How China sees the world.
How the world see China.
How we see Chinese,
How Chinese see our Japanese.

ますます力をつける中国、
そして中国人を無視しては、
何も語れない時代になりました。

政治や経済が迎えた時代の変化です。

でも、気持ちがなかなかそれについていけないときがあります。

これだという「解」はありません。
それだけに心中非常にフクザツで、
道を見失うときもあります。

期待と疑念。

正直、誰もがそんな気持ちを抱きながら、
中国と向き合っているのだと思います。

プロフィール

姫田小夏

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ボロボロの中国サッカーを東芝がスポンサードする理由  2012年01月08日(日)
ボロボロの中国サッカーを東芝がスポンサードする理由

東芝が「中国サッカー協会杯(CFACUP)」の冠スポンサーになっている。

「中国サッカー協会杯(CFACUP)」とは、あの中国サッカー協会が1984年に立ち上げた中国国内最大のカップ戦で、2006年の大会を最後に中断となっていた。それが昨年再開となるのだが、同時に東芝が冠スポンサーに名乗りを上げたという経緯がある。

ちなみに“あの中国サッカー協会”としたのは、中国のサッカーを壊滅的状態に陥れた元凶であり、腐敗の巣窟だからだ。今、中国サッカー協会の元副主席らは贈賄の罪に問われている。(詳細記事は今月のJbpressもしくはダイヤモンドオンラインにて)

中国サッカーは“絶望のどん底”にある。にもかかわらず、東芝は冠スポンサーになった。

「中国サッカーはファン離れも止まらず、どこも広告をやる企業などない。こんな時期になぜ東芝はわざわざスポンサーに挙手したのか」と不思議がる声も。

その意図はどこにあるのか。

本社広報に聞いた。すると、「東芝中国として広告効果を狙った」という回答が。

5万人のスタジアムがガラガラだという状況で、また、ファンも見放す中国サッカーという最悪の状況で、そのどこに効果が狙えるのというのだろうか。

その「最悪の状況における救世主になりたい」というならわからないでもない。中国サッカーをなんとか救済しようという意志はあるのだろうか。

しかし、本社広報の答えはこうだった。さらに「東芝のCSRにおいてサッカーはメニューの一部、そこに特別な入れ込みはない」

その発言からすれば、東芝が冠スポンサーになったのも「単に広告代理店に担ぎ上げられただけ」、ということにもなってしまう。

しかし、現地の報道からは東芝中国のトップによるこんなコメントが見て取れる。

「中国サッカー界の発展に貢献していきたい。中国サッカーがアジアでナンバーワンになる小さな支援ができれば」――

「アジアでナンバーワン」は中国国家指導部の意志とも重なる。

ひょっとするとこれは現地法人と本社とのズレなのか、とも思えてくる。現地法人は十分に中国サッカーの危機的状態を理解している、そして先行投資としてこれを支援することが中国における東芝の発展だと理解している――、この発言はそれを示唆するものではないだろうか。

しかし、本社広報は現地法人の事情をほとんどカバーしていないようだ。的を外した回答に失望せざるを得なかった。

現地責任者への直接取材の必要性をここで改めて強調したいと思う。昨今、本社広報が取材の一元管理を行う企業が多いが、これではますます現地の実情と乖離した情報を伝えることにもなりかねない。そもそもこれだけグローバル化が進む中で、本社による一元管理などあり得ないだろう。

しかもCSR活動などは報道されてナンボのものだ。ましてや中国では「陰徳」など通用しない。アピールしてこそ意義がある。もっと残念なのは「東芝が冠スポンサー」は中国ですら(日本においても)ほとんど伝えられていないということだ。
Posted at 13:32 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
上海の新森ビル(SWFC)に想う  2009年01月07日(水)
上海の新森ビル(SWFC)に想う


上海環球金融中心(以下SWFC)が昨年10月に正式開業しましたが、
そのSWFCを待っていたのは金融危機。

スタートとゴール、
その2つを金融危機が見舞ったという意味では象徴的な物件です。

SWFCの場合、
工事着工を迎えた97年もアジア通貨危機に端を発した経済情勢の悪化に見舞われました。
その後、工事を一時中断。
さらにその後、上海はSARS禍に見舞われたし、反日デモも経験しました。

