ネット活用イノベーション 群創力活用のポイント

2008年02月29日(金)

今日も引き続いてNRI(野村総研)の知的資産創造から”「群創力」を経営に活かす”を引用紹介していきます。


群創力を使いこなし、イノベーションの鉱脈を発見するためには、従来と異なる経営パラダイム、組織運営能力が必要となる

Webを活用したコミュニティの形成など、外形的な仕組みの構築だけでは、イノベーションを起こし業績を伸ばすことは難しい。

以下に、特に重要なポイント3点を示す。


1.外部の集合知を認知し尊重する


第1に必要なのは、企業内部の専門家の知だけでなく、外部の集合知の存在を認知、尊重することだろう。 顧客起点経営、CS(顧客満足度)経営を標榜する企業は多いが、外部の集合知を専門家の知と同等に尊重している企業はまだ少数である。 ただし、あらゆるイノベーションの領域で集合知が活用できるわけではない。


たとえば、定番化している食品の商品開発で「味」の改良のために集合知を活用しようとしても、成果に結びつく可能性は低い。


例として、カップラーメンや飲料などがある。 定番化したこうした商品であっても、顧客の不満は常に存在する。 「麺に腰がない、甘すぎる、炭酸がきつい」といった不満だが、こうした不満を取り除いた商品を投入しても、販売増につながる可能性は低い。

これらのケースでは味の改良ではなく、新たに食べる(飲む)シーンの開発や広告・宣伝のあり方が販売増につながるKFSキーファクター・フォー・サクセス、成功要件)と考えられるためである。

これまで浸透してきた、アウトドアやパーティなどで食べる(飲む)というシーン以外の新たなシーンの開発に集合知を活用すべきであろう


2.自由と規律の新たなバランス


第2のポイントは、企業が外部の群と向き合う際の、自由と規律の取り方である

群の集合知を活性化させることを重視した群に対する新たな規律のあり方が必要である

たとえばナイキは、消費者が作成した映像を投稿してもらい、その映像を自社のプロモーションに活用するキャンペーンを2006年に展開した。

その際、ナイキは映像を送ってくれる「群」を活性化させるためにさまざまな工夫を凝らしている。


消費者が作成したコンテンツを活用する場合、著作権は通常企業側に帰属させる。しかしナイキは、映像コンテンツの作成者である消費者側に帰属させている

ナイキは消費者に対して使用権のみを求めることで、他のWebサイトや自分のホームページにも映像を掲載したいと考える消費者を引きつけているのである。


外部の群と向き合う際、多くの企業は、リスクを遮断するためにガードを厳しくする。しかし群創力を活用するには、群の自由度を高めるとともに事前に明確なルールを設定しておくことが必要となる。


3.外の力を活かす組織運営


最後のポイントとして、外部の集合知を活用するためには、日本型の属人的な暗黙のルールではなく、「見える化」された組織運営ルールが必要となる


群創力を活用したイノベーションの実現には、大量の情報に基づいた試行錯誤が伴う。 この際に試行錯誤の対象とすべきは、製品やサービス、顧客探索ではなく、運営ルールそのものである

組織としての試行錯誤によって得られるノウハウKFSとなる。 そのために、組織運営ルールは標準化されている必要がある。


標準化された組織運営に加えて、もうひとつ重要なことは、標準ルールを部門横断で活用することである

外形的な事業モデルの構築にはそれほど時間を要しない。 しかし最後に述べてきた群創力を使いこなす組織能力の構築には、相当な時間とエネルギーが必要となる。 NRIがこれまで調査してきた先行企業の例では3〜5年の時間がかかっている。 ただし、一度この組織能力を身に付けた企業は、差別化源泉を手に入れたことになる


以上です。




Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

ネット活用イノベーション 群創力を活かしたイノベーションの実践

2008年02月28日(木)

今日もNRI(野村総研)の「群創力を経営に活かす」の続きです。


1.群創力活用の事例


第1のケースは、玩具メーカーのレゴで、レゴユーザーの「文殊の知恵」を活用して、新商品開発に取り組んでいる例を紹介する。

第2のケースでは、米国のメガバンクの一角を占めるウェルズ・ファーゴ・バンクをとりあげる。

2.「文殊の知恵型」の群創力で新商品開発を行うレゴ


レゴグループは売上高がおよそ1700億円(2006年)、世界第6位の玩具メーカーであり、4億人以上の顧客基盤を有するグローバル企業である。


玩具は世界的に成熟市場と見られており、とりわけ伝統的な玩具であるブロックは、テレビゲームやパソコンゲームに市場を奪われ、市場の縮小傾向が強くなっている。 レゴはこうした状況を打開するための施策の一つとして、顧客を巻き込んだ商品開発に踏み切った


