リーダシップという言葉、どういったイメージを思い浮かべるでしょうか。
ぐいぐい引っ張る姿。
プロジェクトXやプロフェッショナルに出てきそうなバイタリティのある人。
信長、秀吉、家康といった戦国武将。
山本五十六、等々の近世の名将。
カルロスゴーン、稲盛和夫といった名経営者。
近所の八百屋さん、サークルの世話人といったコトもあるかもしれません。
もっと漠然と、引っ張る人、まとめる人、といったことを思い浮かべるかもしれません。
サーバント・リーダシップ入門
著者は、神戸大学大学院教授
金井壽宏、資生堂相談役
池田守男さんです。
副題は
引っ張るリーダーから支えるリーダーへ です。
近年、前に出てばかりのリーダーシップよりも、ちょっと一歩下がって皆を盛りたてるリーダーシップが注目されてきています。
日本語で表現すると『
奉仕型』のリーダーシップです。
これを、「
サーバント・リーダシップ」と呼んでいます。
サーバントと言うと召使いを連想しがちですが、奉仕をする人の意味です。
さて、金井さんの定義を私なりに表現すると、リーダーシップとは
「
ついて行く人が、自分からついていって良いよという状況を作り出すプロセス」
ということです。
そして、
サーバント・リーダシップとは
「
ミッション(使命)を目指すために、メンバーを全力で支え、奉仕すること」
となります。
召使いのように、メンバーの言うことを唯々諾々とするのは「サーバント・サーバント」とのこと。
ミッションに燃えて、奉仕をするのがサーバント・リーダシップです。
共著の池田さんは、資生堂の元社長であり、社長として奉仕型のリーダーシップを発揮した方とのこと。
浅学にして私はこういったリーダーシップを、日本において発揮していた方とは知りませんでした。
サーバントリーダシップにしろ、ファシリテーションやコーチングにしろ、日本でも体系化はされていないでしょうが、綿々と実践されてきたものではないかと感じています。
アメリカでは、こういった部分を多くの方が一気にシステマチックに補うために体系化が進んだのかもしれません。
松下幸之助さんは、「企業は利益や利潤だけを追求してはいけない。社会に奉仕したご褒美が結局は利益になって戻ってくる。」ということを言っていたとのこと。
そして、「人は信頼に値するもの」という信念も持っていたとのこと。
人を信頼する人は、人からも信頼されるということでしょうか。
ちなみに、フォロワーがついていくためにリーダーにとって最も重要な資質は「信頼」できることだそうです。
日本では、サーバント・リーダシップは、召使いと誤解されるかもしれません。
本書は、「サーバント・リーダシップ」について、その本質と日本での実例が判る好著です。
誤解が少しでも解けて、この考え方が広まればと感じています。
ちなみに、「ファシリテーター型リーダー」「ファシリタティブなリーダー」もおおよそ同義だと感じています。
カタカナ語や定義ではなく、どうある人かに着目すれば良いのではないでしょうか。
サーバントリーダーも、ファシリタティブなリーダーも、ティーチングするときはするでしょうし、引っ張る時は引っ張ります。そして支える時は全力で支え、ほったらかして良い状態ではほったらかすのでしょう。
但し、ミッションを持って、考えて、そういった行動をするのが良いのだと考えています。
サーバント・リーダーシップについて、さらに深めていくことができればと感じました。
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