今日までの苦節14年を知る日本人駐在員の中には
「ようやくこの日が来たか」と感慨を漏らす方もいらっしゃいます。

けれども、正式開業にこぎつけた1週間後には、SWFCの向かいの敷地で地上600メートルの新タワービル「上海中心(上海センター)」が着工。

中国一の座も取って替わることになるのは時間の問題です。
現地ではしかし、
上海中心と金茂大厦、SWFCで「品」の字を形成する摩天楼としてさらに注目を集めるだろうとされていますが。

一方で、高い賃料を腹ってSWFCにオフィスを移した日系の銀行には、
「以来何千人もの応募者が集まるようになった」という効果をもたらしている模様。

日本人気が薄らぐ昨今、これは朗報です。
日本のデベロッパーとしての快挙、
そして上海の日本企業のプレゼンスを高めたこと、
それだけでも賞賛に値すると思います。

ただ、この時期、本当に好調なのか、というのは誰もの偽らざる気持ち。

不動産業界では、表向き「8割決まっています。残物件もあとわずか、即決を」と呼びかけるのは常套手段。

「09年末には95%の稼働率」というのも、うがった見方をすれば、「業界ならではのトーク」なのかもしれない。

けれども、やはりここは上海。

98年に竣工した上海森茂大厦(現HSBCタワー)が
当時、「なかなか埋まらない」と苦労していましたが、
2000年を過ぎるとパタパタッと埋まり、
瞬く間に「貸すための床がなくなった」。

これを経験している森ビルだからこそ、
95%の稼働率という提示もあながち遠い数字ではないと思うのです。

上海を知る者は、
日本にいる日本人が想像し得ないダイナミズムを
どこか、例外として信じているのではないでしょうか。
Posted at 21:04 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
気になる日本の孤立化  2008年09月19日(金)
気になる「日本の孤立化」



先日、某大手企業の取締役を定年で退職されたI氏にお目にかかりました。
I氏は十数年前の某社子会社の社長、短い時間でしたが私も多くを学ばせてもらいました。

I氏曰く、「君は最もその変化の激しい上海にいたわけだけど、一体どれだけ儲けたのかね」

十数年ぶりの再会に臆することなく、実にI氏らしい鋭い突っ込みを頂戴しました。

私は97年から上海に滞在していたわけですが、
正直、日本人的疑心暗鬼で儲け(主に不動産投資)の波に乗り遅れました。

中国企業を挟んでの取引きなんて、騙されない?
危なくない? マズくない?

私も日本人ですから、そういう発想をしてしまうわけです。

でも、そのままお言葉をお返ししますと、
「御社もまた、上海でどれだけ儲けたのでしょうか?」

一気にビジネスに踏み切れない理由は、信頼できるパートナーが見つからないというのも1つ。パートナー候補の中国企業がないわけではなく、あるにはある。けれど、どこかで「わが社が組む相手ではない」と思っている。つまり信用できないんですね。



ここ上海でどれだけの日本企業がこの好機をものにできたかというと、
決して多くはないと思います。

日本ブランドを出せば売れる時代はとうに過ぎ・・・、
というこの10年の時代の変化をどれだけの企業が感じ取っているでしょうか。

10年の変化を経て、新しい中国企業、中国人が育ったわけですが、
日本人のステレオタイプイメージは相変わらず旧来のまま。

同じ発想、同じ仕事の仕方、しかもいまだ「日本流」を持ち込んではばかりません。

日本人もアフターファイブを県人会で楽しそうにしているし・・・

最近の私のテーマは「日本の孤立化」です。
(今回のダイヤモンド・オンラインの「中国は今」のテーマも根底にはそれがあります)

日本の特殊なスタンダードはもはや上海市場では受け入れられないし、
この国際市場においてむしろ日本人はお呼びでないのでは・・・?