レゴは、「レゴ・デジタルデザイナー」という3次元のデザインソフトを顧客に無償で提供し、顧客がパソコン上で自由にデザインできる環境を提供している

こういった背景には2000年以前、レゴでは、新商品の企画は社内の商品企画の担当であった。 しかしハッカーによる社内サイトへの不正侵入がきっかけとなり群創力の活用に踏み切った


不正侵入されたのは、「レゴ・マインドストームシリーズ」の制御ソフトである。

「レゴ・マインドストーム」とは、マイクロプロセッサーが組み込まれたインテリジェントブロックを、制御ソフトでプログラミングすることによりブロックで組み立てたロボット好みどおりに動作させるもので制御ソフトはその心臓部に当たる


この問題に対応するに当たって、レゴの経営陣で大勢を占めたのは、セキュリティを強化し改ざんさせないようにすべきという意見だった。 

しかし最終的な結論は、制御ソフトのソースコードをオープン化するというものであった。 顧客に自由にソフトを開発してもらう仕組みに変えたのである。


顧客に対するインセンティブの付与顧客同士の交流を促すホームページ上のレゴクラブなど工夫を凝らしメンバー同士の情報共有を促すことで文殊の知恵を活発に出してもらうことを重視しているわけである。


3.「高速実験型の群創力」で中小企業向けの

                   鉱脈発見したウェルズ・ファーゴ・バンク

第2のケースとして、ウェルズ・ファーゴ・バンク(以下WF)をとりあげる。

WFでは、中小企業の集合知を活用して、顧客満足度を高めるサービスの開発と、クロスセルが可能な優良顧客の発見に成功している。


WFは全米を対象に事業を展開するいわゆるメガバンクの一社で、インターネット・バンキング・サービスで高い成長を達成してきた。

インターネットバンキング・サービスというと、日本でもすでに多くの金融機関が手がけているが、WFの場合、中小企業からの情報を活用し、試行錯誤のプロセスを高速に回す仕組みがあるという点で他行とは大きく異なる


WFの場合、年間800万件の顧客の声が入ってくる。 電子メールやコールセンターからの情報に加え、支店窓口における対面営業などからの情報もある。

加えて、ビジネスプロセスを理解するために、顧客を15業種に分け、彼らを直接訪問し、伝票処理の方法、代金決済の方法などのプロセスを観察する。


こうした活動を通じて獲得した情報は、WFのなかでは部門横断で共有化される

WFでは標準化された計画立案・決定、実行、モニタリングといった一連のPDSサイクルが、オンラインバンキング部門だけでなく、支店営業まで含めて統合された形で運営されている。


このような組織運営体制があって初めて、情報の非対象性に悩まされる中小企業向けの事業において、顧客の琴線にふれるサービスを開発することができ、そのなかで優良顧客を発見するという宝探しが可能となる。


今日は以上です。


 






Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

ネット活用イノベーション 「群創力」

2008年02月27日(水)

力を持った生活者


野村総研では、インターネットの利用に関するアンケートを2006年11月に実施しています。

データが少し古いですが、この結果を見ますと3つの特徴を有していることが明確になっています。


第1の特徴は、個人が世界中の人たちに向けて情報を発信し始めたこと。 ブログやSNSがその代表的なツールになっています。


第2に、商品やサービスを購入するに当たって、生活者は、企業以外から発信された情報を重視し始めたことが挙げられる。 検索サイトを使えば生活者のコメント情報は簡単に手に入り、ブログやSNSを利用することで多くの人から意見をもらうことも可能であり、その分企業発の情報価値は相対的に低下している。


第3に、インターネットを活用する生活者は、企業と一緒になって新しい価値を創造する活動に関与し始めているのである


大企業でも力を持った生活者と真剣に向き合う時代がきた


生活者が情報武装化で力を持つ様になったが、一方企業側はどのような変化を遂げてきたのだろうか。


多くの企業は、生活者との新たな接点として新たな販売チャネルの構築や、ホームページの立ち上げなどをしてきたものの、全社の業績へのインパクトは限定的だったといえよう。

