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私の地元山口県には、瑠璃光寺というお寺があります。
曹洞宗のお寺で、福井県の永平寺のつくりにも良く似ています。
瑠璃光寺には、国宝の建造物があります。
五重塔です。
高さはなんと31m
室町時代は、嘉吉2年(1442年)頃の建立とのことです。関ヶ原の合戦の150年くらい前のことですね。
600年程度、ずっとたち続けていることになります。
なまじコンクリートで無い方が良いのかも、と単純に思えてしまいます。
古い古い木の建造物が身近にある。
世界的にも稀なことのようです。
宮大工千年の知恵 著者は、
松浦昭次さん
松浦さんは宮大工の棟梁です。
宮大工、聞き慣れないかもしれません。神社仏閣の建設に関わる大工の方です。
松浦さんは、その中でも修理や補修をする専門の宮大工です。
国宝や重要文化財を次々と手がけています。
補修と単純にいいますが、徹底的に行うときは全て分解するとのことです。
1000年も前の木造建築を解体して補修をする。
そこには、木造建築を通じた古くからの日本の知恵、そして様々な違いが見えてくるようです。
まず、測る単位が違います。
木を測る方法は規矩術と言うそうです。
「
規矩準縄を正す」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
昔の規矩術と今の規矩術では違いがあるそうです。
まず、メートル法ではありません。
奈良時代と比べると、かなり退化しているような感触のようです。
まだまだ、今の建築と比べると様々な違いがあります。
綺麗に見えるように、使われているときの美しさがあるような様々な工夫もしているようです。
軒先が微妙に反り返っている「
軒反り」
柱と柱の間を微妙に「
等間隔にしない」錯視を狙ったかの効果
などなど
人を育成する視点、日々行動に役立つ視点もあります。
昔の建造物に使う木は、木目そのままで使っていたそうです。
まっすぐな柱が必要であれば、まっすぐな木材を使う。
微妙に曲がった形が良ければ曲がった木材を使う。
木目を変に切ってしまうと「そこから歪みが出て、早く傷んでしまう」
つまり長く持たない、強靱でない建物になってしまいます。
特性を活かした、適材適所に重なります。
木と木がなじむような木組み、釘はほとんど使いません。
様々な揺れ、大きな揺れがきても、しっかりした余裕のある木組みだとびくともしないそうです。
釘を使う場合も「和釘」を使って、「ゆっくりと手で」打ち込むのが良いようです。
本質的な技術の続く姿、そして木の活かし方や1000年以上も建築物が残るほど深い工夫。
いくつも気づくことがあると思います。
ひとつ感じたことがあります。
江戸時代、明治時代などなど時代を経るに従って、伝承している技術も建築物も悪くなっているということです。
そこに現れているのは、『
効率化の弊害』のように思えます。
効率化、時間を短く作業する、ことの弊害。
もしくは、本質的には何が良いのかを考えること。
が大切なのかもしれません。
日本建築について語っている薄い本です。
しかし、非常に濃い内容です。組織で活動する、身を処す千年の知恵、のようにも思えてなりません。