やっと桜の開花宣言です!日本列島は長いですね。
あの地震から一年、復興の願いが込められた文章を紹介します。
能登半島地震があらためて教えてくれた美しい日本語がある。
復興に励む被災者の口から
「これも、あたわり」
という言葉をこの一年何度聞かされたことだろう。
手元の小さな辞書を引いても載っていないが、
宿命、世の定めという意味だろう。
そういえば、周囲の年配者もときおり使う。
金はあたわりもん、と強欲を戒める人がいる。
一日一日があたわり、と病気と闘う人もいる。
地震は理不尽な災害である。
なぜ私がこんな目に遭うのか、という問いに誰も答えることはできない。
この一年、復興半ば被災者60人以上が亡くなったし、
今も仮設住宅で579人が暮らす。
世の定め、と言うにはあまりに過酷な日々である。
それでも、被災を「あたわり」と言う人がいる。
阪神大震災や中越地震の被災地にも駆けつけて
心のケアに当たった僧侶から、
「能登の人は強い」と聞かされたことがある。
被災者の心を、心棒のように貫く「あたわり」である。
地震という不幸な出来事を通じて知らされた美しい言葉だが、
いまの世からは駆け足で消えようとしている。
能登から復興したい「あたわり」という生きる力である。