しかし近年、様相が変わり始めた。 インターネットを活用して力を持った生活者と真剣に向き合う大企業が現われ始めている。

こうした企業は、経営の根幹である新商品の開発や新技術創造などのイノベーション(革新)に、かれらを巻き込み始めている


「群創力」をイノベーションに活用


NRI(野村総研)では、外部の「集合知」を活用してイノベーションを起こす力「群創力」と名づけた。 インターネットは群創力を活かす際の重要なインフラとなる。


外部の集合知とは、企業の外部に存在する特定多数の人(氏素性が不明な不特定多数ではなく、個人の特定が可能な多数の人)、すなわちSNS上の生活者であったり、外部の技術者、専門家を指す


多くの企業にとってイノベーションとは、全社的な取り組みと位置づけられている。

それも、新商品開発や新事業創造だけでなく販売チャネルの改革顧客の経営課題を理解したうえで解決策を提供していくソリューション営業へのシフト広告・宣伝手法の改革など、広範な部門がイノベーションを求めている

このため、群創力をイノベーションに活かすということは全社的な取り組みとなる。


集合知活用の4つのタイプ


イノベーションで最も難しいのは、何が業績を伸ばす「勘所」なのかを発見することにある。 群創力を活用したイノベーションではこの「勘所」「宝探し」に集合知を活用する。集合知の活用には4つのタイプがある。


(1)文殊の知恵型

第1が、集合知から新商品開発など、新たなイノベーションを創造していく「文殊の知恵型」である。

このタイプでは、アイデア創出の源泉は企業内部ではなく、集合知側に存在している。 試行錯誤は企業の専門家ではなく、外部の集合知側に委ねられる


(2)ここ掘れワンワン型

大量の集合知のなかで、イノベーションに必要な技術や商品開発のアイデアを、ナビゲーターを活用することで発見するタイプである。

ここでのナビゲーターとは、大量の集合知を集積して、顧客が欲しい「知」とのマッチングサービスを提供する事業者を指す。 

グーグルなどの検索サイトはこの典型例である


(3)高速実験型

このタイプは、ターゲット顧客や新商品開発のアイデアを企業側が集合知から抽出し、優良顧客や顧客に受け入れられる商品の機能などを試行錯誤を通じて発見する。 このタイプは、企業側が試行錯誤を行うという点で「文殊の知恵型」とは異なる


(4)多数決型

これまでインターネットベンチャーの多くが取り入れた手法でインターネット上のランキングなどに現れる、顧客ニーズの最大公約数鉱脈が存在するという考え方で、集合知を活用する




Posted by ケーオー at 00:05  / この記事の詳細
 / この記事を編集

ネット活用イノベーション 「群」

2008年02月26日(火)

今日から新シリーズ「ネット活用イノベーション」をテーマとして書いていきたいと思います。

前シリーズの「ネットの向こう側」がどれほどの参考になったかは解りませんが、間違いなく”ネットの捉え方”大きな比重を占めています。


このことはつい先日2月21日マイクロソフトが自社の収益基盤である基本ソフト(OS)などの技術情報を原則的に無償公開すると発表したことからも証明されるのではないでしょうか。

ネット広告での出遅れが響き、マイクロソフトの2007年6月期のネット部門の営業損益は7億j超の赤字

同12月期に51億jの営業利益を稼いだグーグルとの差は大きい

グーグルは広告収入を元手にした無料ネットサービスでマイクロソフトのソフト販売の収益基盤も侵食しつつある


今回のマイクロソフトによるヤフー買収提案はグーグルに対する強い危機感の反映であり、起死回生策であると言えます


今回のシリーズも野村総研(NRI)の知的資産創造の記事を紹介引用させていただきます。


「群創力」を経営に活かす

Web2.0時代におけるイノベーションの新たな潮流


要約

1.次世代のインターネット活用を象徴する言葉として、Web2.0が注目を集めている。1990年代半ばから現在まで、インターネットベンチャー企業はインターネッ トの技術革新を一足先に事業モデルに反映させ台頭してきた。一方で、インターネットが大企業の経営にもたらした影響は大きくなかった


