◎ 進むべき方向が明確になり、「やるべきこと」と「やらざるべきこと」が区別できる
◎ 行動の動機が明確になり、多少の困難では行動をあきらめることがない
進むべき方向と進むための力を与える。これが目標の力です。
では、目標設定のポイントについて考えてみましょう。まずは、「これこそ、達成すべき自分の目標だ」と認識できるものでなければなりません。そのためには、魅力を感じ、自分で考え、納得した上で、決めることが大切です。他の人から押し付けられた目標に、参加意識や当事者意識は芽生えるはずはありません。自分で決めた(決めさせられた、ではありません)目標であるからこそ、達成意欲が湧いてくるのです。
人が魅力を感じるもの(こと)とは、「自分が良い気分になれるもの(こと)」と言えるのではないかと思います。良い気分になれることとは、たとえば、次のようなものです。
◎ 金銭的・物質的に豊かになる
◎ 立場がよくなる/認められる(評価・承認・評判・名声・称賛・尊敬)
◎ その対象そのものに興味がある(仕事が面白い・楽しい)
◎ 自分の身近な人の利益につながる(役立ち・親和)
◎ 自分の成長につながる(成長・達成感・自己実現)
どのようなものに価値を置いているかは、人によって違うでしょうが、おそらく、どれかに当てはまるのではないでしょうか。ひとつではなく複数、もしかすると全て当てはまるかもしれません。
上司が部下の目標設定に関わるときには、部下が「良い気分になれる」目標を設定できるようにエスコートしましょう。上司にとっての成功とは、部下が目標を達成することに他なりません。
最後に、目標設定のポイントをまとめます。
◎ 目標とは「こうなりたい」という自分です。
◎ 達成したら「良い気分になれる」もの(魅力的)でなければなりません。
◎ 頑張れば達成できるものでなければなりません。実現不可能だと意欲が失せます。
◎ 達成できたかどうか判断できるようにしましょう。(数値化・定量化)
目標を達成するという成功体験は、部下に大きな自信を与えます。自信を持った人の行動がいかにパワフルなものかは説明する必要はないでしょう。自信には、行動を推進する力、そしてパフォーマンスを高める力があります。
上司が部下の成功に深い関心を持ち、部下が「こうなりたい」と願っている自分になれるように積極的に関わることで、上司は部下から信頼を得るようになるでしょう。この意味で、目標管理制度は上司と部下との関係を良好にするツールでもあると思います。「上司と部下の関係が成功することが、事業の成功につながる」。このようにいうと言いすぎでしょうか。
やま