「上海を征するものは・・・」なんて一時言われたこともありますが、
もう、その勢いも感じられない・・・。

中国企業をうんぬんするにしても、最近はやりづらさを感じるこのごろです。



Posted at 11:23 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
中国における日系企業の社会貢献活動(その6)  2008年08月29日(金)
中国における日系企業の社会貢献活動(その6)
まとめ



「光明公益賞」のランキングでは非常に高い評価を得ている企業でも、消費者の視点から「なぜあんな会社が」と思う一面もあります。よい試みをしている企業と、多額の寄付をしている意味でのよい企業とは異なるし、「光明公益賞」で表彰されない企業でも地道な努力をしている企業はあるはずです。

一方、社会貢献のやり方、評価のされ方は国によって異なります。欧米社会は社会問題や人権問題への関心が高いのに比べ、日本人は環境問題に敏感です。一方、中国では社会格差をなくし、生活の底上げを促すことが1つの大きなテーマであるならば、これへの取り組みが歓迎される可能性が高いといえます。

また、中国では金額の多寡が社会貢献活動の評価の基準になりやすい傾向にあることは否めません。

そうはいいつつも、環境についていえば、中国が日本に求めている部分でもあり、環境技術は日本企業の得意分野でもあるわけですから、こうした分野において日本企業が本業で蓄積した技術で中国の社会に貢献するということも、独自性があっていいのではないでしょうか。

光明公益賞を調べてみて感じたのは、日本企業の貢献に比べ、欧米企業はその方針がより具体的で独自性に富んでいるということです。「誰がどういう形で貢献を享受できるか」という視点も明確です。

中国企業が寄付合戦から中国社会が脱皮し、いかに経済と道徳を両立させるか、という価値基準を持つには時間がかかるでしょう。その過渡期においては、慈善活動の本来の意図を曲げられたり、「たかり」の対象にされてしまったり、ということも危惧されます。

「本来の意図」が曲がったとい意味では、私たち日本人は、中国人が行う四川大地震での寄付金活動に合点がいかない部分を覚えました。

しかし、ここで「日本流」「日本人のやり方」を押し出してしまうと、溝は深まるばかりです。寄付なのだから、「気持ちでいい」とする日本人と、「え、そんな少額?」と抵抗を示す中国人(詳細はダイヤモンド・オンライン「第1回」)、双方の対立が社内に大きな波紋を投げた日本の現地法人もあります。

そもそも、寄付活動においては中国の場合、きちんと名前を残します。要はメンツの社会なのですね。寄付活動において中国人が「匿名」で多額を献金できるのならたいしたものです。中国の寄付活動、社会貢献の尺度の変化とともに、CSR的価値観が持てる社会になれるかどうか、引き続き見守って行きたいと思います。
Posted at 18:19 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
中国における日系企業の社会貢献活動(その5)  2008年08月29日(金)
中国における日系企業の社会貢献活動(その5)
社会的背景が違えば「ものさし」も違う



北京五輪を挟んでだいぶ時が経過してしましましたが、中国企業の社会貢献についての話にもう一度戻ってみようと思います。

以下は(その4)の続きを書き込みました。前後脈絡不明な方は一度(その4)をご覧頂くことをおすすめします。

さて、「光明公益賞」において、日系企業が選ばれたのは04年2企業、05年3企業、06年4企業、07年3企業と連続しています。政治的冷え込みが続く04年、05年に連続複数企業が受賞したこと、さらに05年の反日デモという逆風のさなかで行った貢献活動が、06年で評価されていることは注目に値します。

ある研究者は「第2回光明公益賞では日系企業はトップ20社中3社しか受賞していない。残り15社は欧米企業」と指摘されていらっしゃいます。これをして「中国国内における認知度は欧米企業と比較して低い」と導くこともできますが、これをそもそも欧米系と1つにくくるのにはムリがあります。欧米系と十把ひとからげにするのではなく、(その3)でもご覧頂けるように国籍別にきちんとわけると、日本は常に2企業以上選ばれており、アメリカに次ぐ「貢献国」だといえます。

一方、「ニューズウィーク誌」のCSRランキングと比較すると、まったく異なる傾向が浮き彫りになります。中国の光明公益賞では、4回連続してアメリカ企業が常に半分近くを占めているわけですが、CSRという軸で見た場合は、アメリカ企業への評価は決して高いというわけではないのです。

ちなみに04年「ニューズウィーク誌」の調査では、日本企業はCSR上位100社に15社がランキングされていますが、アメリカ企業は7社しかランキングされていません。上位20社はイギリスの多国籍企業が占めています。