2.しかし今、潮目が変わりつつある。IT(情報技術)で情報武装した生活者と真剣に向き合う大企業が現われ始めた。こうした企業は、新商品開発などのイノベーショ(革新)に、そうした生活者を巻き込み始めている


3.今後は、企業内部「知」に加えて、外部「集合知」を活用したイノベーション重要性が高まる。野村総合研究所(NRI)は、このような形でイノベーションを起こす力を「群創力」と名づけた


4.群創力の活用には、新たな経営パラダイムや組織運営能力が必要となる。第1に、外部の集合知が有効となる「領域」を見極めることである。第2に、企業が外部の「群」と向き合う際、群創力の活性化を重視した新たな規律のあり方模索が必要になる。第3に、属人的な暗黙のルールではなく、「見える化」された組織運営ルールが必要となる。

それには標準化されたPDS(計画、実行、モニタリング)サイクルを回すための社内ルールの設定が欠かせない。Webを活用したコミュニティの形成など、外形的な仕組みだけでなく、これを活用しきる組織能力の開発が、イノベーションを成功に導く鍵となる。


以上です。


明日からは個別に内容を見て行きます。


 

  







Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

セントラルサービスシステム 私の見方

2008年02月25日(月)

セントラルサービスシステム先週の金曜日のブログで同社のビジネスモデルの重要なポイントについて日経産業新聞の掲載当時の記事を紹介させていただきましたが、土曜・日曜を挟んだため、土・日雑感を間に入れてしまいましたので少し間延びした感は否なめません。

しかし、その後のニュース記事の紹介と私の現在時点での見方というか、まとめを書いておこうと思います


まずその後の関連ニュースを見て行きますと、2006年3/30の日経産業新聞に掲載された記事です。


セントラルサービス  東洋メディア子会社化

イベント請け負い強化

厨房業務請負のセントラルサービスは29日、宴会向けに映像や音楽を製作する東洋メディアリンクス(東京・千代田)を4/3付で子会社化すると発表した。


既存株主から7億4千万円で株式の70.5%を取得する。

セントラルサービスは厨房業務だけでなく、飲料事業などホテル関連のサービス受託事業を強化している。

また、4/3の日経産業新聞にはこの発表記事が正式に掲載されており、ホテル、レストランなどの事業についてバックヤードから接客、事業再生まで一貫して扱うことを目指している

東洋メディアリンクスは、ホテル業界へのコンテンツ制作に強みをもっており、買収によって、ホテルや会館などでの映像・コンテンツ事業に乗り出す


とあります。


その後の業績は堅調の様ですが、やはり上場直後の成長期に比べると新規事業への進出などで競合の激化やコストの上昇などの課題も生じてきています


ただ、この会社の一番のウリである「皿洗い」という非常にニッチな分野をたかが「皿洗い」から「洗浄と衛生による”おもてなし”の提供」という付加価値にグレードアップさせたところが収益の基になっていると思います


その「おもてなし」をささえているのがアルバイトも含めた人材にあるといえますが、この人材管理と育成成功の秘訣とも考えます。


なぜなら、事業形態として従業員の定着率の低さが指摘される所をうまくやる気を引き出した手法こそが最大のノウハウと見ていますが、皆さんはどう感じられたでしょうか?

2008年4月1日付で持株会社に移行します。


各事業の独自性を活かしての今後の展開も注目されるところですので、折を見て「その後」を見ていくつもりです。








Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

喜怒哀楽の人間学 順境にも逆境にもかわらざる人物

2008年02月24日(日)

昨日の続きとして喜怒哀楽の人間学を見て行きます。


以下は喜怒哀楽の人間学からの紹介です。

人間をかえる学問」とは何か。 それは「心性の学」であり、「人間学」である


客観主義的な朱子学に対して「知行合一」の陽明学を樹立した王陽明[中国明代の思想家]が弟子の王純甫に与えた手紙は、この「心性の学」「人間学」を明確に規定している。


天下ノコト万変ナリトイエドモ、吾ガ之ニ応ズル所以ハ、喜怒哀楽ノ四者ヲ出デズ。 此レ、学ヲ為スノ要ニシテ、而シテ政ヲ為スモ亦、其ノ中ニ在リ


[人生は千変万化、いろいろさまざまであるが、自分がこれらの問題をテキパキと処理できる理由は「人生のいかなる変化も、つきつめれば、喜怒哀楽の四つを出でないこと」を知っているからだ。


