「Web2.0」の今昔/知ってるつもりのITトレンド

2007年09月07日(金)
 
草創期のWeb は、製作者が提供する情報やサービスを
ユーザーが受け取る、という関係のみに終始していた。

やがてインターネットの普及が進んで利用人口も増加の一途をたどる過程において、
今度はユーザーの側から情報を発信する、あるいはユーザーどうしで情報の交換、
あるいは共有を行っていくことを目的としたWebの在り方が、徐々に一般的なものと
なっていった。


現在では、これまで受け身の利用が主だったユーザーが自発的に情報を発信し、
コンテンツ形成に携わることができる環境が、当たり前のように広く整っている。

このような、主としてユーザー側にWeb操作の主導権を持たせた新しいサイト構築の
形態が 「Web2.0」 と呼ばれるようになり、高度化する情報通信技術の象徴的概念として
確立したのである。



「Web2.0」という名称 については2004年、
米の出版社「オライリー&アソシエイツ」創設者であるティム・オライリー氏が
付けたものとされており、日本においては05年に入ってから用語としての認識が
広がりはじめた。

「2.0」という数字についての明確な定義は存在しないが、
例えば「USB 2.0」のようなバージョンアップの形を意味したものではなく、

「次世代におけるWebの在り方を抽象的に表したもの」というエポック的な
視点での解釈が適当とされている。


従来はBBSやチャットといった、比較的クローズドな性質を持つツールの多かった
インターネットによるコミュニケーションも、ブログやSNSといったユーザー主導型
Webサイトの登場によって、その内容が大きく様変わりした。

特に難しい操作を必要とせず、情報発信だけでなくカスタマイズまで行える
手軽さも、人気を呼んだ要因といえるだろう。

またプライベートだけでなく、ビジネスにおけるコミュニケーションの手段としても
活用されるようになり、マスメディアから社会現象として取り上げられる
「Web2.0」 の実用例も数々生み出された。



本や映画、グルメなどをテーマにしたレビューサイト、
Wikiを使っての百科辞典サイト、アバター機能やAjaxを使ってのスクロール地図機能
など、一般に 「Web2.0」 と呼ばれているものを挙げればキリがないが、

どのサイトや機能にも共通していえるのは

「ユーザーの思うままに」 「どこでも」
「リアルタイムに」 「好きな情報を送ったり、手に入れたり」

といった要素のもとに構築され、
実際に情報をやり取りすることによって、その価値がだんだんと高まっていく、
というプロセスである。


単なる双方向コミュニケーションの枠を超え、
ユーザーが主体となるメディアとしての可能性を形にした 「Web2.0」 だが、

曖昧な解釈のもとに生まれた言葉ゆえ、当初はあまりこの概念が浸透せず、
言葉だけが一人歩きしている印象を世間に与えた。

その後一応はトレンドワードとしての認知を得たものの、

「何をもって “Web2.0” なのか?」というその定義については
やはり未だにはっきりしないまま、今日に至っている。


ITに関わらず、何かの第2弾的なものを指して、
何でも「○○2.0」と名付けてしまう風潮も一時期見られたが、
さすがにこれでは「バージョンアップの形を意味したものではない」という
前述に反することになる。



トレンドのみならず マーケティング用語としての意味合いも深まるかと思われた
「Web2.0」 だが、やはり明確な意味づけがないだけに、言葉の重みに欠ける印象は
拭えず、バズワードとしての認識に傾きつつあるのは事実といえるだろう。


「Web2.0」 という言葉ありきではなく、
その概念に含まれるそれぞれのサービス内容やコンテンツの特性をしっかり
見極めることが、ビジネスに生かしていくために必要であるのは言うまでもない。


(文:フィデリ編集部 松尾)


●「Web2.0」関連サイト●
ウィキペディア 日本語版 (http://ja.wikipedia.org
Googleマップ (http://maps.google.co.jp/
株式会社 ミクシィ (http://mixi.co.jp




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