長年、企画、マーケティング、宣伝などの分野で仕事をしてきたので、そろそろ真面目にマーケティングライクなブログでもと思い書き始めることにします。

広告制作料算定基準  2008年10月16日(木)
広告制作料算定基準


クリエイティブの値段(価格)というか価値も含めて、書いてきましたが、やはりその価格体系の構造を見る必要があると思います。CFの場合、広告費の10%ぐらいが目安という話では納得できないでしょう。

まず、クリエイティブ制作料金は、

1.制作物の最初の打ち合わせから完成までに制作者が提供した役務への対価(作業料)

2.外注費など実際に支出する経費(支出経費)

3.完成した制作物がもたらすであろう付加価値(付加価値料)

上記3つから構成されます。

仮に、下記のような式で表わすと、

X = 制作料金
Y = 質的指数
Z = 量的指数
a = a作業料
b = b作業料
C = 支出経費

X = aY + b + aYZ + C

となります。
ここで、a作業料は付加価値に影響を与えるような作業です。具体的には、クリエイティブディレクション(CD)、デザイン(D)、コピー(C)など純粋なクリエイティブ作業です。

b作業料はラフ、カンプ、フィニッシュなどの単なる作業です。

上記式のaYZと言うのが付加価値料になります。
つまり、a作業に質的指標と量的指標を掛け合わせたものです。

最後のCが外注費(支出経費)です。
一般的に、この中に含まれるものは、

1. 外注費:外注写真料、外注イラスト料、スタジオ料、照明料、モデル料、ヘアメイク料、スタイリスト料、大小道具料、写真借用料、外注原稿料、外注フィニッシュ料、etc。
2. 材料費:フィルム費、現像料、印画紙代、その他の材料費、写植料、コンピュータ出力費etc。
3. ロケ出張費
4. 交通費
5. 打ち合わせ等に伴う雑費
6. 通信費

などです。

Yの質的指数のもとになるのは、クリエイターの経験や感性、そして実績などです。
下記のような標準的時間料金に対してのこの指数を掛け合わせることによって、クリエイティブ作業費(aY)を算出します。

各職業毎の標準的制作者時間料金の参考値は、下記の通りになります。

10,000円(年収 1,000万)クリエイティブ・ディレクター/プロデューサー
8,000円(年収 800万)コピーディレクター/アートディレクター/CFディレクター/SPディレクター
5,000円(年収 500万)コピーライター/デザイナー
2,500円(年収 250万)アシスタント

Zは量的指数です。これは雑誌のなどの媒体の規模に関連する数字です。
一例として、雑誌の場合、下記のような基準があるようです。

Z指数 発行部数
0.5 10,000以下
1 30,000程度
1.5 50,000程度
2 100,000程度
2.5 200,000程度
3 300,000程度
5 500,000程度



それでは雑誌広告の制作費(クリエイティブの価格)です。

A4サイズの4C(フルカラー)広告1ページの値段です。


区分 作業項目 単位 基準価格(円)
a クリエイティブディレクション(CD) 1P 65,000
a デザイン(D) 1P 65,000
a コピー(C) 1テーマ 65,000
b ラフ 1P 15,000
b カンプ(1点) 1P 25,000
b フィニッシュ 1P 25,000

X = aY + b + aYZ + C

Y=1
Z=3

Cの外注費が下記項目で30万円かかったとして、

カメラマン
スタジオ料
照明料
モデル料
ヘアメイク料
スタイリスト料
大小道具料

X=65,000×3×1+(15,000+25,000+25,000)+(65,000×3)×1×3+300,000
=195,000+65,000+195,000×3+300,000=1,145,000

まとめると、発行部数30万部程度の雑誌のA4サイズ1Pの広告制作費は概ね100万円ということになります。

TVCFのクリエイティブでも書いたとおり、広告費の10%程度を目安とするなら、この雑誌の制作費はとてつもなく高いということになりますが、実際には一誌ではなく、同様のクリエイティブを複数誌に利用する訳ですから、1誌当りにすればそんなに掛からないということになります。また、多くの場合CFとクリエイティブを統一するなど、キャンペーン全体の中で吸収できる部分が多くあります。
この例でも、外注費の30万円はCF撮影時にグラフィックの撮影もしてしまうなどして、節約できます。

また、今回の算出基準は

社団法人日本グラフィックデザイナー協会

が提示しているものです。
この団体はグラフィックデザイナーによる組織ですから、基本的に彼らの報酬を守る立場で考えられています。実際にこの基準で見積ったらコンペ(競合)には勝てません。一つの考え方として参考にして下さい。

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