ジェトロ上海ニューズレター2009年2月上期号

2009年02月12日(木)
先程配信された「ジェトロ上海ニューズレター2009年2月上期号」です。目次を掲載しますので、ご関心がおありの方は、是非ともご登録ください。

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   ジェトロ上海ニューズレター2009年2月上期号 No.161
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◇◇ INDEX ◇◇
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【1】ジェトロからのお知らせ

●セミナーのご案内

1)2009年2月20日(金)14時00分〜
  海外ビジネス緊急支援セミナー:外貨管理セミナーin江蘇省
  テーマ:輸出入外貨管理規制の総まとめと企業レベルでの留意点

2)2009年2月27日(金)13時45分〜
  テーマ:中国でのマーケティングと市場調査

●フォーラムのご案内

3)2009年2月25日(水) 
  テーマ:2009・東アジア地域知的財産法律

●その他

4)中国独禁法セミナー開催のご案内
  テーマ:中国独禁法の意義と企業活動に与える影響

5)「日中省エネ環境協力メールマガジン」配信のお知らせ


【2】華東経済スコープ

1)大阪府と大阪市、上海万博の出展契約に調印
  −「80後」世代に「環境先進都市・水都大阪」をアピール−
2)佐賀産牛乳使用のソフトクリーム店が上海上陸−安価な価格設定で庶民層を狙う−
3)成長率は9.7%、17年ぶり1ケタ台に−08年の上海市経済情勢(1)−
4)常住人口の1人当たりGRP、初めて1万ドル突破−08年の上海市経済情勢(2)−
5)旧正月中の上海からの海外旅行者数で日本が初のトップに
6)下半期から急速に冷え込む−08年の中国自動車市場(1)−
7)欧米系と地場の乗用車メーカーが伸び悩む−08年の中国自動車市場(2)−


【3】中国法令情報


【4】エネルギー・環境レポート


【5】四川省・重慶市レポート


【6】その他

   野村総研(上海)開催セミナーのご案内
   テーマ:情報セキュリティと内部統制


【編集後記】

 黄浦江のほとりから(第11回)




Posted by 岩田泰 at 00:04  / ニューズレター  / この記事の詳細
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「2009年の中国経済を占う」シンポジウム報告〜その3

2009年02月11日(水)
「Bros」2月号に掲載されたジェトロ上海センター主催新春シンポジウム(1月16日開催)の報告(最終回)です。

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日系企業の今後の展開

大西 日系企業はどのようにビジネスを展開していけば良いのでしょうか?

柯隆 みなさんに共通している問題は、改革しないといけないのは本社であるという点です。大企業ほど本社からの指令系統が複雑になっていて、現場は戸惑っているのが現状です。スピーディに物事を進めるためには、本社の改革が待ったなしの状態となっています。欧米企業もダメージを受けていますし、本社を改革してリーダーシップを強化すれば、景気が戻ってきたときに中国市場が、日本経済を引っ張っていく上での重要な市場となるでしょう。

塩川 中国で収益を上げられる企業というのは、企業価値が上がります。具体的に言うと株価が上がり、資金調達が楽になるという好循環が始まります。やはりこれからはサービス業、第三次産業を興隆させる時期に来ています。そうなると、ちょうど日本の70年代、80年代に興隆してきた日本の企業が伸びてくるでしょう。特に身につけたり体の中に入れたりといった、安全性の高いものにニーズが高まると思います。これらは日本製品に対する信頼が高いので、チャンスとなるでしょう。

志村 サービス産業、環境、若者をターゲットとした商品、そして市場としての内陸といったことがテーマになるかと思います。「80後」は受発信能力が高く、日本文化に対して親しみを持っています。彼らをどう評価していくかが重要です。一方で着目なのが内陸です。こちらもGDPがどんどん上がり、市場規模も拡大しています。農村は競争力が少なく、最初に伸びてきたブランドが定着し、そこを奪い返すのは難しいといわれています。環境分野ももちろんですが、内陸に対して展開をどう進めるかも課題になるかと思います。

