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「マニュアル119番」ブログへようこそ。
このブログは、製品マニュアル制作の豊富な経験を持つプロのテクニカルライターが、
文書やコミュニケーションについて、あれこれ語ってしまおうという、
お役立ちブログです。

死語の世界【社会の窓】  2009年06月29日(月)

投稿者:ME

前回記事では「V.S.O.P」について書きました。今回は「社会の窓」。

これは…流行語→死語だったのですか?私はモノゴコロついたころから、社会の窓といえばあのことで、あれが社会の窓で、そんな感覚でした。学校で教わったのでは?くらいに思っていたものです。

前回、「V.S.O.P」を知らなかった世代も、さすがに「社会の窓」は知っていました。「女の人の場合は『理科の窓』って言っていました」というカワイイ発言も飛び出したし。私の記憶にはなかったけれど、そういうのはアリじゃないかなぁ、と笑いながら聞いたものです。

…と、ここで思い当たりました。そういえば、社会って教科としての社会(社会科)だと思い込んでいます。だから、理科が出てくるんですよね。それと、「社会の窓」というコトバ、大人になってからは使わないし、大人からは聞かないような気が。小学生か中学生まで…そんな感じではないでしょうか。

ここからは、新聞記事の引用です。

【引用開始】
…社会の窓は、NHKが1948年からラジオ放送した「インフォメーション・アワー 社会の窓」が語源とか。「普段は見られないものが見える」という番組の趣旨が、いつしか男性のズボンのファスナーになった。
【引用終了】

すごい!1948年。そうだったんですね。社会とは大きな意味の社会だったということで。そして、ネット検索してみると、あるある…数多く解説されています。単なる流行語を超える奥深さを感じました。

現役中学生の姪っ子に聞いたところ、「常識として知っていた」との答え。私の感覚も似たようなものだったので、血は争えないのか、それとも世間一般そういう認識なのか?…いずれにしても、これは脈々と生き続けるのではないでしょうか?死語でありながら死んでいない、ゾンビのような(?)不思議なコトバです。

Posted at 12:31 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
これもビジネス・コミュニケーション3  2009年06月25日(木)

投稿者:K.S

事前の下調べのお話から戻って、再び契約当日の話です。

中古車買い取り店の担当の方が、最初に提示した査定額は、125万円でした。
買い取り額の相場が載っている、業界用の資料本を指しながらの説明です。
その箇所を見ると、私の車の相場額は124万円となっています。1万円のアップ、と言いたいわけですね。

もちろん、この金額で売る気はありません。
すると、「おいくらならお売りになりますか?」と聞いてきます。
私は「いくらなら買い取っていただけますか?」とオウム返しにたずねました。
そして二度目の査定額として提示されたのが、145万円でした。
このとき、「これができる限りのお値段です」と担当者は付け加えました。

私の目標額は、160万円弱です。もちろん、145万円でも売ることはできません。
私は査定額を見ながら、少しの間黙っていました。
すると担当者は、「いくらなら売られますか? こちらはできる限りのことをいたしました」と言います。
しかし、この日のためにいろいろと調べてきている私は、なおも食い下がります。

そんなやり取りをしつつ、155万円までアップしてくれたところで、私は最後のお願いをしました。
「158万円で買い取っていただけるのであれば、契約をして帰ります」

さすがに担当者は、すぐにOKしてくれようとはしませんでしたが、折を見て私が「難しいのであれば他をあたるので…」と言うと、「分かりました、上と掛け合ってみます」と応じてくれました。

しばらくして戻ってきた担当者は、「もうこれ以上はダメです! 158万円で了承を得ましたので、契約をお願いします!」
ここで私は契約をして帰りました。

この間、約50分です。目標金額とともに、私はできるだけ短い時間で契約したいとも思っていたのです。
このため、相手側の情報をできる範囲で調べ、自分の納得できる金額を決め、いわゆる「落としどころ」を想定して交渉に臨んだのでした。
多少の手間ではありましたが、契約も希望どおりにはこび、時間もほぼ無駄にしないで済みました。その場になってああでもない、こうでもないと悩み始めると時間の無駄だけでなく、精神衛生にも良くないですから!