よく考えれば、いかに喜び、いかに怒り、いかに哀しみ、いかに楽しむか、ということが人生のすべてである


世の中には、道徳というと「一切、喜怒哀楽を表面に出さない、感情などには動かされないことだ」などと頑に信じ込んでいる向きがあるが、これはとんでもない誤解である。


人生とは、いかに喜び、いかに怒り、いかに哀しみ、いかに楽しむかということ―

つまり「いかに生きるか」ということに「正しい自律」をたてること、「原理原則」をもつことである


そして、この「正しい自律」や「原理原則」これが「心性の学」であり「人間学」である。


この陽明学を日本で樹立したのは江戸時代の初期、「近江聖人」とよばれた碩学、中江藤樹で、この王陽明の規定を裏から説明している。


「順境にいても安んじ、常に坦々蕩々として苦しめる処なし。 是を真楽というなり。

萬の苦を離れて、此の真楽を得るを学問のめあてとす」


われわれが人物論をやる場合、「これは一廉の人物」と評価するメルクマールがある。 「夷険一節」(いけんいっせつ)という言葉だ。

「夷」は「たいらか」と訓(よ)み、「順境」のこと。 「険」は「危険」の険だから「逆境」である。 「順境」でも「逆境」でも全くかわらない人物、つまり「真楽」を身につけた人間のことである。


ホイットマン(アメリカの詩人)のいい詩を思い出した。


  世界中の誰もが自分を賞揚しても


  私は独り静かに満足して坐っている


  世界中の誰もが私を見捨てても


  私は独り静かに満足して坐っている



今日は以上です。




Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

言葉の原点と力 「喜怒哀楽の人間学」

2008年02月23日(土)

今日は土、日雑感ということで 言葉の原点と力というテーマを選んだのですが、最近どうも言葉の重みと言うか力を感じることが少なくなってきた様に感じています。


皆さんはどう思われますか?


先日もあるセミナーに行った時のことですが司会者が盛んに講師の方を持ち上げようと講師の実績などをアピールしていました。 そのこと自体は私も問題なく聞いておりました。

ただ、セミナーの内容を聞き終わって私は不満と言うか時間がムダだった様な印象を持ちましたが講師が主宰する○○塾への申し込みを勧誘するあまりか知りませんが講師の人間力云々と言うのを聞くに及んで本当に腹が立ってきました

どうも身内の人間を会場前方に配して質問させ誘導する様なやり方、いわばサクラをうまく使っているような感じにも見受けられました。


セミナーの中身も如才のなさと要領がメインテーマの様な軽薄な感じを受けましたが、まあー、それは人それぞれですので良しとしても人間力と言う言葉だけは認めることはできません

人間力ってそんな簡単に身に付くものではなく私が知る限り原理原則を基にしてこそ身に付くものだと理解しております


こういうことがキッカケになったかどうかは解りませんが、この頃から言葉の重みと力というものが頭の中に残っていました。


言葉として人間力とはを考えていて、フト昔読んだ本の事を思い出しました。


それが今日のタイトルにもあります「喜怒哀楽の人間学」という本です。

著者は伊藤肇という方で1980年に亡くなられていますが経済紙記者を経て評論家となり、東洋学を基本にした人物論という特異な分野を目指した人で安岡正篤氏を師としていました

それでは昭和53年秋に書かれた本ですが見て行きたいと思います。


人間学とは何か  人間を変える学問


全国地方銀行協会でやった講演を『経営者をささえる一言』という非売品の単行本にまとめた時、週間現代の特集にとりあげられ、その中で一読者が「『将来、いかなる仕事をしているか、という自分を心に描くと、ぞくぞくするような戦慄が体を走りぬける。 そういう時間を度々もつことが大切である』という話しに感銘を受けましたネ。 ありきたりの精神訓話と違って、これで私の人生変わるかもしれないという期待を持ちました」と感想を述べていた。


