ボン・ポワンと同じように、サンジェルマンのはずれに出来た「タルティヌ・エ・ショコラ」のコンセプト・ショップも素晴らしい。
広さは150平米と、「ボン・ポワン」に比べれば小さいが、子供服のブティックとしては大きい。
しかし、1歩入ると、紫とシルバーの世界。床はふかふかの紫のカーペット。シルバーの柱に壁。
一つ間違えると、怪しいゲイバーのようなインテリアだが、そこはフランス。怪しくないのだ。
しかも置いてある商品は、ホワイトが中心で、かわいい刺繍や貝のアップリケが、存在を主張する愛らしい子供服。
一見、ミスマッチのようなブティックが、次から次へと子供服を探す大人を呼び込む。
子供服のブティックなんだから、明るく入りやすければ十分と考えそうなものだけど、モードに関しては、フランスはやはり大人の国と言える。
つまりブランド・アイデンティティを確実に伝える、最も良い方法のひとつがコンセプト・ショップだと認識している訳だ。
例えば、いくら宣伝をしても、情報過多の現代においては、受け取る方は食傷気味で、正確に伝わらない。しかし、ショップは、来てくれた人には言いたいことのすべてが受け取られるだろう。
今は、何でも過剰に物がある時代。
その中で、自分の商品を選んでもらうには、どうすれば良いか?
商品のクオリティやデザインで勝負というのは、20世紀での話。
21世紀は、ブランドやコーポレーション・アイデンティティで選ばれる時代なのだが、残念ながら、それに気づいていない企業トップが、日本にはまだまだ多いようだ。
http://www.tartine-et-chocolat.fr/
(この記事は日本繊維新聞4月に掲載)