中古車取引のプロではない私でも、自分が納得できる結果を得ることができたので、満足しています。
この経験を、ビジネス・コミュニケーションにも活かせるようにならなければいけません、よね?

Posted at 12:12 | ◎コミュニケーションは難しい! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
好きか嫌いか  2009年06月19日(金)

投稿者:Ash

 「好き」ということばは、日本語では「〜が好きだ」のように形容動詞の形で使うのが一般的ですが、英語では「I like 〜」や「She loves 〜」と、動詞であるのはご存知の通りです。また、「好んで(○○をする)」というふうに、副詞で使う言語もありますね。
 日本語でも「好む」という動詞は存在しますが、日常の会話でものの好き嫌いを話すときにはあまり使われません。「私は週末に映画を見るのをよく好みます」なんて言われたら、この人は日本語ネイティブではないかも、と思ってしまいます。
 「好き」の動詞である「好く」にいたっては、今日の会話で聞くことは珍しいでしょう。「惚れる」…ですか? うーん…。
 対義語の「嫌い」もだいたい同じような形で使われているようですが、「嫌う」ということばは「好く」「好む」よりもやや頻繁に聞かれるような気がします。「好き」話は犬も喰わないけれど、「嫌い」なことは少し話題性があるので、用法に柔軟性が見られるのでしょうか。こんなとき友人に欲しい、言語学者。

 そう、言語学者といえばその立場上、どの言語が好きだ、嫌いだ、とか、どの言語が美しいとか耳障り(に私には聞こえる)だとか、そういう評価をしてはいけないのだそうです。それはそうですね。学者ですから、学問ですから。
 しかし、学者でもものごとの好き嫌いはあり、当然専門分野たる言語にもそれはあったりするでしょうに、不便なことだと思います。

 さて、自分が好きなものを他人から「○○は嫌いだ」と言われるのは、誰でも多少のショックはあるものでしょう。
 本来、「好き」「嫌い」には理由が明確なものとそうでないものがあって、後者のほうが断然多い気がします。
 ですから、自分が好きでも他の人が好きとは限らない。その理由もよくわからない。相手は、嫌いな理由を説明してくれるが、自分にはその説明そのものもよく理解できない。そんな事態はよく起きます。よく起きるのに、なぜか「嫌い」と言われるとショックを覚えたり、果ては人格否定をされたかのように感じる人がいるのも事実ですね。

 私自身も世の中に嫌いなことがそれは多く、他人にそれを表明した瞬間気まずい思いをしたことも一度や二度ではありません。
 そこで「嫌い」をやんわりと伝えるために、「好きじゃない」「苦手」「得意じゃない」などのことばを工夫して使い分けています。食べ物について「苦手」「得意じゃない」を使うと、料理することを指してそう言っていると受け取られることもあるので、わざわざ「○○を食べるのは、得意じゃない」などと言ったり。スポーツなどでも、誰もができるようなものだと「プレイするのが得意じゃない」と思われがちで要注意。なまじ、誤解を生みにくい表現に普段から気をつけていると、そのために話が進まず、別の誤解を生んでしまうこともあります。

 やれやれ、やっと金曜日ですね。金曜日は好きです。もちろん、金曜の夕方を含む「週末」は、大好きです。平日は… 平日は、あまり得意ではありません。言いかたにも気を使いますね。休日より労働日が好きな人も、少なからずいらっしゃるであろうことを考えると…。

Posted at 13:18 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
死語の世界【V.S.O.P】  2009年06月17日(水)