文章は活字になると同時に筆者の手を離れて、読む側の人生経験や教養の度合、流した涙の量などによって、深くもなったり、浅くもなったりする


しかしながら、筆者にとってはここをこう読んでもらいたい]という箇所が三つや四つは必ずある。

そこのところを的確に汲みとってもらえた時は「人生、一知己を得れば、以って恨無かるべし」というような心境になるし、全く無視された時には索漠たる気持ちになる


それだけに「人生が変わるかもしれない」という一言は、たとい、「命がけのお世辞」であっても、非常に嬉しかった


学問は人間を変える。 また、人間をかえるような学問でなければ、本当の学問ではない

そして、その人間とは他人のことでなく自分のことである。 他人をかえようと思ったら、まず自分をかえることである


今日はここまでにします。










Posted by ケーオー at 00:00  / この記事の詳細
 / この記事を編集

セントラルサービスシステム「皿洗いは修業」今は昔 

2008年02月22日(金)

昨日の続きになりますが、セントラルサービスシステム業務内容について後編日経産業新聞2004年2月の掲載記事の紹介です


「速さ」「無駄」「破損」数値化     高級ホテルなど契約先にズラリ


95%が契約更新


皿のプリケージ(破損、紛失)率を下げるため、皿の運び方、置き方にも気を配る

大きさに応じて何枚まで重ねるかが決められており高価な皿は洗い場に写真をはって注意喚起する


大半の皿は大型洗浄機で洗う。 洗浄機に入れる皿の数を毎回、同じにして洗剤や水の量を節約する。

洗剤が自動的に洗浄機に供給される装置では、洗剤メーカーと毎月面談し、適正な量だったかどうかチェックする


「当社は単に皿洗いを請け負うのではない。 そのホテルに合った最適の厨房管理提供するコンサルタント

野口氏の跡を継いだ石井二郎社長は言い切る。


同社は見積もりの際、従来の費用の10%削減を目安とし、30%削減できた例もある。 顧客との契約は1年ごと。 継続するかどうかは結果を見て判断してもらう

ただ実際には、契約を更新する企業が95%を超える


強さを支えるもう一つの要因は実力本位の人事管理だ。

正社員260人に対し、パート・アルバイトが3000人。 アルバイトの質がサービスの質を左右すると言っても過言ではない。 このため契約期間は2カ月単位。

現場管理者の目で実力を判断してもらい、不向きな人は更新しない」(石井社長)


現場は必ず正社員が一人以上付き、アルバイトを管理する

管理者は毎週、現場リポートを提出。 半年ごとにアルバイトの働きぶりを評価して昇給する仕組み

時給は初心者で850円、多い人は1100〜1200円まで上がる。 毎月、優秀者6人を表彰し、1万円の金一封も出している。


ホテルとの間でインセンティブ契約を結ぶ場合もある。 皿のプリケージ率は業界で平均0.3%といわれるが、それを上回れば実額を弁償、下回れば一定の金額をもらう。 現在、3つのホテルと契約

従業員の励みになっている」(蔵根昭人事・管理本部次長)


品質にこだわる


正社員はさらに実力主義を徹底。 新卒、中途の採用数はほぼ同数で、処遇に差は付けない。

昇進は年2回あり、ホテルの要望を的確に理解し、迅速に対応できるか、アルバイトの人員配置や勤怠管理をきちんとできるかなどを評価。

入社7ヵ月で係長になる人もいれば、5年たっても平社員のままの人もいる


昨年12月には40歳と35歳の取締役が誕生。 このうち、35歳の林田喜一郎氏はウェスティンホテル東京から受注を獲得。 97年には大阪営業所を立ち上げ、短期間で顧客を増やした実績が認められた。


同社の成功に刺激されてライバルも増えている。 昔からの配ぜん要員の紹介所や、客室清掃業者が参入。 昨年4月に開業した東京・六本木のグランドハイアット東京見積もり競争で敗れた

しかし石井社長は「従業員の仕事の質では絶対に負けない」と意に介さない。一度失敗すると、それまでの信頼が台無しになる」と、あくまで品質維持にこだわる


95年に受注した福岡市のシーホークホテル&リゾートの場合、いったん別の業者に敗れたが、1年後にホテル側から契約を持ち掛けてきた


皿洗いをいかに素早く、正確にやるか、コツをつかむ人は多いだろう。

しかし、それを組織的に、かつ継続的に徹底しようと思えば、CSSのような仕組みやノウハウが必要になる


皿洗いに限らず、徹底することは簡単ではないことを、同社の取り組みは教えてくれる


以上ですが非常に示唆に富んだ紹介記事だと考えますので、良ければご精読いただければと思います








Posted by ケーオー at 00:05  / この記事の詳細
 / この記事を編集

セントラルサービスシステム 「皿洗い」一筋二十年

2008年02月21日(木)