大西 今後も中国は都市化と工業化はしていきます。中国が中進国並みの都市化を目指すというのであれば、都市部であと4億人が増える計算になります。都市部でこれだけ増えると市場ができ、その人口を支える生産力が形成されます。そう考えると15〜20年間、中国経済は安泰ということがいえます。発展しつづける中国市場は、日本企業にとってチャンスが広がるのではないでしょうか。日本企業は技術やビジネスモデルを一生懸命開発してきましたが、そういったことを中国市場で活かせれば大きな成功が待っているのではないかと思います。本日はみなさん、どうもありがとうございました。

(おわり)

Posted by 岩田泰 at 06:19  / セミナーの案内・報告  / この記事の詳細
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「2009年の中国経済を占う」シンポジウム報告〜その2

2009年02月09日(月)
「Bros」2月号に掲載されたジェトロ上海センター主催新春シンポジウム(1月16日開催)の報告です。

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大西 中国経済のボトルネックはどこにあるのでしょうか。環境問題は今後の成長においてポイントになることは間違いありませんが、その取り組みはどのように進んでいるのでしょうか?

柯隆 ボトルネックに関してひとつ申し上げたいのは、国民意識の転換です。環境保全意識が高い日本を、我々は見習わなければなりません。そして、改革解放政策の中でもっとも厳しいボトルネックとなるものは何か、市場経済をやっていくうえで欠如してはいけないものは何かというと「信用」です。では、信用が成り立たない背景に何があるかというと、信ずるものがなくなったのです。これは中国だけでなく、最近の日本でも言えることです。いかにして信用を確立して徹底するかが重要で、そのためには心の拠り所を取り戻すことが必要です。

志村 中国の環境に関する法律は実は日本以上にあります。しかし、地方政府が守らないから誰も守らないんですね。しかし、昨年後半から少なくとも企業の間では環境意識が非常に高まっています。環境問題は課題であるとともに、ビジネスチャンスでもあります。

大西 今年の中国経済はどうなるでしょうか?

柯隆 個人的には、経済成長率は8・5%くらいになるかなと思っています。ただ、中国にとって数字は重要ではありません。重要なのは、どれだけの雇用をつくりだせるかです。私も環境の法律はいろいろ調べましたが一通りあります。ではなぜ実行に移せないのかというと中国の政治改革が不十分だからです。中国を安定せるためにはこの部分をもう少しスピードアップしないと成長経済のひずみはどうしても出てきます。今がそのチャンスだと思います。

塩川 私も紆余曲折はあるもののGDPは8%を超えるだろうと思います。株価がいつごろ戻るかについてですが、普通の国では景気が底を打つ半年から3ヵ月前に株価は戻ります。しかし、一向に回復する様子はありません。それはひとつには、企業の収益よりも国益が重視されている点。それから、中国の投資家が株式市場を信用していないからです。そのため、景気が回復したのを確認してから買い始めるので、実体経済より遅れて株価は回復することになります。

(続く)


Posted by 岩田泰 at 23:35  / セミナーの案内・報告  / この記事の詳細
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「2009年の中国経済を占う」シンポジウム報告〜その1

2009年02月08日(日)
1月16日、上海の花園飯店で、「2009年の中国経済を占う」と題した新春シンポジウムを開催しました。

既に、NNAなどいくつかの媒体で報じられていますが、先日もこのブログで紹介したフリーペーパーで上海を中心に配布されている「Bros」の2月号で大きく取り上げていただきました。

転載の許諾を得ましたので、数回に分けてアップします。

〜以下、全文掲載〜

日本貿易振興機構(JETRO)上海センターは1月16日、「2009年の中国経済を占う」と題した新春シンポジウムを花園飯店で開催した。ジェトロ上海センター所長の大西康雄氏がモデレーターを務め、富士通総研経済研究所主席研究員の柯隆氏、岡三証券上海駐在員事務所所長の塩川克史氏、ジェトロ上海センター経済信息部部長の志村和俊氏、ジェトロ広州事務所調査・企業支援部部長の天野真也氏がパネリストとして参加し、パネルディスカッションがおこなわれた。それぞれが自身の専門分野に即して中国経済を分析し、持論を展開した。

