日本人と中国人の相互理解

2007年12月08日(土)
成都で、ソフトウェア企業を対象に、対日投資誘致セミナーを開催してきました。

日本でのソフトウェア開発の業務は増える一方ですが、日本では人手不足です。それをオフショア開発という形で対応してきているわけですが、発注先としてはまだ中国沿岸部の企業が中心です。ただ、将来的には内陸部へのアウトソースも増えていくことは確実で、既に、内陸部の企業で日本からのアウトソースを受けている企業も何社かいます。中国政府もアウトソーシングサービス産業の育成には力を入れていて、成都も中国におけるアウトソーシングさー^ビス産業育成基地の一つに指定されています。そんなこともあり、今回の対日投資セミナーは、成都で開催することにしたのです。

ここからが本題ですが、今回、セミナーを通じて刺激的な出会いがありました。今回の講師を務めていただいた方の一人で、NEC軟件系統科技(杭州)の王董事総経理です。

王さんは、まだインターネットが普及する前からオフショア開発に携わっており、1992年から15年間日本に滞在してソフトウェア開発関連の業務に従事した後、本年1月に中国に戻ってきました。

今回のセミナーでお願いした講演のテーマは、発注先である中国企業が日本からのアウトソースを受ける際に心がけておくべきことを、発注元である日本企業からの視点で明らかにしてもらう、ということでした。ということで、日本からのアウトソースを受けていくときに、文化ギャップ・仕様変更・品質要求という山を乗り越えていかなければならない、といのが講演の主題でした。

もちろん、ソフトウェア業界の専門的な話も多くあったわけですが、私が特に心に残ったのは、「意識」という視点でした。簡単に言うと、日本人と中国人とのコミュニケーション論・手法に関する指摘です。オフショア開発に限らず、中国に駐在されている日本人の方にも広く参考になるかと思い、その部分の講演要旨をご紹介します。

○日本料理には、卵を蒸した料理があり、「茶碗蒸」と呼ぶ。中国に来た日本人が茶碗蒸をレストランで注文すると、食べ終わった後に決まって「これは茶碗蒸じゃない」と言う。

○同じように卵を蒸す料理は中国にもあるが、日本と中国では材料も作り方も違う。中国国内でも地域によって全然違う。

○日本の茶碗蒸を食べたければ、材料と詳細なレシピを中国人料理人に教えてはじめて日本の茶碗蒸を食べることができる。

○文化が違うと、常識も異なる。日本人が常識と思っているような茶碗蒸を作ることができなかったからといって、その中国人料理人の腕が悪いわけではない。

○アウトソースを受ける側も、そのような文化の違いがあることを認識することが必要。例えば、発注者の作った仕様書を読んだとき、理解したような気になることが最も危険。必ず失敗する。仕様書を行間まで読み込んで正しく理解するためには、少なくとも1ページにつき20箇所は疑問を持つようにしなければならない。

○つまり、アウトソースを受ける側は、発注者とのコミュニケーションを図るために工夫することが必要。「1ページ20疑問」とう方法の他、プロセス・工程毎に必ず「確認工程」を設けることや、コミュニケーションに際して模型や画面を活用することも有効な手法。



非常に刺激的でした。

中国人の経営センス

2007年11月20日(火)
先週無錫に行ったとき、ソフトウェア開発をしている中国人の社長と食事をしてきました。
この社長は、1992年から日本に滞在し、日本企業の中でシステム開発を担当していたのですが、その後帰国、自ら会社を設立し、日本企業からのオフショア開発を請け負っています。

実は、この社長は、自らが2003年に設立した会社を、中国大手のITアウトソーシングサービスプロバイダーに売却してしまいました。引き続き総経理を務めているのですが、雇われ社長になっており、既にオーナーではなくなっています。

彼個人は、すでに先を見ているのです。年齢は、まだ40代前半なのですが、悠々自適の生活プランを描いています。一応、本気みたいなので、ここで彼のビジネスプランを紹介するのは控えておきますが、飲み会の場で盛り上がっただけのような何気ない話をビジネスにしようとしています。

何気ない話の中からビジネスの匂いを嗅ぎ取って、企画立案して実際にビジネスにしていく、彼ならきっとそこまでやるでしょう。前にも書きましたが、中国人のマネジメント力とマーケティング力には、非常に感服します。きっと、天性の投資家なのだと思います。この中国人の力と日本企業の力とをうまくマッチングさせる、そのような発想で、中国企業の対日投資誘致にも力を入れているところです。


Copyright(C) 2001-2008 E-CLASSIS Inc. All Rights Reserved.