
1000年以上続く技、なかなかないかもしれません。
奈良は法隆寺には、法隆寺の宮大工の棟梁がいました。
西岡常一さんです。祖父、父とともに法隆寺の宮大工として、飛鳥時代からの宮大工の技を伝えています。
法隆寺は、飛鳥時代に建設された寺です。
西岡さんは、その技を平成の世まで伝承した宮大工です。
そして、その技は引き継がれます。
木のいのち木のこころ 著者は、
西岡常一、
小川三夫、
塩野米松さんです。
インタビュアーの塩野さんの聞き書きで、棟梁の西岡さん、弟子の小川さん、他の大工の言葉が語られていきます。
1300年前の木造建築の技、それは木を知り尽くした技のようです。
そして、それは人材育成にも通じます。
飛鳥時代の工人の知恵、それは
いかに木を生かして使うか その1点に尽きるとのことです。
これが、法隆寺大工の口伝で伝わっています。
例えば
木は育成のままに使え
木組みは寸法で組まず木の癖で組め
「木」を「人」に置き換えても、人が活きるポイントに当てはまるのではないでしょうか。
そして、この飛鳥の工人の技を伝承するにはどうするか。
やはり、木と同じで人の癖のままに良い点を生かす方法を西岡棟梁はとっていました。
徒弟制度です。
弟子ができるようになるのが目的です。
やり方はほとんど教えません。かんなくずを見せて、「このようにやれ」と一言。
そして「作業場を掃除しろ」と一言。
作業場を観察して、自分の受け取れる範囲で技を盗みます。染み渡らせます。
そして、棟梁ができると判断したら、本番で「やってみろ」。いきなりの大舞台。
数百年の檜の用材を加工させます。
本番が人を育てます。
西岡棟梁は、「
人間は生まれたままの個性を持っている。本当の教育というのは、その個性を伸ばしてやることだ」という信念で弟子を育てました。
弟子の小川さん、そして多くの孫弟子。
進歩の基礎は、無垢で素直なこと。
孫弟子を率いる小川さんの言葉です。
この本は、西岡棟梁が伝える飛鳥時代の工人の知恵、そして孫弟子までの技の伝承と人育ての知恵がぎっしり詰まった本です。
強く、強くお勧めします。