基調講演

パネルディスカッションに先立ち、第一部では富士通総研経済研究所主席研究員の柯隆氏が基調講演をおこない、中国経済の原動力、景気減速の原因、中国経済を取り巻くリスク要因などについて解説した。現在の景気減速は行き過ぎたインフレ政策が原因であり、その結果として雇用が悪化したとの見解を示し、雇用を創出するためには物流、金融を始めとするサービス業の強化が必要不可欠だと述べた。リスク要因としては、脆弱な社会保障制度ゆえに消費を控えざるを得ない状況、環境保全における国民意識・制度・技術といった3つの制約を挙げた。中国政府が採るべき政策として、失業率を低下させ、都市部から農村部に所得移転させるために食料価格を5%程度引き上げるというインフレターゲッティングを提案した。

中国経済の現状認識

大西 まず最初のテーマですが、中国経済の現状認識について伺ってみたいと思います。

塩川 私は普段、国営企業を中心に中国系企業を訪問していますが、鉄、セメント、金属といった重工業において在庫が積みあがっています。成長が鈍化して投資が落ちている非常に厳しい状況です。企業業績についても今年の第1四半期、第2四半期は非常に悪くなってくると思います。

天野 私は珠江デルタの日系企業から日ごろ話を伺っていますが、急に景気が悪くなったというわけではなく、07年後半から徐々に悪かったものがここにきてさらに悪くなったということが、加工貿易を中心に見てとれます。今年いっぱいは厳しいのではないかと思いますが、隣の香港との連携を強化するための「珠江デルタ地帯改革発展計画綱領」が1月8日に発表されたので、期待をしたいですね。

大西 5年に渡って二桁成長を続けてきたわけですが、その中で忘れられていた構造的な問題があります。それは、非常に経営効率の悪かった国営企業はどうだったかという問題です。

塩川 私どもは会社を訪問して「もっと利益をあげてくれないと困りますよ」ということを言うのですが、国営企業に関してはまったくできていません。なぜなら、中国企業は国の安定性を最優先としているためです。何十万人もクビを切れば当然利益は出ますが、社会不安がものすごく高まります。国営企業には、リストラをまったく認めていません。するとどうするかというと、国営企業は国の補助金に頼ります。結果、構造改革は非常に遅れています。なぜ株価上がらないのかというと、企業の利益よりも国益を重視しているからです。

(続く)

Posted by 岩田泰 at 23:18  / セミナーの案内・報告  / この記事の詳細
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ジェトロHPアップデート情報

2009年02月05日(木)
ジェトロHPの中に、「エリア別情報(華中・華東)」というところがあります。
http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/central_east/

ここでは、華東地域や華中地域(四川省や重慶市も含む)の情報を流していますが、ここに「What's New」のような「お知らせ」という欄を作りました。

今、載っているのは、ビジネスQ&Aの新着情報です。

法令で定められた日数を超える有給休暇について

Q.
当社では、福利厚生の一環として、従業員に有給年次休暇条例や企業従業員年次有給休暇実施弁法で定められる日数以上の有給休暇を与えていますが、法定日数を超える未消化の有給休暇についても買い取らなければならないでしょうか。なお、当社では就業規則で法定有給休暇と福利厚生として与える有給休暇を分けて規定していません。



ぜひご活用下さい。

Posted by 岩田泰 at 23:26  / ビジネスQ&A  / この記事の詳細
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上海のサービス水準が高く思えるとき

2009年01月19日(月)
ある上海近郊の都市で、昼食のためラーメンチェーン店に入りました。

○ある従業員に注文を頼もうと思って、大声で「注文!」と言ったところ、目が合っているにもかかわらず、お茶を運ぶばかりで、注文をとろうとしない。他の従業員は、近寄っても来ない。

○その従業員は、二人連れの客のためにお茶を二杯運び、一旦戻った後、次に一人連れの客のためにお茶を一杯運んでいる。そんなことを繰り返すこと4回。一度にたくさんのお茶を運べば、一度で済む仕事。

○しかも、その従業員の前掛けには、注文をとるための紙とペンが入っている。お茶を運ぶついでに注文をとれば、効率があがるはず。

○私は、一番ノーマルなラーメンと餃子を注文したが、最初に運ばれてきたのは、焼き鳥、その次に運ばれてきたのが辛い麺、次に運ばれてきたのはチャーハン、その次は、異なる二種類のラーメンを持ってきて、「どちらがあなたのですか?」と聞かれた。