投稿者:ME

部屋の整理をしていたら、あるビジネスホテルの便箋を発見しました。私の筆跡でいろいろ書いています。ロビーの新聞を読みながら書きなぐったメモで、記事のテーマは「死語」。とてもおもしろかったので夢中で読んで、夢中でメモしたようです。新聞くらい買って帰ればいいのに…

何度かに分割して書かせていただきます。今回は「V.S.O.P」について。

新聞記事の冒頭に、「『V.S.O.P』?当然知っているよ、というお方は、周囲の若い世代に聞いてみたらどうだろう。きっと『何ですか?それ?』と返ってくるに違いない」と書いてありました。

先日、20代前半〜30代前半の5人と話す機会があり、聞いてみたところ…30代に期待したものの「お酒ですよね」という答え。全員知りませんでした。確かにV.S.O.Pはブランデーの等級を示すものでもあり、商品名でもあり、ほかの略語としても存在します。でも、一昔前にはいわゆる流行語として使われていた(と思う)のです。そして、いつのまにか「死語の世界」への殿堂入りを果たした…当然、知っていました。

Very Special One Patternの略語で、「ワンパターン」の最上級とでも言いましょうか。今思えば、残酷な流行語ですよね。きっと、女性が男性を悪く言うときのコトバでしょうから。しかし、いつ頃だったのでしょう?お酒との思い出がないので、10代の頃?

新聞記事のライターさんが、どうしてこのコトバを例に出されたのか…わかりません。とにかく無性に懐かしかったです。ライターさんの予言通り、「若い世代は知らなかった」けれど、一部同世代とは「お!あったね〜」と盛り上がれました。時代を共有した人たちならでは…でしょう。

KY(空気読めない)もCKY(超・空気読めない)も、元祖はコレではないでしょうか?暗号好きの私には、しっくりなじんだコトバだったようです。

Posted at 12:27 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)
LとR・2  2009年06月04日(木)

投稿者:コルレーニョ

今日は当ブログのライター、Ashさんからもらったネタなんですが…

ハワイ語の子音は、「h」「k」「l」「m」「n」「p」「w」とあと“詰まる音”からなっていて、日本語や英語で普通に使う「b」「ch」「g」などの音がないそうなんです。
それで、英語のおもな人名には、それぞれハワイ語の読み替えバージョンが作られていて、英語にあってハワイ語にない音は、すべて「h」「k」「l」「m」「n」「p」「w」に置き換えられているのだそう。

たとえば、こんな具合です。

<英語>:Alice ⇒ <ハワイ語>:Aleka
<英語>:Herbert ⇒ <ハワイ語>:Hapaki
<英語>:Victoria ⇒ <ハワイ語>:Wikolia(wiはヴィと発音)
<英語>:Raymond ⇒ <ハワイ語>:Leimana

外来語の音を、母語の音で代用するのは何語でもやってることで珍しくはないのですが、このハワイ語での変わり具合はちょっと可愛いようでもあり、意外とハマリませんか?

ところで気づいたのですが、「r」もハワイ語にはないんですね。日本人が不得意とされる、あの「r」。 それがしっかりと、「l」(エル)に置き換えられているではないですか!

英語圏の人には、LとRはまったく違った音に聞こえるとかねて聞いていましたが、やはり英語圏でない人には(私たちと同じように)LとRは似た音と受け止められているのですね。

LとRを区別しないのは、日本語と朝鮮・韓国語ぐらいしか知りませんでしたが、こんなお隣にもあったとは…
ハワイ語、がぜん親しみが湧いてきました。

なお、こだわるAshさんは、日本語でハワイと言うときに、こころもち「ハワイイ」ぎみに言うそうです。

Posted at 12:29 | ◎娯楽? 語が苦!? 語学のはなし | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
これもビジネス・コミュニケーション2  2009年06月03日(水)

