
粋で乙な男をめざす、と言えば2年前は2005年の「タイガー&ドラゴン」です。
粋で乙とは何だろうと思いつつ、ドラマを見てしまいましたね。いや、面白かったです。
粋よりも多少艶やかなのは「さくらん」でしょうか。映画は見ていませんが映像に引き込まれます。マンガでは、きくち正太の「おせん」とか。
遊び人の金さんも粋な感じでしょうか。
江戸時代を思い浮かべてしまいますね。
さて、「
いきの構造」という本があります。
著者は、哲学者の
九鬼周三という人です。
明治21年(1888年)生まれで、昭和16年(1941年)に53歳の若さで生涯を閉じています。
そのあまりに早い死に、師匠筋の西田幾多郎は墓碑銘を書いたということです。
8年のヨーロッパ留学中に、ハイデッガー等から直接西洋哲学を学び、日本文化への洞察を深めたということです。
いきの構造は、岩波文庫から1930(昭和5年)に出ています。
「いき」には構造があり、それはサイコロのような構造を持つ。
それは、「いき」「野暮」「甘味」「渋味」の上面と「上品」「下品」「派手」「地味」の下辺。
いきは「粋」「意気」「生き」にも通じるとのこと。
著者は、いきを「垢抜けして(諦)、張りのある(意気地)、色っぽさ(媚態)」と定義しています。
仏教と武士道そして色っぽいところ、でしょうか。
なるほど、、と納得することしきりです。
いきの構造自体は100ページの分量なのですが、哲学者が書いただけあってちょっと難解です。さらに、文体に昭和初期の香りがします。
でも、小気味よいテンポの書きぶりでついつい読んでしまいます。
例えば、以下のように、、、
「媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定(そてい)し、自己とと異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。」
初めて聞く言葉も多々、例えば
措定(そてい) [ある内容をはっきりと取り出して固定すること]
闡明(せんめい)[はっきりしていなかった道理や意義を明らかにすること]
そして久しぶりに、
畢竟(ひっきょう)[つまるところ、結局、所詮]
という言葉をたくさん聞きました。(以上、広辞苑5版)
歯ごたえのある文章です。
ただ、日本人の「いき」という伝統を、江戸の香りを残そうとしている昭和初期のこの本で味わってみるのも良いのではないでしょうか。
「風流に関する一考察」「情緒の系図」という興味深い論考も記載されています。
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