ヘルマン・ヘッセ というドイツの作家をご存じですか?
「車輪の下」を、記憶の彼方に垣間見たりします。
ヘッセに「
東方巡礼」という著作があります。
時は1932年、昭和7年、太平洋戦争が起こる10年くらい前、ヘッセ55歳の作品です。
その物語に、旅の一団が出てきます。そして、旅の一団の雑用係の召使い、レオという男性に焦点が当たります。レオがいると順調に進んでいた旅。
レオがいなくなり、混乱する旅の一団。
奉仕をしている召使いが実は非常なリーダーシップを発揮している姿と捉えられます。
サーバントリーダー(THE SERVANT AS LEADER)
ロバート・K・グリーンリーフ の手になる小冊子です。写真は、その日本語版小冊子です。
グリーンリーフは、AT&Tにおいてマネジメント研究を行い、組織研究の分野でコンサルタント等で活躍しました。
グリーンリーフの考え方は、米グリーンリーフセンターとして続いています。
そして、ピーター・センゲが非常に参考にするリーダーシップモデル、そしてジャウォースキーのALFも基本的な考えを引き継いでいる 『
サーバントリーダー』 の提唱者です。
サーバントリーダーは、「
まず奉仕し、その後導いてゆきたいと思うようなリーダーシップ」と表現されています。
グリーンリーフは、この着想をヘッセの東方巡礼から得ています。
この小冊子、50頁も無い冊子ですが、リーダーシップやリーダーとしてのものの見方について非常に深い論考がされています。
意志を持つこと、目標を持つこと、聞くこと、想像すること、身を引くこと、受け入れ・共感すること、予見することをしること、等々。
これらがサーバントリーダーの資質といった言い方はしていませんが、通常のリーディングに焦点があたるリーダーシップの考え方とは随分違う考え方が示されます。
センゲが、これだけは参考になるといったのもうなずけます。
ただ、少し難文です。もともと論文を寄せ集めたのが成り立ちとのこと。
でも、それを補ってあまりある考察に触れることができます。
この小冊子でジャウォースキーはALFへの流れを作りました。
アメリカで欠けていた、そしてひょっとすると資本主義や西欧的なリーダーシップでは欠けていたものが見つかるかもしれません。
ひとつ面白い下りがあります。
12人の司祭と神学者、さらに12人の精神分析医が2日間の「ヒーリング」を題材にした対話会があったそうです。
そこで、「私達はなぜこの仕事をしているのでしょう。私達のモチベーションは何でしょう。」といった問いかけへの答えは、10分で出たそうです。
その答えは、
「自分自身の癒しのためである」
とのこと。ひょっとすると、サーバントリーダーは奉仕を通じて自分の癒しまで行っているのかもしれません。自分の癒しであるならば、命令ではなく奉仕や支援といった行動になるでしょう。
そんなことまで考えてしまいました。
そして、ヘッセです。
残念ながら、東方巡礼はまだ読んだことがありません。
ヘッセは、東方巡礼を書く10年前にブッダについても著しています。
母方の祖父がキリスト教に加えて、ヒンドゥー教や仏教にも詳しかったとのこと、こういったことも関係あるのかもしれません。
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