投稿者:K.S

まず、前回の訂正です。
私の車の、中古車引取りの相場は「だいたい150万円」とお伝えしましたが、「だいたいの上限が150万円」というふうに訂正させてください。

今回は、前回の話に至るまでの、事前に行った調査についてお話しします。

初めに、自動車ディーラー2軒と中古車業者2軒に行きました。愛車の査定のためです。
提示された金額は、どれも125万円から135万円の間でした。
このときはどの店とも交渉に入ることなく、査定額を聞くとすぐに店を出ました。
まだ契約が目的ではなく、価格のだいたいの見当をつけるためだったからです。

次に、知り合いの中古車業者に連絡を取りました。
もちろん、買い取り価格の上限など、知り合いの店ならではの情報を得るためです。
聞き出せた金額は、例の「だいたい150万円」ということでした。
この「だいたい〜」はけっこうビミョーです。
上限と言いつつ、業界の相場といいつつも、話し次第ではまだ余地を残すような含みがあるのです。

最後に、自分の車と同じグレード・年式・走行距離・色の車が、中古車としてどのくらいの価格で売られているのかについて、調べてみました。装備などもなるべく近いものを探しました。
わかったことは、だいたい180〜200万円で店頭に並んでいるということでした。

私の調べたことは、以上の3つです。
一般の業者で買い取り価格の査定、知り合いの業者で情報入手、一般の販売店で中古車検索と、それぞれ異なる立場・モードでのコミュニケーションです。

 …だんだんと、「車業界のエージェント」さんみたいな話になってまいりました。

この結果、私は「最終目標は160万円弱の金額」という結論に達しました。
中古車業者も利益は出て(=合意が得やすい)、私も納得できる金額だったからです。

次回は、業者さんとの契約時の会話を再現してみたいと思います。

Posted at 12:21 | ◎コミュニケーションは難しい! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
究極のコミュニケーション  2009年05月29日(金)

投稿者:Ash

 先日、IT関係の展示会に行きましてね。
 だだっ広い会場に、1,000社を超える出展者のブースがぎっしりと詰まってて、その間を下町の路地のように通路が走っているわけです。そこを、縁日のような賑わいで大量の人々がぞろぞろと歩き、目についた出展者にアクセスしています。まあ、展示会とはそうしたものですが、行った経験のない読者もいらっしゃることと思い、描写してみました。

 出展者のほとんどは、日本企業や日本に代理店を持つ比較的大きな外国企業なのですが、会場の中には雰囲気の一風変わった小さな通りがありました。
 その通りには、アジア系の外国企業ばかりが集まっていたのです。

 通りに踏み入れると、周囲では見学客を相手に、出展者のスタッフがなにやら説明をしていますが…、飛び交っているのは日本語と英語と、そうでないアジアの言語たち…。
 アジアのことばについて勉強不足の私には、朝鮮・韓国語か中国語でなかったら、すみません、識別できません。

 でも、勇気を出してブースのひとつを覗いてみます。すると、表に立っているスタッフが猛然と話しかけてきます。
 英語です。インドやバングラデシュの方々は、本当に英語が上手です。特定のデバイス用のアプリケーションを提供している会社でした。適当に聞いて引き上げます。

 次のブース。少年と呼んでもいいようなスタッフが、ひとりでブースを守っています。
「どーぞ」
と日本語で言い、パンフレットを渡してくれるので、
「こちらは何の会社ですか」
すると、
「ウィーアー、オーバーシーズ、カンパニー」(海外からの出展なんです)
おっ、急に英語かい? そこで、
「What do you produce, for example?」(例えば何を作ってますか?)
と私。すると…

 しばらく間があった後、彼が発したのは、
「ウィーアー、オーバーシーズ、カンパニー…」

 「are」は R の音が響かず、「overseas」には V が聞こえず、冠詞もない、たしかにはじめから英語話者の英語ではなかったのでした。
 しかし、そのときの私の強烈な印象は、「アジア系、たくましい!」だったのです。