普段、上海で生活しているので、上海のサービスレベルを普通だと思ってしまいますが、上海は実は相当レベルが高いと感じました。


そのような中、同じ都市で、ある日系企業の製造工場を訪問してきました。
この工場には、従業員に技能が求められる工程があります。
技能とは、いろいろ定義があると思いますが、一つの側面からみると、現場で予期できないことが起きた時の解決能力だと思います。
中国で、従業員に技能を身につけさせることに苦労している企業が多い中、この企業は、成功しているように見えました。とはいえ、簡単なことではなく、いろいろなことを試しながら、現在の状況を達成してきたようです。

日本製造業の強さの一つの秘訣は、この技能の力にあります。日本での技能力を高めることももちろん大事ですが、この中国でいかに従業員に技能の力をつけさせるか、重要な課題です。難題ですが。

Posted by 岩田泰 at 23:33  / 各地を訪れました  / この記事の詳細
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労務管理セミナーin武漢

2009年01月18日(日)
1月14日、武漢で労務管理セミナーを開催しました。
里格法律事務所の安翊青弁護士に講師を務めていただきました。
実際の事例の即して労務管理上の注意点を指摘していただき、非常に高い評価をいただきました。
上海でも13日に労務管理セミナーを開催しましたが、いずれも多くの方に参加いただき、企業の方々の関心の高さがうかがえます。

労務管理については、紛争案件が各地で激増しているとともに、労働者側の勝訴率も高まっていることから、企業側としても細心の注意が必要となります。さらに、労働契約法は施行されているものの、細則や地方政府の規則に至るまでのすべてが整備されているわけではなく、運用面では地方による差異も多く見られます。日常的に当局とのコミュニケーションを密にしておくことが、労務問題で不測の事態に陥ることを防ぐ一つのポイントかと思います。

お困りのことがありましたら、ジェトロ進出企業支援センターまでお問い合わせください。
http://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/cn_shanghai/support/

なお、武漢では、前座で私が「中国経済の動向と日本との関係」というテーマで話をしました。20分程度で中国のマクロ経済を話すのはなかなか難しく、ついつい多くのことを話そうと思って、早口になってしまいます。今回は、かなりしぼって話をしたつもりだったのですが、やはり早口になってしまいました。日々これ反省。

Posted by 岩田泰 at 22:33  / セミナーの案内・報告  / この記事の詳細
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2008年を振り返って2009年を展望する〜その4

2009年01月12日(月)
「Bros」新年1月号のインタビュー記事の続き(最終回)です。

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2009年の展望

 第三四半期の経済成長率が9%になって、第四四半期はもっと悪くなるだろうと言われている中で、アクセルをずっとふかしているけれども実体経済に火をつけるまでには至っていません。それくらい実体経済が冷えてきているということなのでしょう。中国は外需に頼っているので、外需も冷えて内需も元気がなくなってしまったというのが現状なのでしょう。09年の話となると、さすがにここまでのひどい状況は上半期で終わり、期待も込めて、下半期は回復に向かうという言う人が多いように思います。中国人民銀行の副総裁など中央政府の人も、上半期はある程度低い数字でも通年では8%を達成します、ということを述べています。政策もそれを目指して進めるでしょう。中国が日本や他の外国と比べ、相対的に高い経済成長を維持するのは間違いないのではないでしょうか。

 09年は、地震の復興事業費がある程度投入されると言われています。4兆元の経済対策のうち1兆元が地震復興事業費となっていますし、経済対策とは関係なくそもそも支出する計画のあった分もあるでしょう。ここは、日本企業にとってビジネスチャンスが期待できます。4兆元の場合、半分が鉄道なので日系企業もそう多く絡めるわけではありませんが、復興事業だとビルが建てられ、内装が必要とされ、そのための建材も必要となるということで、日系企業が活躍できる余地があるのではないでしょうか。

 以前台湾人や香港人から話を聞いたことがあるのですが、中国系「老板」は何が儲かるかを常に考え、儲からなくなると思った瞬間に手を引くという特徴があります。08年上半期、中国全土で6万社以上が倒産したというニュースがありましたが、そう考えると、その数字を聞いて日本人が感じる印象ほどには経済は悪くないと思います。もちろん失業した労働者個人にとってはたいへんな話であり、その失業者自体が増えていくという問題もあるのでしょうが、経済自体が疲弊しているかというとそんなことはないわけで、私自身はそれほど悲観していません。「変化の時代にはチャンスがある」とは日本人よりも中国人がよく言います。政府が打ち出す経済対策は、ローカル企業にとってビジネスチャンスでもあるのです。(談)