また、05年の「ニューズウィーク誌」の調査では、日本企業はCSR上位100社に14社がランキングされていますが、アメリカ企業は9社のみ。CSR上位20社は欧州企業が独占、上位100社中76社が欧州企業という具合です。

さらに、08年の「ニューズウィーク誌」では、日本企業はCSR上位100社に19社、アメリカ企業は6社のみのランキングで、上位20社にアメリカ企業はありませんでした。

中国でのランキングでは圧倒的に米国企業が表彰されていることは、少なくとも「光明公益賞」はCSRの本質的な理解と考え方から遠いものだと受け止められるし、中国ではCSRという概念よりも、金銭の多寡により企業の貢献度をみるというところに尺度が置かれていることが推測できます。

そもそもCSRの成り立ちやその価値基準も国によって異なるもので、歴史的背景や文化、経済発展の違いにより、その考え方が全く違ってくるのは当たり前なのかもしれません。

中国の場合は、いかに研究がさかんだろうとも、現実はCSR的発想はなく、社会貢献のものさしは、貧困をいかに解決するかにあるような気がします。この目的に合致し、どれだけ多額の資金を拠出したかで企業の評価が決まるといっても過言ではないでしょう。

一方、よく引き合いに出されるのは「日系企業の欠点」ですし、常に欧州にコンプレックスを抱きつつけて来たかもしれません。

●予算が少ない、小規模。
●非長期的。
●PRに消極的、見せ方も下手(陰徳の精神が強すぎる)。
●専門人材の不足。

確かにそういう評価もあるでしょうが、日本企業は卑下する必要はないのでは、と思います。日本はCSRという看板は掲げていなかったとしても、多くの企業が世界共通の理念に向けた地道な努力を行っており、CSRの部門はなくとも、もともと自然、人、社会の共生は企業理念、事業活動そのもの、という会社も少なくありません。それがただ欧州スタンダードの評価軸にはたまたま合致しないだけなのかもしれません。

ただ唯一、指摘をするならば、3番目の「PRに消極的、見せ方も下手(陰徳の精神が強すぎる)」は改善の余地があります。

四川大地震の直後、中国語版HPに被災地への支援活動をどれだけの企業が「目立つように」組み込んだでしょうか。あれだけ、中国の消費者に訴求している日本の大手有名メーカーですら、ワンクリックではたどりつけない奥座敷にしまいこんでいるケースも散見されました。

郷に入れば郷に従え。

社会貢献は押し付けるものではなく、その国が所望するようなものに合致しないと評価はされない、ということなのです。
Posted at 18:16 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
上海の人材戦略、人の現地化について(2)  2008年08月14日(木)
人材戦略、人の現地化について(2)


こんな記事もありました。


■エコノミスト チャイナ・ウォッチ 2002年6月25日号掲載

脱日本人総経理


 

 前回に引き続き、今回も企業の「現地化」の話題。
最近、上海で元気なのは「現地人総経理」を起用した日系企業だ。


 潟iステックは名古屋にある年商30億円の切削工具メーカー。生産の9割近くを行っているのが、海外子会社である上海名古屋精密工具有限公司だ。客先はシチズン時計、ソニー、本田技研。同社の強みは納期だ。「日本なら1週間の納期がここなら2日。一度たりと納期を守らなかったことはない」と上海人総経理の孫国慶氏は話す。

 
 従業員数300人、平均年齢は22〜23歳と若い。彼らは土・日まで働くから月曜日の納期にも対応できる。低価格に加え「3交代制」が納期を脅威的に短くする。現場に日本人はいない。社長は中国人の彼に全幅の信頼を置く。孫氏は本社勤務を経験し、上海へ赴任。日本人社長とは10年のつきあいだ。隠れて会社を作り、こっそりと人、物、技術を移転して独立してしまうのが中国人、信頼したばかりに煮え湯を呑まされた日系企業も多い。だが彼らは違う。「簡単には裏切れない太い絆で結ばれている。夢は上海工場を1000人規模にすること」(孫氏)。

