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「自立とかかわり」の[場づくり][技法][人づくり]でサポートする、組織開発・人財研修の【G・Shift】(ジーシフト)のブログです!

炎の陽明学  2007年07月08日(日)
岡山県の山間部、岡山県の倉敷と鳥取県は米子を結ぶJR伯備線に、JR唯一の人名駅『方谷』(ほうこく)があります。

人名がついている位なので、この地に非常にゆかりがあります。

この辺りを備中(びっちゅう)といいます。

山田方谷(やまだほうこく)、幕末は1805年に備中松山藩に生まれています。

大政奉還は1867年、ちなみに大政奉還の奏上文原案は山田方谷の手になると言われています。最後の老中板倉勝静(かつきよ)が最も信頼した人です。

山田方谷、誰?という方も多いのではないでしょうか。

上杉鷹山 と言えば、現在の山形県は米沢藩でリストラを行った人ということを憶えている方もいると思います。
内村鑑三の「代表的日本人」の一人でもあります。童門冬二の『小説 上杉鷹山』を読んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

幕末に、上杉鷹山の何倍もの改革を成功した人が、この山田方谷です。

もしもこの人が閣僚だったら、という「シャドーキャビネット」は明治でも行われていたようです。
明治維新政府のシャドー大蔵大臣は「山田方谷」ということで、再三の呼びかけにもかかわらず、任官は固辞したということです。

さて、今日ご紹介する本 「炎の陽明学 -山田方谷伝-」は、率直なところ全国区では有名ではない山田方谷について、その事績が非常に良く判る伝記です。

著者は矢吹邦彦。 実は、この人の先祖の矢吹久次郎が、山田方谷と非常に深い関係があり、当時の手紙が多く残っているそうです。伝記も代々伝えられた手紙がきっかけとか。

さて、山田方谷その人ですが、意志の人、行動の人、厳格な人。でも一番は「誠の人」かもしれません。

藩政改革者としての山田方谷の業績を一言にすると、

十万両の借財に苦しむ備中松山藩の財政をわずか八年で十万両の蓄財 としたことです。

上杉鷹山の改革は、鷹山没後何年かして借金を返済したとのこと、それと比べたら蓄財までできたところにすごみを感じます。

十万両と言うと、ぴんときませんね。
少し計算してみました。江戸時代の1両が現在のいくらかというのは、実は金貨、銀貨、銭貨の3種類の相場があったので、厳密なものは判らないということです。
文化・文政年間(1800年頃)の下女の年間給金は2.5両ということです。1日の賃金は50文とのこと。そして、当時の1両を銭に換算すると7000文程度。そして、かけそばは16文だったとか。
かけそばを基準にしてみましょう。現在のかけそばを1杯500円として計算すると、1両はおおよそ22万円となります。

 10万両は、なんと、220億円です。  (ざっくりとした計算ですが、、、)

 赤字220億円を自助努力で4年(くらい)で返済し、逆に4年で貯蓄を220億、、、、とな>ります。

備中松山藩は5万石、廃藩置県で高梁県(たかはし)となって、現在は高梁市ということです。
現在の高梁市と同じ大きさかは調べきっておりませんが、547平方キロ、人口4万人(2004年現在)とのこと。
同程度の広さの都市は、出雲市(543平方キロ)、鹿児島市(547平方キロ)、米沢市(547平方キロ)、すこし離れて東京23区(621平方キロ)、バーレーン(国土 665平方キロ、ペルシア湾の島国)

ちなみに、財政再建をしている市町村として報道されている夕張市(763平方キロ、人口1万3千人,2007年現在)は、破綻時に赤字が360億だったということです。

さて、山田方谷は、一地方市で破綻しても良い財政を8年で同じ金額の蓄財をしたということです。

理財家の一面がクローズアップされますが、この伝記で読み取れるのは、「良く考える。誠の道を考えて実行する。」こういった姿です。

この本の表題になっている「陽明学」は山田方谷が学んだ学問です。

中国は儒教の系譜であり、儒教というキーワードで同じ幕末期の二宮金次郎とも繋がってます。(二宮金次郎の銅像で気になる本は実は「大学」です。四書五経ですね。これで儒教と繋がります。)

幕末の裏面史が判る書とも、山田方谷を愛する関係者の手となる愛情溢れる伝記とも読めます。

途中、昔の手紙の抜粋、そして漢詩が出てきます。
歴史書に触れている方の方が読みやすいかもしれません。

でも、非常にお勧めです。
一読というより、二読、三読に値します。

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彦田友治
人と人・組織・コトへの「かかわり」に注目して、企業のさまざまなコミュニケーション向上の研修やビジョン共有や問題解決のワークショップなどの場づくりを、夫婦二人そして講師の皆さんと日本各地で行っています。
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