イノベーション 本当に使えるロボット
今回のイノベーションで取り上げるのはロボットですが、東電の原発事故を契機として「本当に使えるロボット」にスポットが当てられたように思います。
今日の日経新聞“イノベーション”は現場ニーズとロボットについての記事が掲載されていますので紹介・引用いたします。
以下、2月12日の日経新聞“イノベーション”より
イノベーション ここを攻めろ D
腕の形をした作業アームロボットが配管の弁の開閉ハンドルをつかみ、ゆっくりと回転させる――。
ホンダが開発し、昨年11月から東京電力の施設で実地試験を繰り返している。
もちろん「本番」として想定しているのは、事故を起こした東電福島第1原子力発電所への投入だ。
「アシモ」を改良
原発事故の後、ホンダにはヒト型ロボット「アシモ」を原発内の作業に使えないのかという問い合わせが多く寄せられた。
「アシモは無理だが、何かすぐに役立つロボットを作れないか」。
東電などと相談し、危険な場所でも遠隔操作で作業できるロボットを急いで開発することにした。
「アームロボットが早期に完成したのは、アシモの足を動かす技術を転用できたため」。
本田技術研究所の重見聡史第5研究室長は説明する。
配管のハンドルは手で強く押さえつけないとうまく回せない。
アシモが走るときに床をしっかりと踏ん張る制御技術をここに使ったという。
福島第1原発内の状況を調べるため昨年4月に最初に建屋に入ったのは米国製のロボットだった。
日本に使えるロボットがなかったわけではない。
約2カ月遅れで投入されたロボット「クインス」は、米国製では無理だった2〜5階まで上がっていった。
12月に政府が示した「冷温停止状態」の判断データは日本製ロボットが集めてきたものだ。
しかし、今後原発の廃炉に向けた作業が本格化するにつれて、求められる作業の種類も増え、現状の布陣では対応しきれないのは明らかだ。
海外にもそんな高性能のロボットは存在しない。
原発事故は、「本当に使えるロボット」を日本が開発するチャンスをはからずももたらした。
経済産業相はロボットメーカーと協力して、原発事故などに対応するロボットの開発に乗り出す。
ホンダのアームロボットのような過酷な環境で作業ができるものや、原子炉建屋の上部まで到達できる作業台車、遠隔操作の通信技術、人の作業を補助するロボットなど7つの開発分野を設定。
3月から約1年かけて各分野のロボットを試作する。
開発プロジェクトのまとめ役、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「直接の目的は原発に投入できるロボット開発だが、大規模災害は世界中で起きる。今度は日本のロボットが海外で活躍できるようにしたい」(技術開発推進部)という。
レスキューロボットなどを研究する東京工業大学の広瀬茂男教授は昨年12月、サウジアラビヤの石油プラントを訪れ、実用ロボットの可能性を確信した。
プラント内に巡る膨大な配管設備を無人で点検するロボットは、災害用と共通点が多く「どのようなロボットが使えるか、いくつか提案をしてきた」。
海外勢がリード
福島原発で活躍したクインスを開発した千葉工業大学には「下水道の点検用に使えるロボットはできないか」といった問い合わせが寄せられているという。
現状ではニーズを捉えてビジネス展開する動きは海外勢が先を行っている。
米アイロボット社のお掃除ロボット「ルンバ」のヒットはその例だ。
日本企業主導のビジネスとして立ち上がっているのは、富士重工業と住友商事が展開しているオフィス向けの清掃ロボット事業など、まだ数えるほどしかない。
三菱総合研究所の三冶信一郎研究員は「サービスロボットの場合、用途が細分化するので一つ一つの事業規模は巨大ではないが、IT業界と同様、ニッチニーズを明確に捉えたベンチャーが活躍できる可能性は大きい」とみる。
産業用ロボットの場合は、自動車メーカーなどが積極的に導入。
その大きなマーケットの存在と、ロボットユーザーからの要求によって技術も産業も育った。
災害対応ロボットや介護支援などのサービスロボットも現場で鍛えられてこそ、市場が広がりイノベーションが生まれる。
そうした有望な「現場」はさまざまな形で現れ始めている。
(編集委員 吉川和輝)
上記は2月12日の日経新聞“イノベーション”より引用いたしました。
「本当に使えるロボット」という言い方には必要な時に役に立つかどうか、と言う意味が含まれていますが東電原発事故の早期収束にロボットが活躍することを期待したいですね。
今日は以上です。