(おわり)

Posted by 岩田泰 at 23:21  / 経済統計・経済情報  / この記事の詳細
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2008年を振り返って2009年を展望する〜その3

2009年01月11日(日)
「Bros」新年1月号のインタビュー記事の続きです。

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日系企業はいかにして中国での難局を乗り切るか

 日本では70年代の円高時代から、いろいろな地方で中小・零細企業が苦しんできました。疲弊していった地域もあります。しかし、生き残っていった地域や企業もあるのも事実なわけです。中国の方と話をすると、「沿岸部はコストが上がってきつくなったので、製造業では生きていけない街になった。これからはサービス業で生きていきます」と皆さんおっしゃるのですが、日本企業はもっとコストの高いところで引き続きモノづくりをしているわけです。やればできるんですね。乗り越える努力をしてきたかどうかの違いです。日本企業はコストが高くてもモノづくりをする努力をしてきているので、そのノウハウは溜まっているでしょう。そのノウハウを最大限活かせば、日本の企業は中国での難局を乗り切れるのではないでしょうか。

 ただし、お金がないというのはどうしようもないことで、今多くの企業が資金繰りの問題で悩まれています。貸出規制は緩められたけど、思うようにお金が出てこない。経済が減速していく中で銀行は、どうやって不良債権率を高めずに貸し出していくかと考えると、当然貸出しが保守的になるわけです。そうすると、ちょっとでも経営が危ないと貸してもらえないわけです。資金繰りが立ち行かなくなるとさすがに倒れてしまうので、年末から旧正月にかけて心配ではありますが、資金不足さえ乗り切れば、日本企業はこれまで厳しい競争に勝ち残ってきたノウハウを中国でも活かせるのではないかと思います。

 伸びている分野に日系企業が入っていけば、一定のシェアがとれるでしょうし、中国で儲けることは可能だと思います。ただし現時点で一番伸びているマーケットが中国なのだとすると、他の外国企業も一斉に中国を目指してくるので、より一層競争は厳しくなります。そう簡単なマーケットでないことは事実です。しかし、この中国で勝てなければ企業としても相当厳しい状況になると思うので、より一層真剣に中国マーケットに取り組む必要があるでしょう。

(続く)


Posted by 岩田泰 at 22:28  / 経済統計・経済情報  / この記事の詳細
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2008年を振り返って2009年を展望する〜その2

2009年01月10日(土)
「Bros」新年1月号のインタビュー記事の続きです。

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「三農」問題対策が内需拡大のカギ

 アメリカの景気が回復しなければ中国も回復しないという人もいますが、そこまでのことはないと思います。広東省でアメリカ向けに雑貨を輸出していた企業は売れなくなっていますが、中国経済はそれだけで成り立っているわけではありません。確かに輸出の占めるウェートは大きいですが、内需型の経済に転換する良いチャンスですし、政府も内需主導で経済危機を乗り切ろうと策を練っています。11月9日に発表された4兆元に及ぶ経済対策にはインパクトがありますし、三農問題(農業、農民、農村)にもこの機会にテコ入れをはじめているわけです。10月中旬の3中全会(中国共産党第17期中央委員会第3回全体会議)では、農民の土地の使用権(土地請負経営権)を譲渡できるようにすることや、一部の農民が中小都市にいって都市戸籍を取得することを認める方針が示されました。

 中国はまだまだ農民が非常に多い国なので、この人たちの所得を盛り上げていかないと内需は増えていきません。いくら沿岸部の所得を増やしても一部の富裕層の所得が増えるだけです。農民も含めた大多数の人たちの所得を盛り上げて消費を刺激していかないと、内需主導型になっていきません。そういった意味でこの政策は、非常に正しい方法だと思います。すぐに答えが出る政策ではありませんが、中長期的に見れば中国経済は必ず内需主導型に向かっていくでしょう。

(続く)

Posted by 岩田泰 at 00:50  / 経済統計・経済情報  / この記事の詳細
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