感じが出ていて、筆者と読者のあいだに親近感を生んでいるような気がします。

   今日は久々に○○屋のカレーを食べてきました。
   いやあ、やっぱりおいしかったなあ。
   それと相変わらず客が多かった。
   ○○屋、いつも最高です。

 あるときは独白風に常体で書き、あるときは読者相手に敬体でコメントする、この間を自由に行き来しながら書く独特のスタイルです。本来私的であるはずの内容を、公開を承知で書くという現代ならではの新現象によって生まれた、新しい技法といってもいいのではないでしょうか。


− − − − − − − − − − − − − − − −

 ところでこのブログでは、メンバーは皆敬体で記事を書いています。が、私自身はじつのところ常体で書くほうが好きです。少なくともエッセイは、常体で書くのが断然筆が乗ります。いや、キーが踊ります。そのわりに大しておもしろい記事にならないのは、私の修行不足です…。

 そのうちいつか、常体で記事を書かせていただくこともあるでしょう。

Posted at 12:50 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(2) | トラックバック(0)

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コメント
やまさん
コメントありがとうございます。

そうなんです。
普通の文書で常体と形体が混ざっていたら抵抗があるのに、ブログを
読んでいるときはまったく気にならない。
この差はいったいどこから? と考えてみた次第です。
(↑と、あえて混ぜて使ってみました。これは従来の使い方ですね)

書き言葉と話し言葉の中間のようなスタイル、とでもいえるでしょうか。
Posted by:Ash  at 2008年04月11日(金) 11:58

Ashさん

ブログにおけるライティングテクニック。 なかなか侮れませんね。
日記感覚で、ひとりごとや感想をつづるときには常態で、読者に向けた
メッセージは敬体で。なるほど、たしかにライブ感がでてきます。

敬体ベースの文章に、単調にならない工夫として部分的に常体を含める
手法は、高度なライティング技術として昔から用いられてきました。

しかしブログでのそれは、まさに別物!
せりふをあえて「 」でくくらないところが、野暮ったくなくて良いですね。

とても興味深く読ませていただきました。                 やま
Posted by:やま  at 2008年04月10日(木) 18:00

プロフィール

マニュアル119番
「やま」と「Ash」に加え、新メンバーに「K.S」「コルレーニョ」を迎えて、「感動のコミュニケーション!」を探す新たな旅が始まりました。 深い深いことばの森へと続く道は長く、険しく、ときには寄り道も…。 読者の皆さまの声援に支えられて「マニュアル119番」は感動のコミュニケーションを目指します!
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