昨日の続きでセントラルサービスシステムCSS)の皿洗いをビジネスモデルの域にまで高めた経営手法とは――


以下は2004年2月に日経産業新聞に掲載された記事を紹介します


1億円以上節約


最初は半信半疑だったが、仕事は的確で今は全面的に信頼している。 人員確保の手間が省けるのも大きい」。

パレスホテル(東京・千代田)の中村英次郎取締役人事部長はCSSの仕事ぶりを高く評価する。


パレスは1994年9月、宴会場やレストランの厨房の食器洗浄業務をCSSに委託。

それまでは同社社員やアルバイトが担当していたが、バブル崩壊後の顧客減少で合理化を迫られた。


CSSはアルバイトを自前で採用、教育し、社会保険も負担する。

年間契約料にはそれらの経費が含まれるが、パレスはCSSとの契約で、年間の人件費を4千万円削減できた。 光熱費や人員募集の経費を含めると1億円以上の節約という


CSSは前社長で昨年11月に死去した野口卓氏が1984年に設立した。

野口氏は学生時代からホテルの洗い場でアルバイトを経験。 効率よく短時間で仕事を済ませるより、だらだら長時間働いた方が給与が高くなる時給制に疑問を感じていたという。


皿洗いが「3K職場」などと不当に低く評価されていたことも不満だった。 欧米では厨房の洗浄や清掃管理は「スチュワード業務」といい、管理者はホテル支配人に継ぐ地位を与えられている

そこで、日本では初となるスチュワード業務を一括受注し、成果に見合った対価を受け取る会社を自ら興した。


94年のパレスホテル受注で業界に評判が広まり、ウエスティンホテル東京や帝国ホテルなど高級ホテルから相次ぎ受注。 2003年9月期の単独業績は売上高が54億円(前期比12%増)、経常利益は5億1千2百万円(同40%増)となっている。


急成長を支える強みの一つは、徹底した効率化によるコスト削減


顧客から見積もりを求められると、まず厨房のレイアウト従業員の動き方を観察 その上で宴会の平均的な回数やレストランの顧客数などを聞き、過去のデータに基づき、時間帯に応じて最低何人が必要か配置を変えれば何人減らせるかなどをはじき出す


今日はここまでで、明日はこの後編に続きます。





Posted by ケーオー at 00:15  / この記事の詳細
 / この記事を編集

セントラルサービスシステム

2008年02月20日(水)

今日から新しくシリーズ化させていただきます企業研究です

どうぞよろしくお願いいたします。


さて新シリーズの第一号に選ばせていただきましたのはジャスダックに上場しているニッチサービスに特化したセントラル・サービスシステムという会社です。


ご存知の方もおられると思いますが、業務内容を紹介しておきますとホテルやレストランなどの主に厨房で、食器洗浄、調理補助、ゴミ回収、厨房清掃といったすべての管理業務を請け負う


人材派遣や有料紹介業などとは異なり、同社が業務を請け負い、同社と雇用契約を結ぶ従業員が独立的に業務を処理する


株式公開時の野口 卓社長に聞くという記事がありましたので紹介させていただきます。(日刊工業新聞 2002年6月21日朝刊に掲載された記事です)


会社の特徴は。


洗浄と衛生が売り物だ。 ビジネスモデルは安全を売るセコム。 食器の洗浄や調理補助、ゴミの回収・管理などホテルやレストランの裏方業務を一括して請け負っている。 これからも社是の一つである『洗浄と衛生を通しての社会還元』を実践していく」


―今後の経営戦略について。


ホテル業界では経営効率化の観点から洗浄と衛生のアウトソーシング需要が増しており、新規顧客の開拓は十分可能だ。 旅館や大型飲食店を入れれば、市場規模は1000億円程度になる。 さらに介護施設や外食産業を含めると2000億〜3000億円に膨らむ。 利益を追求しながら多角化の余地があるか検討していきたい」


以上


今日は上場時の会社の概要だけを紹介しましたが明日はもう少し具体的な中身を見ていこうと思います。



Posted by ケーオー at 03:35  / この記事の詳細
 / この記事を編集
| 次へ

Copyright(C) 2001-2009 E-CLASSIS Inc. All Rights Reserved.