 
 徹底した現地化は同社の追加投資の状況を見ても判る。92年の初期投資の後、現在に至るまで累計で4回、合計8.4億円を上海に投じた。利益を日本に持ち帰ろうとする日系企業がほとんどの中で、同社は中国で再投資を行い事業を拡大させる。さらに東証第二部上場を狙うが、「これは上海工場の業績が反映されている」(孫氏)。
「いかに儲けて、いかに利益を持ち帰るかだけ。日系企業にとって中国は単なる工場なのか。そんな中で現地に根を張る中小企業が業績を伸ばす」と話すのは上海瑞穂磁気の董事長・平野信幸氏。

 
 同社は94年から上海で着磁電源・脱磁電源装置の製造販売を開始した。現場を仕切るのは上海人総経理、呂振氏だ。彼の熱意、技術力、管理能力を評価、この事業は平野氏が彼に個人的に支援することからスタートした。会社は中国系企業として登記したので、ワーカーの賃金もローカル並みに低い。
 平野氏自身も院政を敷く気もなく「決裁権含めて彼に委譲してある」と言う。「現地に利益を残せば、危機に直面した日本本社を救うこともできる。いずれ子が親を救う時代がくるはずだ」(平野氏)。この考えが奏功してか、今では「納期が間に合わない」とうれしい悲鳴。生産量は日本の大手同業の倍以上だ。 
 
 
 一方、ここに来てなぜか日本人スタッフを送り込んでくる日系企業も。「せっかく『現地化』を進めてきたのに、なぜ今さら、付加価値を生まない日本人を中国に送り込んでくるのか」、日系大手メーカーに勤務する中国人スタッフは不満を露わにする。
日本経済の浮沈を現すのか、これまで、日本人を積極的に減らそうとしてきたが、再び海外子会社を「受け皿」にしようという動きが垣間見られる。
 単に日本人を減らすだけが現地化ではないが、人も資本も集まる中国で新たな「現地化」のモデルが生まれてもいいはずだ。(ジャーナリスト・上海在住)

Posted at 08:33 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
上海の人材戦略、人の現地化について  2008年08月14日(木)
上海の人材戦略、人の現地化について


私も上海のこの10年の変化に驚かされるひとり。中間所得者層の出現、街に溢れる工業製品、そして市民の表情。彼らの表情は1992年の頃に比べて格段に明るくなりました。

けれども一方で「やっぱり変わらないな」と思うことも。つまり、本質的な部分は10年程度では変わらないのです。

以下は02年の記事ですが、いまだ同様の問題を抱えている企業もあると思います。ましてや日本人は帰国し、中国人は転職と、ノウハウの受け皿を持たない上海企業であればなおさらではないでしょうか。



■エコノミスト チャイナ・ウォッチ 2002年5月28日号掲載
中国人を使いきれない日系企業


 中国に進出する日系企業が目指すべくは「現地化」だ。中国人スタッフに権限を委譲し、スムーズに現場を運営できるか、これが現地企業の共通課題となっている。だが、日系企業は現地法人のキーマンを使いきれないでいる。


 この4月、上海の日系現地法人A社に日本人の新総経理が着任した。彼は前任者の直属の中国人スタッフを引き継いだが、前任者の息がかかっているスタッフらがどうもしっくりこない。ギクシャクしたこの不協和音が関連当局との付き合いにも支障が及ぶ。中国ではよくある「立ち入り検査」後の罰金も、日系企業が現地で円滑にビジネスを行うための方便だが、二代目総経理は「うちは何も悪いことしていない」と拒否。本来ならば対策ノウハウも中国人スタッフが総経理に進言するところだ。だが、パイプはすっかり断たれて入る。


 新総経理がスタッフを使いこなせないところにこのA社の悲劇があった。当局との関係はこじれ、事業に影響が出始める。直接的に儲けをもたらした有能なスタッフである中国人の陳氏(仮名)もついに辞表を提出した。この顛末を聞いて帰国したばかりの前総経理が慌てて国際電話で止めに入った。「陳君が辞めたら再び形勢が逆転してしまう」。
 有力メーカーA社の属する業界では、仏系メーカーとA社が、中国市場でのトップシェアを争ってきた。数年前まで2位に甘んじてきたA社だが、中国人スタッフ陳氏一人の手腕でたちまちにして肩を並べるまで販売量を増やした。
 中国では一人の中国人が、業界の勢力図を変えてしまうほどに影響力を持つことが少なくない。陳氏は地場の全国チェーンを知っていた。メーカーの営業部に所属する彼は小売店が抱える問題を熟知し、しかもこまめに小売側に指導をした。中国広しといえど、こんな人材はまだ少ない。当然、大手チェーンは彼になびく。彼の月給は3万元(約48万円)。破格の待遇だが、「安い労働力」にこだわっていては人材が定着しない。
 それでも陳氏は辞表を出した。実力主義かつ「去る者は追わず」のドライな企業で知られるA社だが、たった一人の中国人の辞表事件に騒然となったのである。


