月平均労働日数と残業代基準
2008年02月03日(日)
残業代を計算する際の基準となる月平均労働日数の考え方について、リチャード法律事務所の高居宏文法律顧問のブログをご紹介します。本人に断った上で転載させていただいています。
(http://blog.livedoor.jp/richardlawfirm1623/)
***転載開始***
2008年01月29日 残業代基準で損しないために
本年1月1日に「全国年間祝日・記念日休暇弁法」が改正施行され、法定休暇日が10日から11日に1日増えたことに伴い、今月1月3日、労働社会保障部は、「関于職工全年月平均工作時間和工資折算問題的通知(労社部発【2008】3号)」(以下、「新通知」という)を公布し、2000年3月17日公布の労社部発【2000】8号通知(以下、「旧通知」という)を廃止し、月平均労働日数及び日給、時給換算方法を変更した。
これにより、月平均労働日数は、従来の20.92日から20.83日に変更された。
従来の残業代は、旧通知に基づき、月基本給与を20.92で割って日給を算出し、更に8で割って時給を算出していたので、法定休暇日が1日増えたことにより除数が20.92から20.83へと小さくなれば、1時間あたりの残業代が若干上昇すると考えられて、労働者からも歓迎の声が上がっていた。
しかし、新通知の第二条をみると、法定休暇日はそもそも当該休暇日数に対して給与が支払われるのであるから、除数算出に当たっては法定休暇日数を控除しないとし、結果として、日給、時給換算時の月平均労働日数は、21.75日となり、旧通知の20.92よりも除数が大きくなり、労働者の期待とは裏腹に、日給、時給が安くなるという結果になった。
これだけを見ると、政府は労働者に冷たくなったと思われる方もいらっしゃるかと思うが、新通知第二条で示す理由の方が論理的であり、逆にこれまで7年近く残業代計算の基準となっていた旧通知の方が非論理的であまり問題視されていなかったこと自体驚きである。この点、筆者は、中国政府も少し論理的な部分でも成長したなと思って笑ってしまったのだが、、
さて、何はともあれ、残業代計算の除数が大きくなったことにより、これにより残業代が若干安くなるわけだが、以下の点で注意が必要だ。
@新通知適用時期
元々新通知は、法定休暇日が1月1日に1日増えたことに対応して出てきたわけなので、1月3日に新通知が公布されても1月1日から適用されるようにも解釈しうる。しかし、新通知は単に法定休暇日の日数に機械的にあわせたというだけではなく、上述の通り、法定休暇日数を除数算出の際に差し引かないという変更もしており、法は遡及しないとの一般原則の通り、新通知は1月1日からではなく1月3日から適用されると解釈される。
A規則改訂の要否
当該規定は労働社会保障部から出ているので何もしなくても企業に有利な21.75日が自動的に適用されると思われがちだが、必ずしもそうではない。
多くの会社は賃金規定を独自に定めており、これによると残業代の計算は20.92日を基準としているところがほとんどである。
労働法第44条は、法定基準以上の残業代を支払うことを否定しているわけではなく、むしろこれを歓迎しているわけだから、会社の規則で20.92がそのまま残っていれば新通知公布後も残業代計算の際は、20.92が用いられると解釈しうる。労働法は法律よりも労働者に有利な部分は否定するものではないからである。
したがって、賃金規定等で20.92日と明文化している会社で、新通知のメリットを受けたければできるだけ早く、規定を改訂し、21.75日にあわせる必要があろう。
もし、会社規定に20.92日が明文化されていなければ、規定なければ法律法規によるべしの原則により、1月3日から自動的に21.75日が適用されることになる。
以上の点、残業代計算を間違わないよう、注意されたい。
***転載終了***
これは、有給休暇の買取の際にも基準となる数字にもなります。
是非チェックしてみてください。
(http://blog.livedoor.jp/richardlawfirm1623/)
***転載開始***
2008年01月29日 残業代基準で損しないために
本年1月1日に「全国年間祝日・記念日休暇弁法」が改正施行され、法定休暇日が10日から11日に1日増えたことに伴い、今月1月3日、労働社会保障部は、「関于職工全年月平均工作時間和工資折算問題的通知(労社部発【2008】3号)」(以下、「新通知」という)を公布し、2000年3月17日公布の労社部発【2000】8号通知(以下、「旧通知」という)を廃止し、月平均労働日数及び日給、時給換算方法を変更した。
これにより、月平均労働日数は、従来の20.92日から20.83日に変更された。
従来の残業代は、旧通知に基づき、月基本給与を20.92で割って日給を算出し、更に8で割って時給を算出していたので、法定休暇日が1日増えたことにより除数が20.92から20.83へと小さくなれば、1時間あたりの残業代が若干上昇すると考えられて、労働者からも歓迎の声が上がっていた。
しかし、新通知の第二条をみると、法定休暇日はそもそも当該休暇日数に対して給与が支払われるのであるから、除数算出に当たっては法定休暇日数を控除しないとし、結果として、日給、時給換算時の月平均労働日数は、21.75日となり、旧通知の20.92よりも除数が大きくなり、労働者の期待とは裏腹に、日給、時給が安くなるという結果になった。
これだけを見ると、政府は労働者に冷たくなったと思われる方もいらっしゃるかと思うが、新通知第二条で示す理由の方が論理的であり、逆にこれまで7年近く残業代計算の基準となっていた旧通知の方が非論理的であまり問題視されていなかったこと自体驚きである。この点、筆者は、中国政府も少し論理的な部分でも成長したなと思って笑ってしまったのだが、、
さて、何はともあれ、残業代計算の除数が大きくなったことにより、これにより残業代が若干安くなるわけだが、以下の点で注意が必要だ。
@新通知適用時期
元々新通知は、法定休暇日が1月1日に1日増えたことに対応して出てきたわけなので、1月3日に新通知が公布されても1月1日から適用されるようにも解釈しうる。しかし、新通知は単に法定休暇日の日数に機械的にあわせたというだけではなく、上述の通り、法定休暇日数を除数算出の際に差し引かないという変更もしており、法は遡及しないとの一般原則の通り、新通知は1月1日からではなく1月3日から適用されると解釈される。
A規則改訂の要否
当該規定は労働社会保障部から出ているので何もしなくても企業に有利な21.75日が自動的に適用されると思われがちだが、必ずしもそうではない。
多くの会社は賃金規定を独自に定めており、これによると残業代の計算は20.92日を基準としているところがほとんどである。
労働法第44条は、法定基準以上の残業代を支払うことを否定しているわけではなく、むしろこれを歓迎しているわけだから、会社の規則で20.92がそのまま残っていれば新通知公布後も残業代計算の際は、20.92が用いられると解釈しうる。労働法は法律よりも労働者に有利な部分は否定するものではないからである。
したがって、賃金規定等で20.92日と明文化している会社で、新通知のメリットを受けたければできるだけ早く、規定を改訂し、21.75日にあわせる必要があろう。
もし、会社規定に20.92日が明文化されていなければ、規定なければ法律法規によるべしの原則により、1月3日から自動的に21.75日が適用されることになる。
以上の点、残業代計算を間違わないよう、注意されたい。
***転載終了***
これは、有給休暇の買取の際にも基準となる数字にもなります。
是非チェックしてみてください。