 日本語も英語も、おそらくワンフレーズだけをインスタントに教え込まれて、彼は開催期間のあいだ自分のブースを守って、そこに立っていたのでしょう。40年くらい前にあった、紙製の下敷きのような作りの、よれよれのパンフレットを配るためだけに…。

 ある意味、究極の営業、究極のコミュニケーションといえますね。

 たぶん本国政府の援助も少しはあるのでしょうが、少々の不利な条件をものともせず、日本に顧客を作りに来るこのハングリーさに、私は驚嘆せざるを得ませんでした。

 彼の会社が、私たちのお客さまとなる日も、そう遠くないかもしれません。

Posted at 12:41 | ◎コミュニケーションは難しい! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ふっとさる…  2009年05月25日(月)

投稿者:ME

先日、広島市内をクルマで走っていると、「FUTSAL」という文字が目に飛び込んできました。素直にローマ字読みすればわかりそうなものですが、ちょっと迷ったのです。

ほかの横文字を見て、スポーツ施設らしいと判明。あぁ、「フットサル」だったんですね。

フットサルとは、サッカーの縮小版なのでは?ミニサッカーとか、インドアサッカーとか。ただ、語源に思いを馳せることはありませんでした。サルはともかく(まったく考えもしなかった…)、フットは「foot」と思ってもいいですよね?サッカー発祥地がイギリスだということも、なんとなく聞いていたし、英語に違いない!と思い込んでいたのです。どうして「FUT」なのでしょう?

調べました。スペイン語とポルトガル語が由来のようです。サッカーを表す単語(fútbol/futebol・英語でいうfootball)と、室内を表す単語(salón/salão・英語でいうsalon)。これが合体して「フットサル」になったとか。そして、1994年に「FUTSAL」という競技が生まれたそうです。

もう少し調べてみました。なんと「サッカー」というコトバが一般的なのは、日本くらいかもしれません。どうやら「フットボール」のほうが優勢なのです。アメリカンフットボールもラグビーも、フットボールの一種らしいのですが、その国で一番人気がある「フットボールゲーム」のことを「フットボール」と呼ぶそうです。全世界の人々を熱狂させるサッカーが、そう呼ばれるのも納得ですねぇ。

なんだか勉強になりました。そして…過去2度だけやったことがあるフットサル!これをきっかけに再度チャレンジしようかな〜とまで飛躍しています。気の合う友人と、オフサイドも何もまったく無視で、好き勝手にボールを追いかけ回しただけ…でも、とても楽しかった記憶があります。

自己満足でしょうが、このような発見をするといい気分に浸れます。あの日出かけてよかった!

Posted at 12:32 | ◎コトバ再発見(エッセイ編) | この記事のURL | コメント(2) | トラックバック(0)
あなたの「完了」は効いてますか?  2009年05月22日(金)

投稿者:Ash

 「この言い方はおかしい」などとよく人々があげつらう、次から次へと現れる新表現たち。従来の日本語の会話にはなかったことばが、単語レベルから文全体に至るまで、日夜出現し続けています。
 私がこれらの新表現を、日本語の荒廃といたずらに嘆くばかりでなく、その変化の経緯などに着目して興味をもつというスタンスでいるのは、以前に書いたとおりです。
 書きことばはともかく、話しことばは、発音しやすいように、よりぴったりした表現のために、またその他のさまざまな背景によって、日々変わっていくのは自然だと思います。
 この過程で、文法的な間違いが生じてくるのも、無理からぬことだと考えています。

 ただね…。
 接客業の方々は、あまり新表現の開発を先陣切ってしないほうが、いいと思うんですよ。
 個人的には、接客に際しては30〜40年前の接客用語で充分通じるし、むしろその方が丁寧で正確でいいと思っています。