 こんな話もある。中国のある開発区への進出を唱えたのは、日本の企業に10年以上勤務する一人の中国人社員王氏(仮名)だった。

彼はある大手メーカーB社の本社採用。中国進出の際、本社はY氏を現地幹部に起用した。日中両国に精通する彼は、所属部門において「社史に名を残す」貢献をもたらした。「しかし、古い体制との闘いは厳しかった。伝統と日本の商習慣との闘い。会社は私を巡って支持派と反対派に分かれた」(王氏)。

 
 もともと、香港支店が中国ビジネスをコントロールしていた。97年当時でも、香港の現地法人から見れば上海などはまだまだ危険に映った。「香港ベースの中国戦略はいまどき間違っている」と王氏が異論を挟むと、「あいつは社内を攪乱している」との批判が出る。物怖じせずズケズケものをいう中国人にアレルギー反応を起こす日本人もいた。

 
 一方で「彼を使えなかったら、わが社には将来がない」という支持派は、彼なしでは中国ビジネスもないどころか、本社の命運すら危ういことを理解している。幸いにして王氏の上司、つまり現総経理はトップとして才覚のある人間、自らは背後に控え彼に全権を委ねる。しかし反発の防波堤でもある現総経理が帰任すれば、王氏の立場は揺らぎ、好調推移してきた現地事業が狂ってしまう可能性もある。
 

 中国に安い労働力だけを求める時代は終わった。日中ビジネスのパートナーシップが叫ばれる今、求められるのは中国人キーマンだ。だが日本人はそのキーマンを使いこなすだけの度量があるのか。しかも三年任期では「人が交代すれば現場が崩れる」危険と常に背中併せだ。
 一方で上海では中国人総経理が日系企業を束ねて成功を収めている例も出始めている。純血主義の日本の企業が果たしてグローバル企業に脱皮できるか、現地日系企業は新たな局面を迎えている。(ジャーナリスト・上海在住)


Posted at 08:19 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
「光明公益賞」受賞企業リストと国籍について(その4)  2008年08月04日(月)
「光明公益賞」受賞企業リストと国籍について(その4)
ファイルは「光明網」のHPをもとに、2008年2月に姫田が作成したもの。


光明公益賞 受賞企業リストと国籍

第1回(04年表彰)
対象企業10社
国籍 企業名 受賞回数(4回実施中)
アメリカ アムウェイ 4回
アメリカ コカコーラ 4回
アメリカ フェデックス 4回
アメリカ モトローラ 3回
アメリカ コノコF石油 1回
日本 東芝      4回
日本 ソニー 4回
フランス カルフール 4回
スウェーデンエリクソン 2回
ドイツ シーメンス 4回
*10社中、アメリカ企業5社(占める割合50%)、日本企業2社(占める割合20%)




第2回(05年表彰)
対象企業20社 国籍 企業名 受賞回数(4回実施中)
アメリカ アムウェイ 4回
アメリカ フェデックス 4回
アメリカ コカコーラ 4回
アメリカ マイクロソフト 3回
アメリカ モトローラ 3回
アメリカ アプライド・マテリアル 2回
アメリカ ヤンセンファーマ 1回
アメリカ キンバリークラーク 1回
アメリカ ユナイテッドテクノロジーズ 1回
日本 東芝 4回
日本 ソニー 4回
日本 松下電器 1回
韓国 LG電子 3回
韓国 サムソン 3回
フランス カルフール 4回
フランス ロレアル 2回
ドイツ ダイムラークライスラー 1回
ドイツ シーメンス 4回
オランダ フィリップス 3回
イギリス BP 1回

