前年ゼロに対し月間100本近くの実績

2008年09月05日(金)
「小阪裕司の感性マーケティングの第三弾、“「買うべき理由」を教え購買を動機づける”の昨日の“防水スプレーの新しい使い方を提案”の続きを紹介いたします。

以下、本文

前年ゼロに対し月間100本近くの実績

時は年末、忘年会シーズンにさしかかっていた。この時期、宴会中にビールなどをこぼしてしまい、「このシミとれないかな〜」と自店に駆け込むお客さんが急増する。

しかしあらかじめ防水スプレーをかけておけば、こぼしてしまっても問題はない。

防水スプレーは雨だけでなくビールもはじくからだ。
そこで店主は次のような文言を考え、POPに大きく書いて掲出した。

「忘年会でビールをこぼさない自信がありますか」
そして店頭で解説を加え、動機付けてみたのである。するとお客さんの反応は目に見えて変わった。来店客の多くが防水スプレーに興味を示した。

その結果、前年実績はゼロだった12月に、なんと月間100本近くの実績を生み出したのである。
これが動機付けの典型例だ。一般に、防水スプレーは雨露をはじくための商品だと認識されている。だから使う機会は限られているし、売れるのは梅雨時だ。

しかしこの実験では、それまで防水スプレーのことなど考えてもいなかった来店客がPOPを見て、年末に防水スプレーを使う必要性に気づき、購買行動に出た。

つまり売り手は「買うべき理由」を教えることで購買を動機付けたのである。

ポイントは動機付け
近年、書店のPOPがベストセラーを生んだ話を耳にする。一部の人々の間では「POPを貼るといいらしい」「手書きのPOPが効果的」といった解釈もあるようだが、それは誤解だ。

POPを貼るかどうか、手書きかどうかがポイントではなく、動機付けをするという点がポイントだ。

読みたいと思っていなかった本や、それまで知らなかった本を読みたくなるのは、お客さんが動機付けられた結果だ。そして動機付けのツールとして使われたのが、たまたまPOPだったに過ぎない。

環境や状況に応じてツールは変わるから、セールストークやポスターで動機付けする場合も当然ありうる。ところが、動機付けという視点を持たないとツールに目を奪われ、「これからはPOPが売れ行きを左右する」と表面的に解釈してしまう。

繰り返すが、売上はお客さんの行動によって作られるものだ。買ってもらうにはお客さんを動機付けることが必要で、「買うべき理由」を伝え、購買行動を促さなければならない。
そのためのツールはいろいろあるが、POPはあくまでそのうちのひとつである。


「売る」ということの基本は、買い手をいかに動機付けるかにある。
この原則を知るとビジネスに対する見方が根本から変わってくるだろう。



以上です。



Posted by ケーオー at 00:10  / この記事の詳細
 / この記事を編集

Copyright(C) 2001-2009 E-CLASSIS Inc. All Rights Reserved.