 表題の「完了」にやっと絡みそうです。

 先日、衣類を購入したときの、店員のことばです。
「(商品を)二つ折りにしてしまってよろしかったでしょうか」
 気になるのは、英語でもさんざんやった「完了形」の部分です。たったいま始まったばかりの関係であるふたりの間に、なぜ完了時制が必要なのでしょう。
「二つに折らせていただいてよろしいですか」
で充分。これ以外、必要ないですね。「折らせていただいて」も「折って」でいいくらいです。

 でも、きっとこの店員は、完了時制を丁寧表現のひとつだと思い込んでいるのでしょう。それくらい、ここ10年くらいは接客時に完了時制を耳にすることが多いです。周囲で多く使われていれば、自然と耳慣れて自分も使ってしまうのも、もちろん無理ないことです。

 世間で広く使われる完了時制は、
「お取置きしておりました商品が、私どもの手違いで売れてしまったようです。
申し訳ございません。」
のように、明確な時間の幅がないと本来は使えないはずですね。

「一万円からでよろしかったでしょうか?」は攻撃対象となることが多い、比較的新しい表現です。
 これも先の、「たったいま始まったばかりの関係になぜ完了時制が必要?」の類なのですが、そこにさえ目をつぶれば、不自然な物言いながら理屈には合っていると思いますよ。つまり、
「私は、お預かりしたのは端数のない一万円ちょうどで、この一万円から商品代を差し引いてお釣りを計算してよいものと存じておりますが、この解釈でよろしかったでしょうか?」
この意を、レジ処理スピードに合わせて短くしたものだからです。いや、私はそう思っているんですけどね。
 この場合の時間はほんの数秒ですが、完了形を使うことで自分の解釈への謙遜が表現されている、正しい使い方だと思います。先の衣料品店の店員の例もそうです。ただ、数秒間という短いあいだに完了時制を持ち込むというやり方に、私たち古い人間が面食らっているだけなのですね。

 日本語ネイティブが、日本語ではあまり意識しないで使う「完了時制」。でも気をつけて聞いていると、まだまだ話者のいろんな思いが詰まっていることがわかって、楽しいですよ。話ことばは、文法事項によらずなんでもそうなんですけどね。

Posted at 12:37 | ◎あなたの日本語、間違ってます! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
これもビジネス・コミュニケーション!  2009年05月19日(火)

投稿者:K.S

私は去年、所有していた車を中古車業者に買い取ってもらったのですが、そのときのエピソードです。

近所の中古車業者さんで車を査定してもらい、提示された金額は約125万円でした。
ふ〜ん、と聞いて、再度査定をしてもらうことにしました。金額が、ちょっと気に入らなかったのです。

次に提示された金額は、約145万円でした。
約20万円もアップの提示ですが、もう少し行かないのかな。
またまた査定をし直してもらうことに。

少しずうずうしいですかね?

じつは私、事前に別の知り合いの中古車業者を通じて、自分の車がどれくらいで買い取ってもらえるのかを聞いていたのです。
そのとき教えてもらった相場は、だいたい150万円とのこと。

このため、私はこの後さらに強気で3回ぐらい査定をし直してもらい、結局158万円で契約をしていただきました。
最初の提示金額からは、約33万円のアップです!

この33万円というのは、いったい何にあたるのでしょう?

私が事前に仕入れた情報の対価?
本来支払われるはずなのに、人の好いお客には回ってこないお金?
それとも、営業担当者の、露と消えた…?

今回は、金額だけを追って書きましたが、次回は私が払ったコミュニケーションの努力(?)についても、もう少し書いてみようと思います。

Posted at 12:17 | ◎コミュニケーションは難しい! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
プロフィール

マニュアル119番
「やま」「ME」「Ash」に加え、新メンバーに「K.S」「コルレーニョ」を迎えて、「感動のコミュニケーション!」を探す新たな旅が始まりました。 深い深いことばの森へと続く道は長く、険しく、ときには寄り道も…。 読者の皆さまの声援に支えられて「マニュアル119番」は感動のコミュニケーションを目指します!
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