*20社中、アメリカ企業9社(占める割合45%)、日本企業3社(占める割合15%)


第3回(06年表彰)対象企業20社
国籍 企業名 受賞回数(4回実施中)
アメリカ アムウェイ 4回
アメリカ コカコーラ 4回
アメリカ フェデックス 4回
アメリカ マイクロソフト 3回
アメリカ モトローラ 3回
アメリカ シティグループ 1回
アメリカ フォード 1回
アメリカ インテル 1回
アメリカ P&G 1回
日本 東芝 4回
日本 ソニー 4回
日本 NEC(日) 1回
日本 トヨタ(日) 2回
韓国 LG電子(韓) 3回
韓国 サムソン(韓) 3回
フランス カルフール(仏)、 4回
オランダ フィリップス(蘭) 3回
スウェーデン エリクソン 2回
ドイツ シーメンス 4回
フィンランド ノキア 1回

* 20社中、アメリカ企業は9社(占める割合は45%)、日本企業4社(占める割合は20%)





第4回(07年表彰)対象企業20社
国籍 企業名 受賞回数(4回実施中)
アメリカ アムウェイ 4回
アメリカ コカコーラ 4回
アメリカ フェデックス 4回
アメリカ マイクロソフト 3回
アメリカ アプライド・マテリアル 2回
アメリカ ジョンソン&ジョンソン 1回
アメリカ デロイトトーシュトーマツ 1回
アメリカ マクドナルド 1回
アメリカ メリーケイ(MARYKAY) 1回
アメリカ 中国百胜餐饮集团(Yum! Restaurants China=ケンタッキー、ピザハット) 1回
アメリカ リーマンブラザー 1回
日本 東芝 4回
日本 ソニー 4回
日本 トヨタ 2回
韓国 LG電子 3回
韓国 サムソン 3回
フランス カルフール 4回
フランス ロレアル 2回
ドイツ シーメンス 4回
オランダ フィリップス 3回
*20社中、アメリカ企業は11社(占める割合は55%)、日本企業3社(占める割合は15%)


また、以下は「光明網」に掲載されている当時の表彰式の中継の模様から読み取ったもの。

■04年第1回「光明公益賞」受賞企業と代表者の発言内容

第1回は代表者の発言に耳を傾ける形で、司会者も具体的な評価による企業紹介は行っていない。PRにたけている企業は公益活動への投入金額についても語っている。

■05年第2回「光明公益賞」受賞企業と活動内容

第1回目以降、さらに多くの会社が関心を寄せ、2回目からは表彰される企業は10社から20社に拡大した。

第2回になると、司会者は各企業の紹介を導入しはじめた。この紹介から、「何が評価されて受賞となったのか」がわかる。つまり、中国で評価される社会貢献活動がどのような性格のものであるかがあぶりだされてくる。

また、欧米企業の独自性のある社会貢献のスタイルは非常に参考になる。「何が求められているか」を分析し、本業として蓄積された技術を生かし貢献している傾向が読み取れる。

■06年第3回「光明公益賞」受賞企業と活動内容

表彰式では司会者も明確に評価対象となる1年間の社会貢献活動とそれに費やした金額を発表するようになった。近年は寄付の金額も億単位に。寄付合戦という側面も見られないではない。

■第4回についてはネット上に具体的資料が見当たらないが、第4回の評価の基準が次のように明記されていた。

表彰対象となる20社は「2006年に直接もしくは中華慈善総会、中国青少年発展基金、宋慶齢基金会など公益機関を通じ、学校、養老院、文化団体、科学研究所、被災地や貧困地区に対して総額数億元もの資金や物資による援助を行ったことで評価された」
(続く)
Posted at 20:20 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
中国の「光明公益賞」について(その3)  2008年08月01日(金)
中国の「光明公益賞」について(その3)

 中国に光明日報という新聞社があり、ここが積極的に社会貢献をする企業を表彰する「光明日報賞」というのがあるのをご存知だろうか。これは2004年からスタートし、毎年10社(初回は20社)が表彰される。
 
