東京スカイツリーと中国の商業施設
4月12日、ある建築家と一緒に一足早くスカイツリーを訪れた。
31階建てのオフィス棟、1〜4階にはショッピングゾーンが入る。ワンフロア約2万平米、合計6.2万平米を物品や食の販売、エンタメ空間で固める。「日本のにぎわい」を意識した作りでもある。
工事中のSORAMACHI1階フロアには、鎌倉シャツ、マツキヨ、アンパンマンキッズ・・・2階はセシルマクビ−、ジルスチュアート、ZARA、サマンサタバサ、エスペランサなどなどが入る。結構、内装に力を入れていて、お祭りイメージでまとめた「超・和」な空間のエスペランサは「こりゃ、すごい」という感じ。
姫 田「うーん、なかなかこれは。日本の商業施設はやっぱりすごいですよね」
建築家「各店舗が使える色や材質が決まっているんですよ」
姫 田「だから一体感が出る・・・ちょっと中国とは違いますね」
姫 田「LED照明も随所に取り入れてますね」
建築家「けれども総合効率では、実は蛍光灯を超えられないんですよ」
姫 田「そうなんですか?」
姫 田「トイレはどうかな?と・・・」
建築家「最近は小規模分散型ですね。大きいトイレを1箇所にドンと作るのではなく・・・」
姫 田「なるほど。中国の商業施設の場合は、依然、1箇所集中型ですけど、個室の数が絶対的に不足しています。あまり、公共の利便性には気配りがないです」
姫 田「ところで、六本木ヒルズなんかはプロの間ではどういう評価なんですか」
建築家「いやあ、あれは失敗だね」
姫 田「は? 失敗?」
建築家「外側はダイナミックだけど、中は一部屋一部屋に間仕切りしてしまって、スペースを大きくスペースを使うことができなかったんですよ。外との空間をいかにしてつなぐか、ゾーニングするときは遊びの空間をいかにして取り入れるかが大切なんです・・・」
姫 田「恐らくそういう発想なんかは、きっと上海もまだまだかもしれません。遊びより効率です。平米単価効率がすべてです」
姫 田「ほかにプロとしてのチェックポイントは?」
建築家「スカイツリーの場合も、いつまで集客を維持できるか、です。日本橋コレドや表参道ヒルズなんかももはや延命が課題。コレドはおよそ2ヶ月で人が入らなくなりました。とにかく、スカイツリーのこのぐらいの規模ともなれば一時間に50台の観光バスがお客さんを運んでこないことにはなかなか厳しい」
姫 田「テレビ時代の終焉にできた電波塔という意味でも逆説的・・・」
建築家「オープンして数ヶ月の動向は注視したいですね」
今回、この大先生とスカイツリーを訪れたのは、実は中国の某商業施設から「ジャパンストリート」を作れないか、という案件をオファーされているためでもあった。確かにスカイツリーの商業効果は気になるところだが、やはりそれでも日本の商業施設はすごい、と思う。それぞれに条件の異なる店舗を入店させ、足並みを揃えさせ、なおかつ気持ちをひとつにする、それができるだけでも「すばらしい」としか言いようがない。
中国の場合は、単なる「間貸し」「賃貸し」になってしまって全体の演出感はゼロ。当然、消費者にもまったく“ウキウキ感”はない。しかも、サービスを知らない店員がいくら売り場に立ったところで、誰も財布のヒモを緩めない。しかも消費者は、売られているものに対しても「ホンモノかどうか」と懐疑的。迷った挙げ句、「買わない」選択をしてしまう。
13億の市場とはいえ、そう簡単には儲からない理由はここらへんにもある。
そう、買うなら日本で。そういう「ウキウキ、ワクワクな買い物体験」はぜひ日本でしてもらいたいところだ。団体旅行といえども、滞在時間は最低でも2時間は与えてあげて欲しいところだ。 |