 評価の対象は主にトップ500などの多国籍企業で、彼らが中国で行った公益活動を表彰し、優秀な「企業公民」を選ぶという性質のものだ。
 メディアが主催することで、水面下にもぐりがちな慈善活動も市民に向けて告知の場を得たということでは、それなりに意義があるし、中国側にも、こうした多国籍企業の経験を借りることで、中国の公益事業を発展させることを目的にしていることが見出せる。
 光明公益賞の応募条件と評価基準は以下のとおりとなっている。

光明公益賞の応募条件
@自主的意志によって参加していること
A 近年の社会において良好なイメージを保っている企業であること
B 参加企業の公益活動が過去1年間に行われたものであること(例:2007年の表彰なら06年の1月1日から12月31日までの活動)
C 世界500強企業か、業界50強に入る多国籍企業(中資企業も含む)であること。
D 体育・スポーツ事業の協賛ではないこと(これは企業が行っていても評価対象にならない)
E 公益事業に関する証拠を提出すること(例:慈善団体からの感謝状など)
F自社の本業と直接関係ない分野で公益活動を行っているかどうか
G 本表彰の協賛企業は参加資格を有さない

光明公益賞の評価基準
@交易活動の頻度、回数
A公益活動への投入資金額
B公益活動に会社幹部の参加程度
C公益活動の独自性(独創性)
D支援を受ける側の貧困状況


次回は具体的にどんな企業がどういう理由で選ばれているのかを見てみたいと思っている。なお、この連載についてご関心のある方はぜひご連絡ください。無断転載はお断りしています。



Posted at 10:45 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
主体は個人、企業ではない(その2)  2008年07月29日(火)
主体は個人、企業ではない(その2)

所詮、企業は経営者の「打ち出の小槌」


 中国では企業というEntityではなく、経営者個人による募金活動が頻繁になされているということは、「その1」で述べたとおりだが、08年2月にジェトロ上海センター次長の岩田康さん(http://blog.fideli.com/iwatayasushi/)と行った対談で、次のような解釈が引き出されたのはとても有意義だった。つまり、中国においては、消費者や顧客会が、問いただすべき対称は「企業ではなく経営者本人」であるということだ。また経営者も自分はこれだけやっていると誇示すれば、企業PRにもつながる。

 市民にも感謝され、ついでにPR効果ももたらす、という手法は四川大地震後、最もフットワークの軽かった企業の1つ、飲料メーカーの「王老吉」からも見てとれる。彼はこの大地震で国内で最大の1億元を寄付した。この「民族企業の精神の持ち主」としてのパフォーマンスは瞬く間にファンを増やす。そして、ここぞとばかりに広告展開に打って出た。上海の古北カルフールでは一時、この紙パックの250ミリリットルの飲み物が1・95元(約30円)で売り出され、市民の関心を引いた。
定番とはいえこの古ぼけたイメージのある飲み物の、巻き返し劇は三段跳びのごとくテンポのいいものだった。しかも、上海市場の背景には、あえてローカル色を強調するような回顧的ムードが前提として存在したことも奏功した。

 話は飛んだが、どうやら中国では、企業というのはオーナー、個人そのものであるという要素が強いようだ。自分の会社は「自分のポケット」と表現しても過言ではない、つまり、お金を生み出してくれる「打ち出の小槌」、それが会社というものなのかもしれない。これはジェトロ上海センター次長の岩田泰さんのご指摘だが、実に言い得て妙である。

 逆に言えば「小槌にいくら社会的責任を求めてもしょうがない」という捕らえ方もできてしまうし、1人では改善できない社会問題を個人の代わりとなって企業単位で解決するという欧米型、日本型の発想とは大きく異なるという見方もできる。

 確かに中国でもCSRという言葉が徐々に認知されつつはあるが、現段階の実態としては、企業市民(Corporate Citizenship)として、寄付や慈善活動、ボランティア活動という社会貢献活動という部分に主眼がおかれ、むしろ経営者そのものの寄付活動ということに価値が置かれているようだ。

 余談だが、拙稿(http://diamond.jp/series/china_report/10001/)に関心を持ってくれたあるアメリカ人駐在員がこう指摘してくれたのは興味深かった。
「信じられない。アメリカはすべて匿名だよ」
(続く)

Posted at 13:56 | 中国における日系企業の社会貢献活動 | この記事のURL
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